J.S.バッハ 『無伴奏チェロ組曲』 カザルス/シュタルケル

J.S.Bach : Cello Suites / Pablo Casals (1936-39)

Casals_BachCelloSuites.jpg
Cello Suite No. 1 in G, BWV 1007
Cello Suite No. 2 in D Minor, BWV 1008
Cello Suite No. 3 in C, BWV 1009
Cello Suite No. 4 in Eb Major, BWV 1010
Cello Suite No. 5 in C Minor, BWV 1011
Cello Suite No. 6 in D, BWV 1012



現在(2010年4月)J.S.バッハの『無伴奏チェロ組曲』を大手CD販売店のウェブページで入力すると実にたくさんの演奏家が出てくるけれど、前世紀の初めまではほとんど忘れ去られているといってもいいほどで、『無伴奏チェロ』が人前で演奏されることなどなかったという。それを世に広く紹介し、演奏したのがパブロ・カザルスである。

だから私(乙山)は『無伴奏チェロ』を聴くならまずカザルスから聴こうと決めていて、今ではどうやって入手したかもう覚えていないのだが、とにかくカザルスによる『無伴奏チェロ』(EMI盤)を手に入れて、しばらくそればかり聴いていた。

『無伴奏チェロ』の演奏者としてもう一人、どうしても気になっていたのがヤーノシュ・シュタルケルであるが、シュタルケル『無伴奏チェロ』のマーキュリー盤は店頭でもネット上でも見当たらず、聞いてみたいけれど入手できない状態が続いていた。クラシックのCDは「永遠の名盤」みたいにいわれるものでも発売停止とか廃盤状態になっていることがある。

Starker_BachCelloSuites.jpgところが数年前、何気なくネットでCDを見ていたら、長年探し求めていたあのシュタルケルの『無伴奏チェロ』が販売されているではないか! 同時にシュタルケルのRCA盤(これはマーキュリー盤より後の録音)も販売していたので、ええい、とばかりに同時に二つとも一気に購入してしまった。そんなわけで、我が家にはカザルス(EMI)とシュタルケル(Mercury)/(RCA)と三枚(三組、というべきか)の『無伴奏チェロ』が存在している。

現代チェロ奏法の始祖であり、『無伴奏チェロ』再評価の先鞭をつけた人物としてのカザルスの『無伴奏チェロ』を私は愛聴していたが、シュタルケルのそれと比較すると、どうしてもごりっとした部分が気になってくる。カザルスには独特の癖があって、それは他の演奏者と比べてみた場合、ちょっと引っかかって聞こえるときがある。それにまた、シュタルケルの演奏はじつに滑らかなので余計にそう聞こえるのかもしれない。

録音もカザルス(EMI)は1936~39年のモノラル録音で、一方シュタルケル(Mercury)は1965年のステレオ録音。この違いは思った以上に大きい。前者がどうしても録音技術の差からか、広がりが感じられないのに対し、後者はもう空気感とか場の雰囲気のようなものまで伝えている。この圧倒的な違いがあるにもかかわらず、私はたびたびカザルスをCDプレイヤーにセットして聴くことがある。聞いたトータル回数も、おそらくカザルスのほうが多いのではないだろうか。どうしてそういうことになるのか、それは自分でもよくわからないのである。


【付記】
● クラシックのCDは本当になくなるのが早いですね。ジャケットも変わっていますので、本記事は乙山所有CDのスキャン画像です。カザルス(EMI)はジャケットが変わっていますが入手可能のようです。シュタルケルのマーキュリー盤は新品で入手は難しいかもしれません。そのかわりRCA盤は入手可能のようです。

なにもカザルスやシュタルケルにこだわる必要はまったくなく、ヨー・ヨー・マやミッシャ・マイスキーなどの『無伴奏チェロ』が容易に入手できるでしょう。乙山としてはジャクリーヌ・デュ・プレの『無伴奏チェロ』を聴いてみたいところです。
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