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醤油ダレで鶏ガラ中華そば

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リアル鶏ガラスープがとれたなら、それを使って何か料理をしたくなるものである。鶏ガラスープで肉と野菜を煮たチキンスープなんていいものだけど、ここはやはり鶏ガラスープを使ったラーメンでしょう。シンプルな鶏ガラ醬油ラーメンとかどうだろう。鶏ガラスープは冷凍保存してあるので、あとは醤油ダレ(カエシ)を用意すればいい。今は便利なもので、ネットで「醤油ダレ」と検索すれば作り方を教えてくれる。

醬油ダレの作り方は様々で、醤油を数種類とみりん(および酒)を混ぜただけのシンプルなものから、生姜やニンニク、ネギを入れて煮込んだものまである。ここはできるだけ簡単に作ってみようということで醤油を3種類と、酒、みりんを混ぜて火入れをした醤油ダレにした。醤油は白醬油、うす口醤油、濃口醬油、そして刺身/たまり醤油(再仕込み醤油)の4種類があるが、何をベースにして他に何を混ぜるかで大きく異なる。

まず最初に醬油ダレありき、ではなくてラーメンのコンセプト(概念)が必要なのだ。どんなラーメンにしたいか、どんなラーメンを作りたいか、という具体的なラーメンのイメージというかモデルがあって、それにふさわしい醤油ダレを作る順になる。私の作りたいラーメンは「昔ながらの鶏ガラ中華そば」という感じなので、いちばん基本的な醬油ダレ、つまり濃口醤油をベースにうす口醤油とたまり醤油を使い、酒とみりんも使う。

分量の配分は以下のとおりである。濃口醤油50%、うす口醤油25%、たまり醤油5%、みりん10%、酒10%の配分で、これを混ぜたら火にかけて沸騰する直前で少し「火入れ」をする。再発酵防止と醤油の香り高さを引き出す目的だが、ふつう醤油は出荷前に火入れしてあるのでそこまで気にする必要はないという。むしろ火入れをやりすぎることのほうを心配すべき、と。そこは慎重にタイマーをセットして火入れした。

火入れができたら出来るだけ急冷するのは鶏ガラスープと同じ。大きめのボウルに水を張り、もう鍋ごとダイブしちゃいます。何度か水を替えているうちに醬油ダレは冷めてくるので、ある程度温度が下がったら保存容器に移して冷蔵庫で保存する。作って直ぐ使うのではなく、最低でも一晩寝かせることで醤油ダレがなじんで角が取れるという。凝った人なら1週間冷蔵庫で寝かせてから使うようにしているとか。

塩分濃度についていうと、濃口醤油とうす口醤油が主体であっても20%はみりんと酒なので、醬油だけ混ぜた液体より若干塩分濃度は低くなっている。なのでこれを補って醤油同等かそれ以上の塩分濃度にするために塩を入れるやり方もある。そうしたほうが「味がシャープになる」らしいのだが、私は濃い味のスープは苦手なので塩はほんのひとつまみ、おまじない程度に鍋に入れておいた。

醤油ダレが醤油とほぼ同等の塩分濃度であるなら、16~18%くらいだろうか。ちなみにキッコーマンのサイトの成分表によると濃口醬油大匙1(15ml)の塩分量は2.5gとある。2.5を15で除し、100を乗じると数値は16.6で、塩分濃度16.6%である。店では醤油ダレ30ml使ってスープはその10倍というケースが多いので塩分濃度は1.66%、塩分量は5gとなる。でもこれはたぶん「うす味」じゃないだろうか。

店と同じような味にすると塩分の摂り過ぎになるので、味は薄くてもかまわないから「飲める」スープを目指してみた。使う醤油ダレの量を大匙1だけと決め、スープの量は250mlにした。概算ではあるが、塩分濃度はおそらく1%以下で、塩分量は2.5g程度(またはそれ以下)になっている*と思われる。醤油ダレを器に入れ、鶏ガラスープを小鍋で温めると同時に中華麺をゆでる。市販の「細麵」と言われるのを使った。

ご覧ください、写真のラーメンが「昔ながらの鶏ガラ醤油ラーメン」のひとつの例です。お店のラーメンの半量しか醤油ダレを使っていないのに、この色。けっこう色がつくものなんですね。個人的にはもう少し色が薄いほうが好きなので、次回醤油ダレを作るとするならうす口しょうゆベースのタレにしてみようかな、とか思っている。スープからほんのり鶏の匂いが漂ってきてうっとりする。これだ、こんな感じがほしかったんだ、とかね。

でもまさかこれで「店と同じようなラーメンができた」とかそういうことは「ない」と断言しておきます。だって鶏ガラ200gと水1リットル、醤油3種類と酒、みりんしか使ってないんですよ? おまけに目指した所は「味が薄くてもスープをぜんぶ飲めるラーメン」ですから。不特定多数の人がおいしいと思う味は、もっと濃い味のはず。これは「売れる」レベルに達していない個人(病人)用のラーメンと言えるでしょう。

*これはスープのみの塩分量で、市販の中華麵にはすでに1g程度の塩が練り込まれているので、全体としての塩分量は3.Xgになるはず。

【付記】
せっかく作った鶏ガラスープですから、捨てずに飲みたいところですよね。できるだけスープの分量を少なくし、使う塩分量も少なめにしていろんな素材によって「うまみ」を補うことが出来れば、少しはマシなラーメンになるのでは、と思います。あ、化学調味料を使うの忘れてました。

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