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あいみょん「マリーゴールド」

あいみょん「マリーゴールド」は2ndアルバム『瞬間的シックスセンス』(2019)に収録された曲で、彼女が得意とする男視線の歌詞になっている。「君はロックを聴かない」もそうだけど、とにかく「僕」がイケメンなのだ。もちろん音楽だから顔は見えないが、性格的イケメンというのかな、男が聞いて好きになってしまうような男を歌っているのである。

1stアルバム『青春のエキサイトメント』(2017)を聴いたとき、彼女の立ち位置は世間にちょっと距離を置いていて屈折しているように思えたが、歌詞の多くはじつにストレートで屈折がなく彼女の真っ直ぐな心情がよく表れていると感じた。あのギター1本で歌い上げる「フォーク・スタイル」はよしだたくろうや斉藤和義を思わせるものがある。

思うにあいみょんの攻撃的あるいは暴力的な歌詞は照れ隠しなんじゃないかな。彼女が女視線で歌った「恋をしたから」とか「裸の心」なんてもう可愛いすぎて悶絶してしまいそうになるけど、2nd、3rdでやっと出せるようになった感じで、おそらく本人もそういう素直な自分の心をさらけ出すのが恥ずかしかったのではないかと想像する。

あいみょんは低めアルトでその声域が男視線の歌詞に合っており、カラオケでも男性が歌いやすいと思う。むしろback numberとかMrs. Green Apple、ヒゲダンやKing Gnuなどのほうが遥かに難しいだろう。不思議に思えるかもしれないがこれら男性ヴォーカルよりいきものがかりとかZARDのほうがカラオケで歌いやすい。あ、これテナーの人向けの話ね。

あいみょんは「セックスだけのお前らとは違う」とか「今はセックスは要らない」と歌う。この種の歌詞をズバッと出せるから「アイドル」とか歌謡曲とは違う、ってことになるんだろうけど、たぶん本人は人一倍それに悩み苦しめられているんじゃないかな。そうでなければわざわざ口に出したりしないと思うんだ。ていうか誰しも多かれ少なかれその問題で悩み、苦しむと思うよ。

「マリーゴールド」の2人ってなんかもう羨ましいくらい素敵なんだけど、現実では中々そういうふうにはいかないんだよね。「もう離れないで、と泣きそうな眼で見つめる君」なんてもういないってわかってる。しかしそれでも、うまくいかないことばかりのダメな自分と不平等と不条理を原理とする世界において、かくあるべき理想を予感させる瞬間が「マリーゴールド」には、ある。




【付記】
あいみょん真っ直ぐすぎて、もうね。

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