メロディ・ガルドー 『マイ・ワン・アンド・オンリー・スリル』

Melody Gardot / My One and Only Thrill (2009)

MelodyGardot_MyOneAndOnlyThrill.jpg
1. Baby I'm A Fool
2. If the Stars Were Mine (non-orch)
3. Who Will Comfort Me
4. Your Heart Is As Black As Night
5. Lover Undercover
6. Our Love Is Easy
7. Les Etoiles
8. The Rain
9. My One and Only Thrill
10. Deep Within The Corners of My Mind
11. Somewhere Over the Rainbow
12. If the Stars Were Mine (With Orchestra)



MHVの店頭でふと目にした地味なジャケット。モノクロに写っているのはサングラスをかけている上に目を閉じた女性。どうも気になってそのまま買って帰り、聞いてみたのがメロディ・ガルドーとの出会いだった。霧が立ち込めたような世界から響いてくるメロディ・ガルドーのヴォーカルにすっかり惹かれてしまった。

メロディ・ガルドーはフィラデルフィア生まれのフランス系アメリカ人で、16歳の頃からバーでピアノを弾いて歌う活動をしていたが、19歳のとき交通事故にあい重傷を負う。その後遺症でサングラスなしでは生活できなくなったという。リハビリテーションの一環として作曲をし、ベッドルームでマルチトラック録音した曲が認められ、デビューを果たした。

そのメロディ・ガルドーの二枚目『マイ・ワン・アンド・オンリー・スリル』(2009)が出たと知ってすぐに買い求めた。デビュー作の『メロディ・ガルドー』も数曲のカヴァー以外はすべて彼女による作詞作曲でオリジナル色の強い出来だったが、今回も(11)以外すべて彼女によるもの。

一枚目はブルース/ジャズ色が強かったのに対し、二枚目はそれが幾分後退してポップ的にシフトしている。そこにラテン系のパーカッションを使って、ラテン的なノリを加えているのがわかる。だけどそれは「隠し味的スパイス」とでも呼んだほうがいいようなさじ加減で、メロディ・ガルドー的ブルー・トーン(?)はやはり健在。ぴんと張り詰めたような前作に、少し明るさが加わった雰囲気に仕上がっている。

ラテン系パーカッションに加えて、オーケストラのストリングス・パートが使われているのも大きな変化。前作ですっかり自分の世界を確立していたメロディ・ガルドーだが、それをさらに洗練させた感じである。プロデューサーはラリー・クラインで、どういう人なのか調べてみると、ジョニ・ミッチェルの元夫で、「いったいどうやってこんな古めかしい感じに仕上げたんだろう」と思わせる、マデリン・ペルーのプロデュースもしている人だった。

たぶんより明るい方向へ、ということでラテン系のパーカッションとリズムを取り入れたんだと思うけど、メロディ・ガルドー的ブルー・トーンとの兼ね合いで、明るくなりきれてない感じがする。だがメロディ・ガルドーのそんなところに魅力があるんじゃないかと思う。彼女がギター1本でブルースを歌う、というスタイルが個人的には好きなので、ブルース/ジャズ方向での作品も忘れずに(?)リリースしてほしいところだ。


【付記】
● 前作『メロディ・ガルドー』のほうがいい、という意見もあるようですが、乙山はこちらも気に入ってます。メロディ・ガルドーはちょっと陰のあるヴォーカルがなんともいえない魅力なのですが、ギターも本当、いいんです。できるだけシンプルな構成でヴォーカルとギターを前に出したアルバムが出てくれたらいいな、と楽しみにしています。
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