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どっちがまじめ、不良? ストーンズとビートルズ

The Rolling Stones / The Rolling Stones (UK:1964)

RollingStones_RollingStones.jpg
1. Route 66
2. I Just Want To Make Love To You
3. Honest I Do
4. Mona (I Need You Baby)
5. Now I've Got A Witness
6. Little By Little
7. I'm A King Bee
8. Carol
9. Tell Me
10. Can I Get A Witness
11. You Can Make It If You Try
12. Walking The Dog




ローリング・ストーンズは1963年の結成から一度も解散せず現在まで活動を続けている稀有なグループで、もはやロックの代名詞といってもいいような存在であるが、「ビートルズが大好き」という人が多いのに比べると、「ストーンズのファンだ」と称している人を見かけることは少ないような気がする。

これは私(乙山)の交友関係の狭さを露呈しているだけなのかもしれないが、ラジカセでストーンズのテープを再生したり、LPレコードでストーンズをかけたりしている者をほとんど見たことがない。ほんの少しの友人がストーンズを持っていたこともあったようだが、それは彼のお兄さんの所有物で、同世代の友人たちがストーンズに熱中していた姿はなかったように覚えている。

要するに、ストーンズを聴いているのは今で言う「コアなロックファン」であって、一般の人が気軽にビートルズを聴くようにストーンズを聴く、などということはなかったのではないかと想像する。これは、ビートルズ=可愛らしいアイドルで、ストーンズ=不良たちといったイメージがあることも関係しているのではないかと思う。

四人でお揃いのスーツを着て、髪型を可愛らしいマッシュルームカットで揃えた初期のビートルズはかなりポップよりのロック(というかちょっとロックぽいポップ)を演奏していた。女の子のコーラスグループのカヴァーを歌って「シャラララ~」とやってしまうところは非常にポピュラリティがあるというか、実際に受けたわけである。

それに対してストーンズはリズム&ブルースをはじめとする黒人音楽に当初から傾倒しており、それらはビートルズほどの受けのよさはなかったのかもしれない。私などはブルースが大好きだから喜んで聴いているが、一般的にはどうだろうな、と思う。やはり「プリーズ・プリーズ・ミー」や「ラヴ・ミー・ドゥ」の圧倒的とでもいうべきわかりやすさ、しかもそれがオリジナルというのがビートルズの恐ろしいところだ。

さてストーンズのデビュー・アルバム『ザ・ローリング・ストーンズ』である。一聴して「まじめにやってるな」という感じがした。(9)はミックとキースの共作で、ちょっと甘めのリヴァプール・サウンドって感じです。これ以外はすべてカヴァー曲。(8)はチャック・ベリーのロックンロール。彼ら、こういうのが本当に好きなんだろうなと思う。(12)はルーファス・トーマスのオリジナルに忠実に迫ろうとしているのが好感が持てる。ミックは黒人っぽく歌おうとがんばっているし、口笛を入れるところなんか、ほんと笑ってしまうくらいうまく再現している。

いやほんと、ストーンズは「まじめ」である。ビートルズが『ザ・ビートルズ』(通称「ホワイト・アルバム」)を出したころ、『ベガーズ・バンケット』を発表している。これは前作『サタニック・マジェスティーズ』でサイケデリックの方向で下がったストーンズの人気を取り戻すことができた原点回帰的な作品。サイケデリックな方向でも『サージェント・ペッパーズ』で成功したビートルズとは好対照となっており、やはりストーンズはまっすぐロック/R&Bに向かうほうが似合っていることがわかる。

この後、「ゲット・バック・セッション」を終えたビートルズは、「アホらしくてやってらんないや」(ジョン・レノン)と解散してしまうのだが、ストーンズは音楽を続けていく。彼らの黒人音楽に対する敬愛ぶりは変わることなく、そして何よりも音楽を続けているという事実がすごいことなのだ。ビートルズとストーンズ、いったいどっちがまじめ、不良? そんなこと、本当はどっちでもいいんだけど、ストーンズのほうがじつはまじめなんじゃないのかな、と思っている。


【付記】
● 乙山はストーンズをそんなに聴いているわけではないのです。聴こう聴こうと思いながら、そのあまりに膨大な作品群にへなへなとなってしまいます。これはボブ・ディランやマイルズ・デイヴィスにもいえることですが、蔦屋などを利用して少しずつ、聴いています。

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tag : ローリング・ストーンズ

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No title

なかなかストーンズまで手が…
サタニック・マジェスティーズといったアルバムを出すあたり、デモーニッシュなイメージがあって、気色悪くて手が出しづらいのかも(ま、当時はそれが流行だったのでしょうけれど)

とかいいつつ「悪魔を憐れむ歌」は好きだったりします。
あと黒く塗れとか。

Re:RSさん

RSさん、コメントありがとうございます。
まあ、そうでしょうね……だけど、ヘヴィメタルと称されて流通している音楽の、
発想の根源の一つはこの辺りにあるのかも。
まちがっていたらごめんなさい。

きついなあー。

乙山さん、
きついところを。
「やってられん」とやめてしまうのは
不真面目のようにみえるがその逆の
ように思うし、ながく継続できることは
素敵だがぎゃくにぐーたらオヤジたちのよ
うにも見えるし、

ジョンとキースがユニットを組んだらしびれ
るだろうな。ポールもミックもカッコいい
と思ったことがないHOBOです。

ビートルズはジョンの匂い。ストーンズ
はキースの匂い。カッコいいのはこのふたり。
真面目なのは今もやってるストーンズ
ですかね?


HOBO

Re:HOBOさん

HOBOさん、コメントありがとうございます。

「ビートルズはいい子、ストーンズは不良」みたいなイメージ
(これも思い込みかもしれませんが)があるようですが、
本当にそうなんだろうか?
くらいのことが、乙山の言いたかったことです。

やめてしまったビートルズがふまじめで、
続けているストーンズがまじめだ、
と決めつけたいのではありません。

やめるのも、続けるのもあり、のはずです。
どうしてもやめなければいけないこともあり、
いやでも続けなければならないこともある。
そのどっちがまじめか、なんて議論はあまり意味のないことでしょう。

乙山はストーンズもビートルズもどちらも好きです。
ジョンはまじめな人だったからこそ、降りたんじゃないかと思っています。
だからといって、ポールをふまじめな人といいたいのではない。
もう、やめましょうかね。

No title

私的印象では、ビートルズは「大人になる事を周囲から阻止されたピーターパン(or芸術家)」
ストーンズは「年相応にRockし続けるしたたかな社会人(=Bluesman)」ですかね~
年を取れば取るほどストーンズにシンパシーを抱くのですが、若かりし頃の情熱(笑)を
思い出させるビートルズ(特にジョン)も捨てきれず・・・
と、自称ストーンズファンのくせに曲と曲名が一致しない記憶力ナッシン人間の
戯言ですが(^^;)

Re:zumiさん

zumiさん、コメントありがとうございます。
ストーンズファン、やっぱりいるところにはいるのですね。
ファンであることを表に出さない(のかな?)ところが奥ゆかしい!
そういう雰囲気の人が多かったように思います。

それからすると、プログレのファンはもっと奥ゆかしく(というかこっそりと、ですかね?)、
音楽を楽しんでいたみたいな雰囲気があります。
キング・クリムゾン/イエス/EL&P/ジェネシス/ソフト・マシーン/ピンク・フロイドなんかを
おおっぴらに聴くわけには(なにがいけないのか!)……

そんな雰囲気があったような気もします。
今はもう、なんでもありの時代になりました(かな?)。
だけどあからさまに趣味を表に出すのはちょっとね。

ビートルズの後期をご存知でしょう?
ジョンもポールもひげを長々とたくわえて、
勝手のマッシュルームカットはどこへやら。
やはり彼らも大人になってたんでしょうね、
だからこその解散があったんじゃないのかと思っています。
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