ポリス 『アウトランドス・ダム―ル』 (1978)

The Police / Outlandos d'Amour (1978)

ThePolice_OutlandosDamour.jpg
1. Next to You
2. So Lonely
3. Roxanne
4. Hole in My Life
5. Peanuts
6. Can't Stand Losing You
7. Truth Hits Everybody
8. Born in the 50's
9. Be My Girl - Sally
10. Masoko Tanga



ポリスを初めて聴いたのはたしか1980年代初頭だったと覚えている。スティング(vo, b)/アンディ・サマーズ(g, vo)/スチュワート・コープランド(ds, vo)の三人から生み出されるサウンドはなんともシンプルでスカスカに思えたが、聴くほどにそのサウンドに魅了されてしまった。

三人だけでやっているのだからシンプルでスカスカの音になるんだけど、それがどういうわけか心地よく聴いていられるのが不思議だった。意図的なものかどうかはわからないけれど、エレクトリック的なものをできる限り排したサウンド。アンディ・サマーズのエレクトリック・ギターに多少のエフェクターをかませているくらいなもので、スティングのベースやコープランドのドラムスはごく普通の(に聞こえる)音である。

そもそもポリスの音楽は、ある程度音楽キャリアを積んだ三人のミュージシャンによって生み出されたものだった。スティングはジャズ・ベーシストとしてのキャリアがあって、ジャズロックバンドでベースを弾いているところを見たスチュワート・コープランドに声をかけられたのがポリスのそもそもの始まりだという。

アンディ・サマーズはジャズ・ギタリストとして活動を開始、後期のアニマルズに参加した後、ケヴィン・エアーズやソフト・マシーンなどとセッションもしている人で、ポリスではフェンダーのテレキャスターを使用した、独特の乾いたような音でプレイしている。またキング・クリムゾンのロバート・フリップと共演した二枚のアルバムを残すなどの活動もしている。

スチュワート・コープランドはポリス結成以前、カーヴド・エアに参加して二枚のアルバムを残している人で、何かの機会に彼が演奏している姿を映像で見たが、とにかく手が長くてまるで蜘蛛がドラムをたたいてるように思えた。派手なドラムソロを見せることはほとんどなく、どちらかというと地味なプレイなんだけど、緻密な感じがする。キャリアを見てもストレートなロックには見えないけれど、当時(1970年代後半)ロンドンで流行していたパンク・ムーヴメントに乗っかる形でデビューしようとしたのは彼の発案らしい。

さて『アウトランドス・ダムール』はポリスのデビュー作。スピード感あふれる(1)ではストレートにやっているように聞こえるけれど、やはりアンディ・サマーズのギターソロを聞くと只者でないとすぐにわかるなあ。(2)ではレゲエを取り入れたスカスカ感を味わってください。展開部は8ビートでガンガンやるのがポリス流。ギターソロがこれまたいい。このアルバムの「顔」とも言える(3)もレゲエ&8ビート。どこかビートルズを思わせる部分(1:28)がある(4)と続く。

昔でいうB面トップの(6)もレゲエ&8ビート。(7)はスピーディ&ストレートなロック。(8)は珍しくリフっぽいフレーズで盛り上げ、(10)はアルバム中いちばんレゲエっぽい曲だが、コープランドのドラムがリズムを自在に切り替えてプレイしているのが印象的。どこがどう、と詳しい理屈は言えないが、さすが音楽キャリアがあるミュージシャンたちだなあと思わせるところがあって、いかにもポリスらしい曲だと思う。


【付記】
● 現在(2010年)ポリスをパンクバンドだと思っている人はいないと思いますが、デビュー当時はパンクの一派のようにとらえられていたようです。パンク・ムーヴメントに乗っかろうとしたようですが、彼らの本領はアルバムを重ねるごとに明らかになっていき、パンクと一括りにできない領域に到達します。パンクとはあるスタイル(やり方)を固持することなのか、それともスタイルは変えても、その「精神」を保ち続けることなのか。いやいや、もちろん、スタイル・カウンシルみたいな方向だってあるわけですからね。この男はロック魂もパンクの精神もわかっていないみたいです。

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