遊歩者　只野乙山

1月24日「10年に1度の大寒波」に備えて食品などを買い込む必要があったのだが、吹雪いてホワイトアウト寸前だったので遠出をする気になれず、最短ルートを選び近隣の商店で必要なものだけを買って帰宅した。最悪の場合、パックごはんと即席めんがあるのでなんとかなると思っていた。東北の日本海側ということで心配して下さる方もいらっしゃるが、積雪量は去年（2022年）のほうがひどかった。

むしろYouTubeで他の地域で車の立ち往生が多発しているのを見て驚いたほどだ。関西だと兵庫や京都の北部の一部を除いて冬タイヤに交換する必要はないくらいなはずなのに、和歌山南部や瀬戸内地域で積雪によるトラブルが多発しているとはね。「10年に1度」とか「記録的」というのは嘘偽りではなかった。筋状の雲が日本全体をすっぽり覆ってしまっているではないか。

家にあるものだけでなんとかしないといけない。というわけで冷蔵庫を見ると、卵、ネギ、豆腐がある。これらを使って「ネギたま豆腐」（葱蛋豆腐/ツォンタンドウフ）といこうではないか。しかしすでにキッチンは氷点下になっており、正直めげてしまう。レンチンだけで食べられるものを買っておけばよかったと後悔するも時すでに遅し。ネギは白ネギで、白い部分と青い部分を適量、斜め薄切りにする。

豆腐は食べやすい大きさにカットしておく。卵2個を容器に溶きほぐし、軽く塩を振っておく。ニンニクは潰して粗みじん切りに。あれば唐辛子1本も使うとよいが、なければないで構わない。フライパンに油を入れ、弱火でニンニクと唐辛子を炒めて香りと辛みを油に移す。ついでネギを投入し、しんなりするまで炒める。ニンニクと唐辛子、白ネギで味のベースを作る感じかな。

それらをしんなりするまで炒めたら、創味シャンタン、酒、水を入れ、豆腐を入れたら「豆腐が温まる」まで中火で加熱する。同時に別のフライパンで卵を炒め、半熟の状態になったら取り出してネギと豆腐に合わせる。卵2個なので、フライパンを傾けて油を集めたところに卵を注ぐとよい。火加減は中火で、卵と油を混ぜながらサクッと仕上げるといいと思う。

卵を入れたら全体を絡めて出来上がり。弱火から始めて最後は中火で仕上げるが、強火の必要はない。一応「中華風」にしてあるつもりだが、同じ材料で洋風（イタリアン？）にもできると思う。その際はオリーブオイルを用い、あればアンチョビとかを使うとよりそれっぽくなる。創味シャンタンと塩だけで味を決めているが、全体の塩分量は2g程度に抑えてある。

卵2個で100g、豆腐は200gなのでうす味ですね。もう少し濃い味にしたい向きは最後に醤油を垂らすとか、塩をパラッと振って調整するといい。食べてみるとネギが甘い！卵があるので使ったけど、なければネギと豆腐だけでもできるし、ネギと卵だけでもできる。シンプル料理の極みになるが、あるものだけでなんとかする、そんな時にぴったりな料理と思う。

【付記】
これに冷凍の鶏のから揚げなんかがあればもうOKですね。