シーバス・リーガルを丸氷で

ChivasRegal_WithSomePieceOfIce.jpg
7月某日、休日の昼下がり。いつもならスコッチ&ソーダと洒落込んでいるところだが、今回はちょっと濃い目の水割りでシーバス・リーガルを飲んでいる。このスコッチウィスキーはソーダ割りにしてもいいんだけど、とても飲みやすいので水と氷だけで楽しむことにした。丸氷などを使って雰囲気も一段と……

シーバス・リーガルは麒麟麦酒株式会社が輸入・販売を長らく行ってきたもので、キリンビール系の飲み屋にはわりと置いてあったりした。「キリンビール系の飲み屋」といっても直営店だけではなくて、個人経営の飲み屋さんにも関係している。個人で店を出そうとするとき、サントリーとかキリンとか、酒造メーカーと特約を結ぶケースが多い。看板とか冷蔵庫などに特定のブランド名が入っていたりするでしょう。

以前「麒麟麦酒系の店」でアルバイトしていたことがあり、そこでシーバス・リーガルを知ったのだが、お客さんでシーバス・リーガルを注文する人なんてほとんどいなかったように思う。ましてや、シーバスのボトルキープなんて、ありえないといっても言い過ぎではないくらい。ただ一人だけ、シーバスをキープしていた人がいたけれど、その人は医者だった。

ちょっと正確ではないかもしれないが、たしか1980年代の中ごろ(?)までは、シーバス・リーガルといえば1万円を越す高級ウィスキーだったはずで、ジョニー・ウォーカーの黒ラベルなどは贈答用になっていたように思う。いつか、ああいう酒が飲めるようになりたいものだ、という憧れのようなものが、ジョニー・ウォーカー黒ラベルやシーバス・リーガルにはあったんじゃないかと思う。

また、その頃は「ウィスキーを飲む大人」がとても格好良く思えた時代でもあったのではないか。ウィスキーの宣伝が今よりずっとたくさんあって、その頃のウィスキーのCMがまた、とてつもなく素敵だったりしたわけです。

いま飲んでいるシーバスは、じつは頂き物である。だけど、自分でも買えない値段ではなくて、2000円ちょっとでシーバスもジョニ黒も買える時代になってしまった。1000円のハーフボトルがコンビニエンス店においてあったら、きょう日の大学生なら「ま、シーバスでもいいか」みたいな感じで買っていったりするんじゃないだろうか。

かつてウィスキーの背後で威光を放っていたなにかオーラのようなものが消失してしまった時代。そんな時代の世界の片隅で、かつてのありがたみを思い出し(そして現在の経済的なありがたみを実感し)ながら、ゆっくりとシーバス・リーガルに氷が解けてゆくのを眺めて時間が流れてゆく。


【付記】
● いま巷の一部で「ハイボール」が流行っているそうです。ウィスキーのソーダ割りをビールのジョッキみたいなグラスに入れて飲むのがおいしいのだとか。なるほど、それはそれでおいしそうですが、ウィスキーのソーダ割りはやはり10オンスのタンブラーで飲むほうが乙山は好きです。ちなみに丸氷は家族が作ってくれたものです。この場を借りて感謝の意を表します。

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No title

シーバスもジョニ黒もいまだにおそれおおくて・・・
とても手が出ません。
やすくなったのにねえ・・・ダルマも未だ駄目なんですよ。

まあ、今は贅沢をして角瓶といったところかな。
あとはトリスがせいぜいです。

憧れは・・・竹鶴・・・かな?

Re:gatayanさん

gatayanさん、コメントありがとうございます。
乙山もふだん、どういうわけか
シーバスもジョニ黒も買っておりません。

gatayanさんもおっしゃるとおり、
買えないことはない、のですよね。
なのに、なぜ、といわれても、これは困る。

そういうものだ、としかいえない部分があるのです。
だけどもう、過去のことはさておき、
おいしいウィスキーを飲もうじゃありませんか。

シングルモルトのウィスキー。
これは、たまりません。
いつぞやご馳走していただき、いつまでも味わっていたくて、
ついつい杯を重ねてしまいました。

次の日は頭が痛かったのですが、
「うまかった」という衝撃だけは
いつまでも残っています。

gatayanさんのような方がウィスキーを飲まなかったら、
いったいだれがウィスキーを飲むのですか。
もうウィスキー愛飲人口は風前の灯、のようですよ。

「竹鶴」……これはおいしかった。
ニッカはサントリーの年代ものとはまたちがった
味わいのよいウィスキーを出していますね。
ニッカの「フロム・ザ・バレル」ご存知ですか?
ニッカのことも、また書きますね。

No title

丸氷素敵ですねー
お酒は相当弱いせいもあってあまり
詳しい事は良くわからないのですが、
綺麗な丸氷に見とれてしまいました。

Re:羊さん

羊さん、コメントありがとうございます。
丸氷はあるウィスキーのテレビCMで使用され、
「あれで飲みたい」という人が増えて、
バーや飲み屋さんに広がっていったものと思われます。

ひょっとすると、以前から
「うちはやっていたよ」
という店もあるかもしれません。

飲まずとも(いや、乙山は飲みますけど)
眺めているだけで楽しい丸氷ですね。

No title

ご家族の方が作ってくださった丸氷。
とっても綺麗で美味しそうで、うっとりして先日から拝見していました。
お幸せですね。
ずっと以前、銀座かどこかのバーのバーテンダーの方が、カウンターの中で
ガシガシ!と削ってらっしゃるのを見ましたが、とても大変そうでした。
きっと秘密のいい方法を奥さま?はご存知でいらっしゃるのですね。
すてきです。

ウイスキーの文化というものは、本当にやはり男の方のものですね。
あとの方の記事で、「わたしもこういう雰囲気のいいパブで飲んでみたかった」
と書きましたが、たしかに女の人が単独で、あるいはグループで気軽に飲めるような
パブになったら、そこはもう、紳士の通う店ではなくなるでしょうね(笑)。
女性が決して侵してはならない、殿方だけの楽しみ、というものがあるのですね。

でも、ご家庭での、なんの気兼ねもいらない、こうした静かな、幸せなお酒の
いただき方も、やはり極上の楽しみ、という気がします。

Re:彼岸花さん

彼岸花さん、コメントありがとうございます。
時代は変わって、いまは立ち飲みバーで、
女性一人で飲んでいる人も多いとか。

場所にもよりますし、地域にもよるでしょう。
以前に比べて「女性一人」で利用しやすくなった店が増えた
ということは確実に感じるのです。

バーを、女人禁制の男の「聖域」として
残しておきたい気持ちもないではありませんが、
「開かれた」バー、パブもあってもいいのではないか。

ただね、乱痴気騒ぎはごめんなのです。
女性が行く店、となればどこからか男がわいてくるもの。
活気があるのはいいことですが、乙山の足は遠のくでしょう。

難しいですね。
女性歓迎、なんていっておきながら……
いい店は行ってみたい、だけど
わざわざ行くなんて、という気持ちも多分にあるのです。

理想のバーはだれでも心の中に持っているはずなんですが。
どうも、一部の人はそれを自分(の都合のいいように)に引き寄せてしまうようです。
その瞬間、理想のバーはどこかへ行ってしまうのに。
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只野乙山

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