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しゃがれたロック的歌唱からベルカントまで

Andrea Bocelli / Romanza (1996)

AndreaBocelli_Romanza.jpg
1. Con Te Partiro
2. Vivire
3. Per Amore
4. Il Mare Calmo Della Sera
5. Caruso
6. Macchine da Guerra
7. Le Tue Parole
8. Vivo Per Lei
9. Romanza
10. Luna Che Non C'e
11. Rapsodia
12. Voglio Restare Cosi
13. E Chiove
14. Miserere [Live]
15. Time to Say Goodbye (Con Te Partiro)


クラシックのヴォーカルは苦手だった。とくにオペラのアリアなどは積極的に聴く気になれず、ルチアーノ・パヴァロッティなどが居間で流れていると、お願いして再生を止めてもらっていたくらいなのだ。

そんな私(乙山)だったが、いつものように居間でテノール歌手らしき歌声を聴き、それをとめてくれないかと言おうと思いながらも、つい聴き続けてしまった。それがアンドレア・ボチェッリというイタリア人テノール歌手の『ロマンツァ』である。

アンドレア・ボチェッリのヴォーカルは少し陰りがある(パヴァロッティと比べての話)ところが私には良くて、しかもベルカントでも、ロック/ポップ歌手のように喉でも歌うこともできる器用なヴォーカリストなのだ。

『ロマンツァ』はオペラのアリア集ではなく、ポップ・アルバムといっていいくらいの仕上がりの曲が並んでいる。そう思って聴いていると、ボチェッリは盛り上がりの部分でベルカントに切り替えて朗々と歌う。(1)はヒット曲のイタリア語、ソロヴァージョン。(2)はジョルジアとのデュエットで、まさにポップ調。(3)(4)(5)ではベルカントとロック/ポップの歌い分けが聴ける。(15)はソプラノ歌手サラ・ブライトマンとのデュエットで、大変ヒットした曲。

アンドレア・ボチェッリを聴いているうちに、どういうわけかルチアーノ・パヴァロッティのアリアを聴いてもなんともなくなってきたのである。それどころか、「だれも寝てはならぬ」とか「帰れソレントへ」などのメロディが歩いているときに浮かんできて、口ずさんでしまうようになったのだ。

その意味で、アンドレア・ボチェッリはオペラ嫌いだった私を開眼されてくれた、とても思い出深いテノール歌手である。彼の視覚障害は先天的なものであったが、12歳のときにサッカーボールを頭部に受け、それが原因で失明してしまう。法学の博士号をとり、弁護士として活躍していたが、歌手への夢が捨てきれず、夜、ピアノ・バーなどで弾き語りをしていたらしい。

すこししゃがれた声でロック歌手のような歌い方をしていると思いきや、それがすっとベルカントになって朗々と響かせるアンドレア・ボチェッリは、ルチアーノ・パヴァロッティ亡き後、ホセ・カレーラスやプラシド・ドミンゴらが高齢化していることからしても、ますます目が離せない存在である。


【付記】
空耳、ということがあります。外国語(の歌)を聴いていて、ある部分が日本語として聞こえることで、たとえば英語の《I get off》が「揚げ豆腐」と聞こえてしまうような現象です。(2)"Vivre"の一節《fotocopiandoci il passato》が日本語として別の何かに聞こえて仕方がありません。それが何なのか、ここで書くわけには参りませんが、聴いていて、気になってしまうのです。
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こんばんは!

乙山さんが聴こえる空耳の現象がなにかはわかりませんが(笑)、某番組の空/耳/ア/ワ/ーは好きでたまに観ます。
みんなおもしろい発想、というか言われるとほんとにそう聴こえるんですよね。

Re:ヨシオさん

ヨシオさん、コメントありがとうございます。
むかしタモリさんもやってましたよね。
空耳って、やっぱりありますよ。
乙山の空耳のことは忘れてください。
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只野乙山

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