遊歩者　只野乙山

冬はユニクロのヒートテックのお世話になることが多いが、夏になるとエアリズムをよく着ている。エアリズムを着る以前から綿などの天然素材より、化学繊維の下着を使うことが多かった。着心地からすれば天然素材が良いのはわかっているが、それだと脇や首元の汚れ、黄ばみに対応できないからである。あまり大きな声で言えないが、黄ばみだけでなく臭いも問題なのだ。

体臭や黄ばみに関して日本皮膚科学会による以下のような記述がある。それによると「人の汗腺にはエクリン腺とアポクリン腺があり、エクリン腺はほぼ全身にあって温熱刺激や精神的緊張によって発汗します。一方アポクリン腺は腋窩や外陰部に分布し、思春期になると性ホルモンの影響で分泌が多くなります」と。そして性的、繁殖行動に関連し、人により分布量の違いがある。

そう言えば思春期の頃、奈良公園の鹿をなでてやろうとしたら、角を切った雄の鹿に頭突きをかまされた経験があるんだけど、自分の体臭に原因があったのかもしれない。性的アピールなどと言えば聞こえはいいが、うっかりすると迷惑になることもあるのでかなり以前から脇毛を処理している。そして制汗剤も使用し、夏は殺菌効果のあるウェットティッシュも忘れてはならない。

そんなわけでエアリズムを買ったが、インナーとして使うのでジャストサイズのMを選んだ。色は白、黒、グレー、そしてベージュがあるけどベージュにした。またジジくさい色を選んだもんだねと思われるかもしれないが、薄手の衣服を着た場合は常に透け問題があるのでこの色で正解。冬だと厚手の服を着ることが多いので、ヒートテックは黒にしている。

実物を見ると首元や袖のリブがほぼなくなっており、生地も薄くなっているように思えた。機能性が向上しており、表示には「速乾、肌面平滑性、接触冷感、消臭、抗菌防臭、ストレッチ、通気性」とあり、かなりの高機能が充実している。エアリズムは東レとユニクロの共同開発によるもので、おそらくユニクロの要望に応える形で東レが生地を提供したと想像する。

店頭のエアリズムのコーナーに「Tシャツの下にもおすすめ」とあり、「なるほどその手があったか」と納得した。普通はTシャツの下に何も着ないが、自分のような体質の人はやはり脇の汗が気になるんじゃないかと思う。真夏だとそれこそ1回着たら洗濯になるんだけど、黄ばみもかなり軽減されるんじゃないだろうか。首回りのカットもかなり大きめでほとんどのシャツに対応できる。

ビジネスユースでシャツの下に着ることがほとんどなのだが、試しにGUのボートネックTの下に着てみると……惜しい、ギリのところで見えている。ボートネックTは首元のカットが横に大きいので、どうしてもエアリズムと合わせたいならレディースのXLを選ぶといいんじゃないかな。でもレディースのアイテムを手に取るというか、レディースの売り場付近でウロチョロするのに抵抗があるんだね。

特に下着コーナーではそうで、勘違いされると困るわけでして。だけど通販もあるし、店頭でも会計は自動会計になっているので以前より買いやすくなっていると思う。まあそれより実際に着てみると、着心地の良さに感心する。着ているのを忘れるくらいの快適さで、本当に「Tシャツの下に着るのが当たり前」になってしまうかもしれないエアリズムでした。

【付記】
真夏がちょっと楽しみになりますね。