ホワイトオーク・レッドのハイボール

某休日、秋田市広面の〈天よし食堂〉でおいしいラーメンを食べた後、酒のやまや広面店に赴いた。同店では秋田ではふつう売っていない酒や食品を買うことができるので便利である。例えばもしかしたら大阪は池田の〈呉春〉とか高知の〈酔鯨〉なんかがあるといいなあ。即席めんだとマルタイラーメンとかアベックラーメンとかね。いや楽しみですね。
入店するとカートに買い物カゴを乗せて店内を見て回った。日本酒コーナーは……あれ、なんだ秋田の酒ばっかじゃん。もちろん秋田の酒でじゅうぶんなんだけど、たまには他郷の酒も飲んでみたいの。〈くどき上手〉とか〈写楽〉とかさあ。値段も思ったほど安くはなくてちょっとがっかり。そうかここはディスカウント店じゃなかったんだっけ。
でも〈酒の楽市〉が〈やまや〉に統合される前はディスカウント店ぽかったんだけどな。即席めんも半島製の激辛めんに人気があるようで、私のほしい「エースコックのワンタンメン」とかマルタイラーメンはなかった。でもマルタイや五木食品のいくつかはあった。麺が特においしい「熊出没ラーメン」もね。ちょっとがっかりしてこのまま帰ろうかと思うけど、手ぶらじゃね。
というわけでもう1度ウィスキー売り場に行ってみると、おっ、江井ヶ嶋酒造のホワイトオーク・レッドがあるじゃないか! ちょっとマイナーだけど、中々いけるんですよ。マイナーとはいうものの、ツルハドラッグでも同社の製品を買うことができるほど浸透している。むしろ国内より海外向けに商品開発してるんじゃないかって思うくらい。
それくらいジャパニーズ・ウィスキーは海外で人気がある。それに乗じて海外製のバルク・ウィスキーを仕入れて国内で瓶詰めして「ジャパニーズ・ウィスキー」として販売する業者がいるけど、あれはひどいやね。アイラモルトなんかだと全ての原材料をアイラ島で生産する、と取り組んでいる蒸溜所があるけど、なんか良いなって思う。仕事に誇りを持ってるんだよ。
反対に日本だと、どのメーカーでもモルトは輸入品を使っている。それが悪いとは思わないけど、本当にジャパニーズ・ウィスキーって胸を張りたいなら大麦栽培も国内で行うべきだよね。そうやって国内の雇用を増やしながら社会貢献するのも大企業の役目のひとつじゃないのかな。あれ、なに勘違いして社会の話してんの? あんたはただ、ウィスキー飲んで記事書いてりゃいいのよ。
そうでした。やまや広面店で購入したホワイトオーク・レッド1.8リットルPETボトルは税込1738円で、ドンキのBNC(ブラックニッカ・クリア)とほぼ同価格。ならば両者の飲み比べといこうではありませんか。ストレートとかトゥワイス・アップがどうのと、そんなしゃらくさいことはしません。水とかソーダで割って飲むのがこの価格帯のウィスキーなので。
久しぶりにホワイトオーク・レッドのソーダ割りを飲むと、確かに若干の煙臭さとウッディさがあるように思える。次にBNCのソーダ割りを飲むと、なるほど前者のウッディさと微弱なピート香はないんだけど、曰く言い難い「ウィスキーらしさ」はあると思う。微妙な差なんだが、どちらがうまいとか決めるわけにはいかなくて、それぞれの良さがあるといえる。
そもそもBNCはニッカの創設者がこだわった「ウィスキーらしさ」を削ぎ落としていろんなアテに合うよう設計されたので、いわゆる「ウィスキーらしさ」をもとめても仕方ないの。だけどそれでもウィスキーの痕跡はあるのがいいよね。一方ホワイトオーク・レッドは「ウィスキーらしさ」があって、メーカーが自信を持って出しているのはわかる。
両者とも晩酌に合わせても問題ないんじゃないかな。だけどわざわざ料理に合わせて飲むのなら、私ならBNCを選ぶ。その後、単独で飲み続ける時にはホワイトオーク・レッドかな。ここにトリスとかサントリーレッドやホワイトが当てはまるのはいうまでもない。より上質に味わうのならオールドやリザーヴがあるし。それらでも1000円スコッチより高いんですね。
これらジャパニーズ・ウィスキーとどう付き合っていくか、なんですけど、今こそこれらの再評価/良評価があってもいいのではないかと。もう昔のとは別物ですからね。だけどわかってもらえるかどうか、わかんないけど昔のはそれはそれで旨かったのも事実です。昔のサントリーオールドは今の基準からすると「カクテル/リキュール」でしょう、でもなんか良かったんです。
入店するとカートに買い物カゴを乗せて店内を見て回った。日本酒コーナーは……あれ、なんだ秋田の酒ばっかじゃん。もちろん秋田の酒でじゅうぶんなんだけど、たまには他郷の酒も飲んでみたいの。〈くどき上手〉とか〈写楽〉とかさあ。値段も思ったほど安くはなくてちょっとがっかり。そうかここはディスカウント店じゃなかったんだっけ。
でも〈酒の楽市〉が〈やまや〉に統合される前はディスカウント店ぽかったんだけどな。即席めんも半島製の激辛めんに人気があるようで、私のほしい「エースコックのワンタンメン」とかマルタイラーメンはなかった。でもマルタイや五木食品のいくつかはあった。麺が特においしい「熊出没ラーメン」もね。ちょっとがっかりしてこのまま帰ろうかと思うけど、手ぶらじゃね。
というわけでもう1度ウィスキー売り場に行ってみると、おっ、江井ヶ嶋酒造のホワイトオーク・レッドがあるじゃないか! ちょっとマイナーだけど、中々いけるんですよ。マイナーとはいうものの、ツルハドラッグでも同社の製品を買うことができるほど浸透している。むしろ国内より海外向けに商品開発してるんじゃないかって思うくらい。
それくらいジャパニーズ・ウィスキーは海外で人気がある。それに乗じて海外製のバルク・ウィスキーを仕入れて国内で瓶詰めして「ジャパニーズ・ウィスキー」として販売する業者がいるけど、あれはひどいやね。アイラモルトなんかだと全ての原材料をアイラ島で生産する、と取り組んでいる蒸溜所があるけど、なんか良いなって思う。仕事に誇りを持ってるんだよ。
反対に日本だと、どのメーカーでもモルトは輸入品を使っている。それが悪いとは思わないけど、本当にジャパニーズ・ウィスキーって胸を張りたいなら大麦栽培も国内で行うべきだよね。そうやって国内の雇用を増やしながら社会貢献するのも大企業の役目のひとつじゃないのかな。あれ、なに勘違いして社会の話してんの? あんたはただ、ウィスキー飲んで記事書いてりゃいいのよ。
そうでした。やまや広面店で購入したホワイトオーク・レッド1.8リットルPETボトルは税込1738円で、ドンキのBNC(ブラックニッカ・クリア)とほぼ同価格。ならば両者の飲み比べといこうではありませんか。ストレートとかトゥワイス・アップがどうのと、そんなしゃらくさいことはしません。水とかソーダで割って飲むのがこの価格帯のウィスキーなので。
久しぶりにホワイトオーク・レッドのソーダ割りを飲むと、確かに若干の煙臭さとウッディさがあるように思える。次にBNCのソーダ割りを飲むと、なるほど前者のウッディさと微弱なピート香はないんだけど、曰く言い難い「ウィスキーらしさ」はあると思う。微妙な差なんだが、どちらがうまいとか決めるわけにはいかなくて、それぞれの良さがあるといえる。
そもそもBNCはニッカの創設者がこだわった「ウィスキーらしさ」を削ぎ落としていろんなアテに合うよう設計されたので、いわゆる「ウィスキーらしさ」をもとめても仕方ないの。だけどそれでもウィスキーの痕跡はあるのがいいよね。一方ホワイトオーク・レッドは「ウィスキーらしさ」があって、メーカーが自信を持って出しているのはわかる。
両者とも晩酌に合わせても問題ないんじゃないかな。だけどわざわざ料理に合わせて飲むのなら、私ならBNCを選ぶ。その後、単独で飲み続ける時にはホワイトオーク・レッドかな。ここにトリスとかサントリーレッドやホワイトが当てはまるのはいうまでもない。より上質に味わうのならオールドやリザーヴがあるし。それらでも1000円スコッチより高いんですね。
これらジャパニーズ・ウィスキーとどう付き合っていくか、なんですけど、今こそこれらの再評価/良評価があってもいいのではないかと。もう昔のとは別物ですからね。だけどわかってもらえるかどうか、わかんないけど昔のはそれはそれで旨かったのも事実です。昔のサントリーオールドは今の基準からすると「カクテル/リキュール」でしょう、でもなんか良かったんです。
【付記】
失われた味を想起しながら書いています。BNCもホワイトオーク・レッドもいいのですが、サントリーオールドの「ウィスキーらしさ」には及びません。なにしろボトル2800円したんですから、1980年代半ばでね。
失われた味を想起しながら書いています。BNCもホワイトオーク・レッドもいいのですが、サントリーオールドの「ウィスキーらしさ」には及びません。なにしろボトル2800円したんですから、1980年代半ばでね。
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なるほど!
こんばんは。
今日も午後5時を待ちかねて、BNCのお湯割りを飲んでます。
乙山さんのウイスキー解説には、いつも感心しています。
私は、BNCより遥かに高価なウイスキーであっても、美味しく
感じないので、味覚音痴なんでしょうね。
同じように、6L6と6V6の音の違いが分からないという駄耳
でもあります。
でも、月桂冠月と新潟の普通酒芳野川の違いは分かります。
それだけ、日本酒は様々な味の違いがあるんでしょうね。
今日も午後5時を待ちかねて、BNCのお湯割りを飲んでます。
乙山さんのウイスキー解説には、いつも感心しています。
私は、BNCより遥かに高価なウイスキーであっても、美味しく
感じないので、味覚音痴なんでしょうね。
同じように、6L6と6V6の音の違いが分からないという駄耳
でもあります。
でも、月桂冠月と新潟の普通酒芳野川の違いは分かります。
それだけ、日本酒は様々な味の違いがあるんでしょうね。
Re: なるほど!;オッカイポさん
オッカイポさん、コメントありがとうございます。
ニッカは立ち上げ時に相当苦しんだと思います。
創業者が目指したものが受け入れられなかったのですから。
煙臭さ(その他)こそウィスキーの命なのですが、
それを理解できる日本人は少なかったのでしょうね。
BNCはそれらを削ぎ落とした究極の晩酌ウィスキーでしょう。
でもBNCってなんだ?と訊かれると、
やはり「ウィスキーだ」と思うんです。
何なんでしょうね「ウィスキーらしさ」って。
日本酒はただただ、面白い。
それに尽きると思います。
ニッカは立ち上げ時に相当苦しんだと思います。
創業者が目指したものが受け入れられなかったのですから。
煙臭さ(その他)こそウィスキーの命なのですが、
それを理解できる日本人は少なかったのでしょうね。
BNCはそれらを削ぎ落とした究極の晩酌ウィスキーでしょう。
でもBNCってなんだ?と訊かれると、
やはり「ウィスキーだ」と思うんです。
何なんでしょうね「ウィスキーらしさ」って。
日本酒はただただ、面白い。
それに尽きると思います。