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キング・クリムゾン 『ニール&ジャック&ミー:ライヴ1982-84』 (2004)

King Crimson / Neal & Jack & Me: Live 1982-1984 [DVD] (2004)

KingCrimson_Live1982-1984.jpg
THREE OF A PERFECT PAIR : Live in Japan 1984
1.Three of a Perfect Pair
2.No Warming
3.Lark's Tongues in Aspic Part3
4.Thela Hun Ginjeet
5.Frame By Frame
6.Matte Kudasai
7.Industry
8.Dig Me
9.Indiscipline
10.Satori in Tangier
11.Man with an Open Heart
12.Waiting Man
13.Sleepless
14.Lark's Tongues in Aspic Part2
15.Elephant Talk
16.Heartbeat


THE NOISE : Live in Frejus 1982
1.Waiting Man
2.Matte Kudasai
3.The Sheltering Sky
4.Neal and Jack and Me
5.Indiscipline
6.Heartbeat
7.Lark's Tongues in Aspic Part2

1981年、ロバート・フリップ(g)/エイドリアン・ブリュー(g,vo)/トニー・レヴィン(b,stick,vo)/ビル・ブラッフォード(d,per)というメンバーでキング・クリムゾンが再結成されて、渋谷陽一がラジオで特集していたのを熱心に聴いたのを覚えている。新しいアルバム『ディシプリン』から選曲され流れてきたそれらの曲は、予想とは違ってなにやら明るく、楽しそうだった。

リフレイン、変拍子、ポップ、エスニックなどの要素を取り入れた1980年代の新しいキング・クリムゾンに対する評価はおおむね厳しいものだったように思う。ファンの中にはいまだに1980年以降のクリムゾンを認めない、という人もいるようで、それはおそらく、エイドリアン・ブリューやトニー・レヴィンのキャラクターによるのではないかと思うのだが、私(乙山)は新しいクリムゾンがそんなに嫌いではない。

このDVD『ニール・アンド・ジャック・アンド・ミー』は、クリムゾンの日本公演(1984)とフランス公演(1982)を併せて収録したもので、2004年に発売されている。HMVの店頭で見かけ、そういえばクリムゾンのDVDもっていなかったな、と興味半分で購入したものだ。

日本公演では『ディシプリン』(1981)、『ビート』(1982)、『スリー・オブ・ア・パーフェクト・ペア』(1984)から選ばれた曲がずらりとラインナップされ、クリムゾンらしい演出過剰とは程遠い、シックともいえるステージでメンバーが演奏を淡々と続ける。

エイドリアンはサービス精神の表れか、へんてこりんな衣装で終始笑顔を振りまいているのに対し、フリップは白いジャケットに白の靴を合わせ、まじめくさった顔でギターを操作している。トニーは治外法権みたいな感じでステージを楽しんでおり、ビルはキング・クリムゾンとして演奏できるのを本当に楽しんでいるようだ。

ギターのネックとボディをつかんでひねり、ぴょんぴょんステージを飛び回るエイドリアンはこのバンドにまとわりつくシリアスな雰囲気には程遠く、笑い出さずにはいられない。私はげらげら笑って楽しませてもらっているが、たぶんこれが不人気のいちばんの原因だと思うんだよね。

スツール(椅子)に腰掛けながらギターを弾くフリップも、仏頂面をしているがエキサイトしてくると体を前後に揺さぶってソロを弾きまくる。だけど、この人どこまで本気なんだろうかとつい思ってしまうのは私だけだろうか。「ラークス・タングズ・イン・アスピック2」のギターはやはりギブソンのレスポールのほうがいいなあ。この演奏でフリップが使っているギターでは重さと鋭さが足りないように感じた。

スタジオ録音されたアルバムではいまひとつだなあと思った曲が、ステージで演奏されると「そういうことなのか」と納得できるのはどういうわけだろう。かっこよく、決まっていると思えてくるのである。そしてスタジオ録音とほぼ同じか、時には即興によってそれ以上にしっかり音楽が再現されるのが驚きだ。

そういう高い再現性や演奏力、そして即興演奏がこのバンドの最大の魅力だ。どうやってこの音を出しているんだろう、とか、これはだれが演奏しているのかな、と思わせるサウンドが、ライヴDVDを見ると「そうだったのか」と改めて納得。やはりクリムゾンはライヴ・バンドなんだなあとつくづく思ってしまった。


【付記】
● 好きだからという理由で記事を書いておりますが、このグループのサウンドは安心して聴ける、一般的なものではないと思います。騒々しさや神経を苛立たせるフレーズもあり、家族みんなで楽しみましょうという雰囲気の音楽ではないのです。どちらかといえば「変な音楽」の部類に属しているといえましょう。非商業的で変な音楽ではありますが、ぎりぎりの線で大衆性を保っています。それが最大の魅力であり、長年にわたってこのバンドが活躍してこれた一因ではないかと思います。

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