モーツァルト交響曲全集/ホグウッド&エンシェント室内管弦楽団

モーツァルト / 交響曲全集 ホグウッド&エンシェント室内管弦楽団(19CD)

Mozart_Symphonies_Hogwood.jpg
数年前、ネットでモーツァルトの交響曲全集を見たとき、これはほしいなあ、と思っていた。しかしCD19枚組み、お値段のほうは1万円を超えるもの。ちょいと、お高いじゃありませんか。だが、オーディオ装置になら平気で何万(数十万?)円もつぎ込める(いや、私=乙山はそんなにつぎ込んでおりませんよ)人間が、たかだか1万円を超える音源に足踏みするなんていうのはおかしなことではないだろうか?

高級装置は買ったものの音源がほとんどない状態と、そこそこの装置で音源がたくさんある状態とでは、いったいどちらが自分にとって幸福だろうか? そんな疑問を立て、自分にとっては後者のほうが幸せであろうという結論に達し、「マルチバイ値引き」というお得な販売キャンペーンを利用し(あるいは「マルチバイ値引き」という巧妙な販売戦略に引っかかり?)、半ばふらふらと購入してしまったんです。

私が買ったのは輸入盤のほうで、国内盤ではもう少し値段が高くなる。曲の解説などにコストがかかるためと思われるが、国内盤だと3万円を超えてしまうのだ。中身は同じなんだから、解説はもういいか、ということで何のためらいもなく輸入盤を選んだ。モーツァルトの熱心な愛好家や研究肌の人は国内盤を選んだほうがいいかもしれないが、私のようにただ聴くだけなら輸入盤でじゅうぶん、と思う。

MorzartCD_onPortableCDp.jpg箱の裏側を見ると、「交響曲第1番~41番に加えて、27曲の交響楽的作品、交響曲第31、35、40番の別ヴァージョンを収録」などと書いてある。さすがに19枚のCD全部をiPodに入れてしまうわけにはいかない。こんなとき、携帯型CDプレイヤーは本当に便利だ。ベッドサイドに持って行って、寝ながら聴くことだってできる。しかも、お得な副作用として(?)あまり聞き覚えのない曲(とくにクラシック)は猛烈な催眠作用があるのをご存知だろうか? これは、効きますよ。

指揮者はクリストファー・ホグウッドで、音楽学者でありながら演奏家でもある。この「モーツァルト全集」では古楽器を使うとともに、オーケストラの編成も18世紀当時に近い小さめにしてある、という。楽譜も初稿やそれに準ずるものを使用した、ということらしい。古楽器、と聞くとなにやら古めかしい雰囲気がするのだが、出てくる音はむしろ新鮮でみずみずしい感じさえする。

さすがに初期の交響曲は「これがモーツァルトだ」といわれても、「そうかなあ、わしにはようわからんけどな」という印象だけど、だんだん聴いていって第25番に来ると、おっ、これは聴いたことがあるぞ、となる。そして第35番(ハフナー)、第36番(リンツ)、第38番(プラハ)、とおなじみの曲が続き、第39番がくる。寝ながら、とはいえ、いちおうCD19枚、全部通して聞いてみたんですよ。

PortableCDPlayerGlassOwl.jpgモーツァルトの交響曲第39番はあまり馴染みがないのだが、なぜだか気になる曲で、すでにCDを持っている。マリナー/アカデミー室内管弦楽団による『後期五大シンフォニー』(The Last Five Symphonies)に収録されているのだが、収録の都合で39番は二枚のCDに渡ってしまっている。これがちょっと面倒で、いつも何とかならないかなあ、と思っていた。これではLPレコードを聴く資格なんてない、といわれても仕方ないが、面倒なものは面倒なのだ。ホグウッド版全集ではそれが一枚のCDに収録されているのがうれしい。

第40番、41番は人気も高く、演奏もたくさん出ているのだけど、私がいまのところいちばん気に入っているのはワルター/コロンビア交響楽団によるものだ。このコンビの演奏をいまいちだという人は少なからず存在する。だけどまあ、いいではないか。ワルター/コロンビア盤と比べてどうかと思ったが、そんなに気にせず聞くことができた。これはこれ、あれはあれ、という感じでどちらの演奏もいいのではないだろうか。

初期交響曲にはモーツァルトらしさがはっきりと表れていない(たぶん私がそれを聴き取れないだけかも)ように感じたが、聴き込めば次第にわかってくるかもしれない。腑に落ちるわけでもなく、ただ聞き流しているだけでも気持ちがよいのはさすがモーツァルト、やはり古典派、という思いがする。録音も1970年代後半から始まっているので、途中でデジタル録音になっていて申し分ないと思う。値段が値段だけに、強くお勧めするわけではないが、買ったとしても損害を被ったという思いにはならないだろう。


【付記】
● 現在使っている携帯型CDプレイヤーはもう、かれこれ10年以上使っています。乙山が忌み嫌う(本当に壊れやすいですからね。信用できません)あの「トレイ」方式でなく、トップローディングというのが気に入っているのです。さすがに冬場になるとローディングエラーを起こすことがあって、大丈夫かな、と心配になります。もうそろそろ、ソニー最後の携帯型CDプレイヤーでも買って、CDプレイヤー不毛時代に備えようかな、なんて考えてみたりしています。


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はじめまして

こんにちは。
懐かしいですホグウッドのモーツァルト交響曲全集。
古楽器による初の全集ということで、完結時には(80年代中ごろ)たいへん話題になりました。
私は大学生でしたが、クラシック好き仲間の友人が、それこそ
清水の舞台から飛び降りるくらいのつもりで、
20数枚組みのLPセットを買いまして(4万か5万くらいした?)、私も聴かせてもらいました。
贅肉をそぎ落としたようなスッキリとした響きに、
目(耳?)からうろこが落ちる思いをしたものです。

ワルター/コロンビアの演奏、私も好きです。

Re:木曽のあばら屋さん

木曽のあばら屋さん、コメントありがとうございます。
はじめまして、だなんて、水くさいですよ!
一度「遊歩者只野乙山」にお越しくださり、
コメントもいただいたじゃないですか。

おつざんも、そちらのホームページに伺ったとき、
いちおうそちら宛にメールも出しておきましたけど……
ひょっとしたら、なにかの事情で届いていないかったのかも。

ホームページでは「来ましたよ」というのが
なかなかわかりにくいですね。
今度そちらに伺った折は「掲示板」に書き込んでおきますね。

ワルター/コロンビアはどうしてだか好きなんです。
速度といい、表現の彫りの深さといい、乙山の好みにぴったりです。
ただ、アマデウスとしては「もっと速くやってよ!」といいたくなったかも。
アマデウスの意図に近いのはホグウッドなんでしょうね。

すみません!

わ、すみません、そういえば以前、カザルスのホワイトハウス・コンサートの記事に
コメントしましたね。
失礼しました。

ワルター/コロンビアのようなロマンティックで彫りの深いモーツァルトは、
いまは時代おくれなのでしょうね。
でも流行は繰り返しますので、またこういう演奏が流行る時代が来るかもしれません。

Re:木曽のあばら屋さん

木曽のあばら屋さん、再コメントありがとうございます。
いまからそちらへ行こうかな、と思っていたんですよ。

No title

ジョギングの時、大昔に買ったケンウッドの音とびガード機能付き
ポータブルCDプレイヤーを使ってみたのですが、さすがに
ジョギングの振動まではカバーし切れませんでした(^^;)
そういえば昔はCDなりラジオなりを鳴らしていないと
眠れなかったのに、最近は神経が図太くなったのか
全く無音状態です(^^;)
心地良く眠りにつけるよう、寝しなのBGM再開しようかなぁ・・・

Re:zumiさん

zumiさん、コメントありがとうございます。
振動防止機能の付いたポータブルCDプレイヤーがありますが、
ジョッギングのお供にはやはりメモリースティックタイプの
MP3プレイヤーがベストなのではないでしょうか。

外界のノイズがどうしても気になるなら、
BOSEあたりの「ノイズキャンセリング」型のヘッドフォンとか
イヤフォンがおすすめです。

「ノイズキャンセリング」しながら傍若無人の
ごとき様相を呈している人々はこの際考慮に入れておりません。
やはり節度というものがありますからね。

音量の上げすぎにご注意を。
これは、思いのほか、耳に損傷を与えるようです。

No title

今晩は。
これは凄いですね!
これはもう、お値段がどうの、ということは超えていると思います。
今はこういう風に割合手ごろな価格で、こういうがっちりしたものが手に入る時代になって
嬉しいですね。私も欲しいなあ、と思ってしまいました。
いいものがたくさんあって、困ってしまいます。

私は正直言ってモーツアルトもあまりよく聴いていません。
まあ有名どころは知っていますが。
25番が好きです。

指揮者、オーケストラによる聴き比べ、楽しいだろうなと思いますがなかなか…。
歌なら、違いが割合わかりやすいんですが。
ああ。聴いても聴いてもまにあいません(笑)


Re:彼岸花さん

彼岸花さん、コメントありがとうございます。
モーツァルトって、若い時分はどういうわけか敬遠するんですね。
クラシックなんて、という気持ちが大半で、
流れてくる音楽がまた、ロックの気分とぜんぜん
合わないところがあるんでしょうか。

だけどずいぶん後になって、
何かの機会でモーツァルトを聞き始めたところ、
ある日旋律がぱっと出てきて口ずさめるようになったのです。

そのころから、モーツァルトが好きになった、のかなあ。
たぶんね、いまアマデウスが生きていれば、
ロック小僧になったんじゃないかな、と思うんです。
根拠はありませんが、そんなふうに思います。
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只野乙山

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