食後の3C

Poulin1848Noir86_Package.jpg
食後の3Cというものがある。
それは高度経済成長期における三つの耐久消費財、Car(車)/Cooler(冷房装置)/ColourTV(カラーテレビ)の話ではなく、Cairo(カイロ)/Capetown(ケープタウン)/Calcutta(カルカッタ)を結ぶかつての大英帝国の植民地拡大政策のことでもない。

そうかといって、Customer(顧客)/Competitor(競合)/Company(自社)といった企業の経営戦略のことでもないのだし、はたまたcomfortable(快適=十分な経済力)/communicative(理解し合える=価値観やライフスタイルの一致)/cooperative(協調的=家事を積極的にやってくれる)といういまどきの結婚の条件などでもない。

いったい何のことかというと、煙草(Cigar)とチョコレート(Chocolate)、ブランデー(Cognac)のことなのである。これらをですね、食後に楽しむのが至福の一時なのである、というわけなんです。また只野乙山が珍妙なことをぬかしておる、と思う方もいらっしゃるかもしれないので念の為に申し上げておきますが、食後の3Cというものは実在(?)するのです。

酔狂で頓珍漢、さらに相当なおっちょこちょいで勘違い野郎でもある私(乙山)はこういう話を聞くと、さっそく試してみたくなる性癖があって、ずいぶん昔になるけれど実行してみたことがある。理想的には上等な葉巻たばこ、フランスのコニャックでV.S.O.P以上のもの、それにチョコレートを合わせるのがよいのだが、ふだんからそういうものを嗜んでいない以上、無茶はいけない。手に入るもので何とかそれらしい雰囲気を味わうことにした。

結局、煙草はふだんの紙巻き煙草、ブランデーは国産、チョコレートは森永/明治/グリコ/ロッテといずれのものか忘れたが、ミルク成分の含有量が少なくカカオのそれが多いタイプのものを選び、食後の3Cとやらを試してみた。それがけっこう、というか相当いけるのである。煙草、チョコレート、ブランデーはそれぞれ個性が強いのだが、それらを合わせて同時に味わっても、お互いの味や風味を壊すことなく、協調関係を保っているのがわかる。なるほど食後の3Cといわれるだけのことはあるなあ、と納得したのであった。

Poulain1848Noir86.jpg考えてみると、チョコレートを常備しているバーやパブはいくらでもあるだろうから、ブランデーを飲みながらチョコレートをかじる、というのはありがちな光景である。そこに煙草に火をつければもう、自動的に例の3Cは成就されているわけで、わざわざ準備万端整えてさあ楽しもう、などと構えるほどのこともなかったわけである。ただし、葉巻たばこなどは凝りだすとお茶やコーヒーのようにじつに奥が深い。とりあえず、という感じで楽しめる食後の3Cだが、どこまでも深めることができるのはお茶やコーヒーの流儀と同じであるように思う。

ところで煙草やブランデーはどういうものを用いればよいか、おおよその見当がつくのだが、チョコレートはどうしたものだろうか。チョコレートなら何でもいいというわけではなくて、ここはできればあまり甘くないものの方が合うのではなかろうか。形状的にはリンツのエキストラ・シンなどがもってこいかもしれないが、それよりもう少しビターなチョコレートがあれば申し分がない。

イカリや成城石井、ソニープラザなどで輸入物のチョコレートを扱っているので、あれこれ買ってきては試食し、値段と味のバランスなども考慮していまはこれが最良かな、と思うのが「プーラン1848 ノワール86%」である。カカオ含有量86%のビターチョコレートで、食べてみると本当に甘みが少なくてカカオの香りが効いている。好みにもよると思うが、酸味が感じられるのがいいところ。一枚400円前後で入手できるが、ネットで10枚3000円という物件を家族が見つけ、「そりゃあ買いだ」ということで手続きを済ませた。

チョコレートに甘さやミルク成分のまろやかさや油脂分を求める人には物足りないかもしれないが、カカオの香りと酸味を楽しみたいという人にはうってつけなのが「プーラン1848 ノワール86%」ではないかと思う。もちろん、値段を考えずにおいしいチョコレートを、というならいくらでもあるだろうが、値段と品質を考えた場合なかなかのものじゃないかと思う。これを使った食後の3Cはまだ試していないけれど、想像するだにばっちり合いそうな気がする。とりあえずは、ブランデーならぬ濃いめのスコッチと合わせた偽の食後の3Cでも味わい、それらしい気分を満喫しよう。


【付記】
● 食後の3Cにはダークチョコレートが合う、などと書いてしまいましたが、フランス(?)において食後の3Cなるものがどのようにして味わわれているかについては全く知りません。意外と、めちゃくちゃ甘いチョコレートを合わせているかもしれませんし、その可能性は非常に高いような気がします。菓子類のレシピでも、あちらのものはあっと驚くばかりの砂糖とバターの量ですものね。
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今日も決まってますね!

食後の3Cですか!
かっこいいですね。
レミーマルタン(コニャック?ブランデー?)を
初めて飲んだことを思い出しました。

Re:abe天国さん

abe天国さん、こんばんは。コメントありがとうございます。
まあ、等級/品質はともかくとして、要するに
たばこ、ブランデー、チョコレートの三品を用意して、
ご飯の後に同時に楽しもう、というわけです。

レミー・マルタンはおいしいブランデーですね!
そのほかにマーテルやカミュ、クルボワジェやヘネシーなど、
フランス産の有名なブランデーがありますが、
あれらはいったい、いつ飲むのだろうと思っていたわけです。
食事時にはおいしいワインを飲むのでしょうしね。

よくある「ブランデーグラスを手で温めながら」というイメージは、
やはり食後のものなのでしょう。
食前酒があり、食中にはワイン、そして食後にはブランデー。

いったい、なんぼど飲むんじゃい、といいたくなるのですが、
それらのバランスを考えながら味わうのがいいのでしょう。
乙山にはなかなか、できないことです。
つい調子に乗ってワインなんかを飲み過ぎてしまうんですね。

No title

食後の3C、良いなぁ・・・
まぁ私はCigarは嗜まないので代わりにCoffee、ブランデーもほとんど
飲んだ事が無いのでウイスキーになりそうですが(笑)
あ、チョコは製菓材料店で取り扱っているタブレット状のカカオマス
(=カカオ100%、砂糖・ミルク不使用)もかなりオススメです!
苦味は勿論、食べ続けるのに体力が要りそうなほどのコクがあるので
ウイスキー好きの辛党に打ってつけのアテかと♪
(まぁ250g入りで500円はしますので、その辺りがネック?)
製菓材料店は男性の方には入り辛いかもしれませんが、
パティシエ(志望)の男性客もかなりいるので違和感ありませんよ~
まぁ女子高生向けのファンシーな雑貨店内の製菓材料コーナー
なんかは別ですが(^^;)

Re:zumiさん

zumiさん、こんばんは。コメントありがとうございます。
そうか、純粋なカカオマスを買えばカカオの香りを満喫できる!
ちょっとそそられますが、うまい具合にチョコレートに仕立てるのが
とても難しいんじゃないかと思うんです。

プーランは旨いけれど、日本のチョコレートも好きです。
やっぱり、うまいこと作ってありますよ。
甘みと、油脂のバランスが絶妙なんでしょうか。

山で遭難したとき、命のつなぎになるのは糖分と油脂分を
ふんだんに含んだチョコレートではないかと思います。
酒類がいろいろあるように、チョコレートだってさまざまですよね。
奥が深いなあ、なんて思っています。

No title

おおおお、いいですね。洋酒+チョコそして紫煙をくゆらせる。
私は吸わないので煙草はパスですが、洋酒にチョコは試したいです。
(なかなか機会がないのですけど)
しかしこういう場合のチョコというと甘いものを意識してましたが
ビターなタイプも面白そうですネ。

No title

 なるほどチョコレートとブランデーは合いますよね。スコッチとの相性も悪くないと思います。

 タバコはねえ……最近はエコと嫌煙がはやりなので肩身が狭いんですけど、食後の一服はやめられません。どうせ余命はしれているし、やめるつもりもないんですけど(笑)。

> 菓子類のレシピでも、あちらのものはあっと驚くばかりの砂糖とバターの量ですものね。

 ずいぶん前の話ですが、ある船でイギリス人の船長に半年以上経過したクリスマスのケーキをごちそうになりました。いやはや甘いのなんの、けっしておおげさではなく、涙とともに飲み込みましたよ。あれだけ甘ければ、一年たっても腐らないでしょうね。カルチャーショックを受けました。

Re:RSさん

RSさん、こんばんは。コメントありがとうございます。
乙山は甘いチョコレートより、ダークチョコレートがいいと思いますが、
本場(?)は甘いチョコレートかもしれません。

だからといって、本場に倣え、というのではなく、
実際に味わってみておいしいものをチョイスすればいいのです。
ビターチョコレート、いいですよ。

Re:薄氷堂さん

薄氷堂さん、こんばんは。コメントありがとうございます。
たばこ、ブランデー(ウィスキー)、チョコレートは
好相性のトライアングルを形成しているようです。
本当に食後の3Cといわれれるだけのことはありますね。

いやいや本当に、あちらのデザートというか、お菓子はすごい。
糖分と脂肪分の塊ですよ。
とらやのようかんも真っ青になる甘さ、ではないかと。
昔、とらやのようかんをかじって青くなったことを思い出しました。
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