80年以上の時を経て Pablo Casals Early Recordings 1925-1928

『パブロ・カザルスの芸術』 Pablo Casals Early Recordings 1925-1928

PabloCasals_EarlyRecordings.jpg
1.アダージョ(トッカータ ハ長調BWV564より)(バッハ/カザルス編)
2.ヘ調のメロディOp.3-1(A.ルービンシュタイン/ポッパー編)
3.楽興の時第3番D780-3(Op.94-3)(シューベルト/ベッカー編)
4.夜想曲第2番変ホ長調Op.9-1(ショパン/ポッパー編)
5.歌劇「ゴイェスカス」~間奏曲(グラナドス/カサド編)
6.夢のあとに(フォーレ/カザルス編)
7.スペイン舞曲ホ短調(グラナドス/カザルス編)
8.白鳥(「動物の謝肉祭」より)(サン=サーンス)
9.ヴィトー(ポッパー)
10.ジョスランの子守歌(ゴダール)
11.やさしいガヴォット(イルマッシェ)
12.雨だれのプレリュード(前奏曲第15番変ニ長調Op.28-15)
13.マズルカOp.11-3(ポッパー)
14.夕星の歌(歌劇「タンホイザー」より)(ワーグナー)
15.ナポリのセレナード(スガンバーティ/ボウマン編)
16.優勝の歌(楽劇「ニュンルンベルクのマイスタージンガー」より)(ワーグナー/ヴィルヘルミ編)
17.村の歌(ポッパー)
18.夕べの歌(シュ-マン/ベッカー編)
19.メヌエット(小組曲より)(ドビュッシー)
20.ロマンスOp.35(マクダウエル)
21.ミュゼット(イギリス組曲第6番BWV811~ガヴォットI)


ロック、ジャズ、クラシックにかかわらず古い音源を好んで聴いている。ジャズは古いエリントンの演奏で1930年代、ロックは1960年代のもの、クラシックは1939年のトスカニーニ/ベートーヴェン交響曲全集など。ひとたび古い音源に慣れてしまうと、1950年代の録音からはすべて美しく(というかハイファイに)聴こえてくれるからうれしい。まあ、そのために聴いているわけではないんですけどね。

この『パブロ・カザルスの芸術』はなんと1925~28年の録音である。私(乙山)の所有する音源の中で最古のものである。CD付属のブックレットによると、RCAが電気式録音で残した音源をデジタル化したもので、SP盤からの復刻ではないようだ。それにしても、よくそんな古い音源が残っていたものだと感心する。

聴いてみると、たしかに「サー」とか「チリチリ」など多少のノイズは残っているものの、そんなに壊滅的なひどさではない。むしろ時代を考えると驚くほどのハイファイさで音源が残っているといってもいいのではないだろうか。だって今(2010年)から80年以上前の録音ですよ。これは本当にいい音だと思う。

全曲通してピアノの伴奏にカザルスがチェロを弾いているが、親しみやすく、よく知られたものが選曲されているのではないかと思う。演奏時間がすべて5分以内になっているのはSPレコードの再生時間に合わせてあるわけだ。SPは直径10インチ(25cm)で3分、12インチ(30cm)で5分しか情報を収録=再生できない制限がある。ちなみにLPレコードはLong Playの略であるのはご存知のとおり。

クラシックの交響曲を収録しようとすれば、SPレコードが何枚も必要になっただろう。ベートーヴェンの第9交響曲なんて最終楽章だけで20分を超え、トータル演奏時間はだいたい1時間以上かかる。SPレコードで換算すれば60/5で単純に12枚、両面でも6枚は必要になる。レコード一枚でもたいそう高かったろうに、交響曲全集とかオペラ全曲なんて、本当にお金がかかって仕方がない。そもそも蓄音機本体が信じられないほど高価なものだったみたいである。

そういったことをあれこれ考えながらちょっとノイズの入った古いカザルスを聴いていると、なんとまあ恵まれた時代に生まれたものだとつくづく思う。カザルス演奏の21曲が1680円程度で買えてしまうのだから。聴いていてあまりに気持ちがいいので、ちょっと意識がふっと遠のいてしまった。この男は、書いているほどありがたみがわかっていないのかもしれません。


【付記】
● 1980年代半ばからデジタル録音になり、ノイズがないのが当たり前になりました。古い音源はノイズがあって音が平板だということで敬遠される方も多いようです。それはそれ、ひとつの行き方でしょう。ですが乙山はどういうわけか古い音源を好んで聴いています。
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