こともあろうに小豆アイスを

Azuki_IceCandy.jpg
子どものころから和菓子はあまり好きでなかった。パイ、クッキー、ケーキ、バームクーヘンなんかのほうが好きで、ぜんざい、お汁粉、ようかんの類は避けに避けていた。思うに、それら和菓子の強烈な(と感じた)甘さが苦手だったのではないかと思う。

今から考えると、和菓子の一部を食べておいしくなかったからいって、和菓子全体を嫌いになるというのはいかにも子ども染みた反応だったと思う。だが、いかに味蕾が開かれていなかったにせよ、子どもの味覚は正直だ。もう一度子ども時代に戻ってみたとしたら、やはり同じ反応を示したんじゃないかと思う。

そんなわけで、けっこういい歳になっても和菓子にはあまり関心がなく、家族が草餅や蓬餅、大福の類を買ってきたとしても目もくれず、「ああ、僕はけっこう、きみたちで食べといて」などといい続けてきたものだから、家族から見ても私(乙山)は和菓子嫌いに映ったことだろうと思う。

さて8月某日、家族が使うための、中古のノートパソコンを買おうと梅田(JR大阪駅周辺)に出かけた。曇り空で日差しは強くなかったが、信じがたい湿度の高さに閉口しながら人混みの中を歩いた。中央郵便局横にあるショッピングモールの中にパソコン専門店があるので、そこでIBM(レノボ)のThinkPadを20000円で買い求めた。一応CPUは1.0GHz、メモリは512MBあり、OSはXPのProがインストールされており、まあまあ使えそうなのでそれにした。

夏用の帽子を見たいという家族に付き合って大丸に立ち寄り、あれこれしているうちに暑くなってきた。梅田(JR大阪駅周辺)の地下街は場所にもよるけれど、けっこう暑いのです。ふと見ると店頭でアイスキャンディーを売っているので、電灯に集まる蛾のようにふらふらとそちらの方向へ行ってしまった。

いろいろアイスクリームやらアイスキャンディーやらが売っている。その中で私がそれにしよう、と指さしたのを見て家族が信じられない顔をしていた。それはなんと「小豆アイス」だったのである。なんでそういうものを食べたいと言い出したのか、それは自分でもわからない。だけどそのときは不思議とそういう気分だったのだ。

長年避け続けてきた和菓子。小豆なんていうものは、自分から進んでは一生口にしないだろうと思い込んでいたが、食べてみると、なんともおっとりした味わいではないか。しつこい甘さがなく、時おり塩味まで感じられる。これは、ううむ、けっこういけるではないか! なんでこれの良さに今まで気がつかなかったのか、と不思議に思ったくらい。

しかも、食べ終わった後にお茶(日本茶)とよく合うのだ。オレンジ味やレモン味、パイナップル味のアイスキャンディーはたしかにすっきりとおいしいけれど、その後で日本茶を飲むと、果実のもつ酸味と日本茶のもつ渋み(タンニン)の相性はそんなによくないようで、お茶をおいしく思ったことはない。ところが、小豆アイスだと、お茶がおいしいのである。

ううむ、これは面白い体験をしたなあ、とそれから数日後、買い物のあとの休憩の折にふたたび小豆アイスを試してみた。やはり小豆アイスはおいしかったし、PETボトルで売っている日本茶との相性もよかった。久しぶりに、ちょっと得をした気分であるが、やっぱりいまだに極度に甘い和菓子は苦手である。甘くない和菓子を、少しずつ楽しんでいこうと考えている。


【付記】
● 梅田の地下街は本当に暑いんですよね。乙山たちがアイスキャンディーにかぶりついていると、歩いている人たちがちらっ、とこちらを見るのがわかります。それで、人によっては方向を変えてアイスキャンディーを買おうとやってくる人たちさえいるのです。小さな子どもなんて、もう完全に立ち止まって、こっちと親御さんの顔を見比べたりなんかして。

写真に写っているものは一応正真正銘の「小豆アイス」ですが、撮影場所は梅田の地下街ではなく、阪急逆瀬川にある某スーパーマーケットの食品売り場で買い求めたものです。まだ表面が完全に凍って白くなっており、これでは何のアイスかわかりませんね。隣には青果店があって、そこでライムを1個60円で売っていたのですかさず数個、買いました。えっ、なんに使うのかって? そりゃもう……
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大好きです

小豆アイス大好きです
今年は暑さが厳しいので 今まで買い置きはしなかったのですが箱入りの小豆アイスを買っておいています
ソーダ味や ブドウ味ののガリガリ君も入れてありますが 何といっても小豆でしょう

ようやく分かってくださいましたか

小豆アイス ばんざーい!


No title

abe天国です。
逆瀬には、確定申告のときに
お世話になります。ご近所さまかも。
(どーでもいい報告ですみません)

No title

いいですねぇ、新しい発見。いや温故知新か?

それにしても、小豆アイスに冷たいお茶とは考えつきもしませんでした。
想像すると、ちょっといいかも。

Re:dariaさん

dariaさん、こんばんは。
コメントありがとうございます。
小豆アイス、なんだかおいしかったです。
時おり感じる塩味が、これまた感じいいのです。

小豆アイスだけでもおいしいのですが、
その後飲むお茶もおいしかった。
和菓子がお茶と合うのは当然でしょうが、
小豆アイスも和菓子の一種みたいなもので、
その後飲んだお茶もおいしかったです。

乙山が、知らないだけだったんだなあ。
お酒もいいけど、和菓子の世界も奥が深そうです!
ありがとうございます。

Re:abe天国さん

abe天国さん、コメントありがとうございます。
あれれ、そうでしたか!
逆瀬川に住んでいるわけでは、ないのですが、
周辺施設はよく利用するんです。
西友がなくなってからはちょっと寂しいですね。
いつか、どこかで、すれちがっているのかも?

Re:RSさん

RSさん、こんばんは。コメントありがとうございます。
果実系のアイスキャンディーだと、お茶が渋いのです。
ところが、小豆アイスだと、お茶がおいしい!
まさに、「和菓子」テイストではありませんか。

ぜんざい、お汁粉、ようかん、ういろうなど、
和菓子はそんなに好きではなかったのですが、
最近、それらを少しずつ食べるようになってきたのです。

お酒に合うとか、合わぬとか、
そういうのとはまた、別の話です。
和菓子はなんというか、非常に洗練された「文化」という
文脈で語られるべきものなのかなあ、などと
近頃考え、少しずつ、味わっております。

No title

小豆アイス、美味しいですよね~後味がさっぱりしていて♪
(実は袋詰めや缶詰の小豆だけをそのままお茶請けにしてしまうほどの
小豆好きです(^^;)
市販の和菓子は当たり外れが結構ありますし、やはり和菓子専門店で
買うほうが無難かもですね・・・街中の個人商店ならそう高くも無いですし。
がんばってお気に入りの味を見つけてください~♪

No title

あー同じです!
私も洋菓子の甘さは大好きなんですが
和菓子の甘さは、特に餡子とかの頭が痛くなるような
後に残る感じの甘さが苦手です。
でもなぜかインスタントのお汁粉だけは大好物でした。
子供の頃の味覚のイメージって結構そのまま引きずりますよね。

Re:zumiさん

zumiさん、コメントありがとうございます。
後味がさっぱりしているし、そのうえお茶とも合うのがいい。
やるなあ、小豆アイス、っていう感じです。

和菓子はごく最近、家族の影響もあって
目覚めた感じ(?)なんです。
自分だけでは、まあ、買いませんものね。

だけど、新たな視点(?)で
和菓子を眺めてみると、知らなかったなあ、
そうだったんだ、と学ぶべき点が多いんです。

Re:羊さん

羊さん、コメントありがとうございます。
1980年代に美食漫画が出てから、
いろんなことをわかりやすく教えてもらって、
わかったようなつもりになっていたんです。

あの甘さはなんだったのか、と思い返してみるに、
あのような「有無を言わせぬ甘さ」が非常に
価値があるとされた時代があったのではないか、と。

それだけで「さすが」と手土産にされたり、
珍重された時代が、やはりそう遠くない昔からいままで、
あった(ある)のではないかと思うのです。

それもそれで、いいのかな。
子どものころの味覚は侮れません。
いまだに「お子ちゃま味覚」が残っている乙山です。

No title

こんばんは、

小豆アイス、最初は好きではなかったのですが食べているうちにはまりましたねぇ。

仲間内で焼き肉パーティとかをやると最後に嫁さん連中がアイスを買出しに行きます。
じゃんけんで勝った人から好きなアイスを取ると言うルールなんですけど必ず小豆ア
イスが入っていてじゃんけんの弱い僕は3回連続で小豆アイスだったんです。
いやなら買わなきゃいいのに僕が負ける姿を面白がって必ず買ってくるんです。
でも食べているうちに好きになっちゃいました。

小豆とお茶、会いますよね。
いつの頃からだろう小豆とお茶の組み合わせがおいしいと感じ始めたのは....

Re:naokichimanさん

naokichimanさん、コメントありがとうございます。
そうそう、小豆アイスとお茶は、合うのです!
罰ゲームに小豆アイス、それもよくわかる……

だけど、小豆アイスを食べてみると、
わかると思うんですよ、その深さ、というか、
守備範囲の広さというのかなあ、
奥行きのあるたたずまいとでもいうべき何かが。

実際に食べて、味わってこその何かが、
小豆アイスにはあると思うのです。
naokichimanさんならもうご存知の、
なんともいえぬ味わいの奥深さですね。



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