『キューティーハニー』(2004)
『キューティーハニー』(2004年、日本映画、93分)

原作:永井豪
監督:庵野秀明
出演:佐藤江梨子、市川実日子、村上淳ほか

原作:永井豪
監督:庵野秀明
出演:佐藤江梨子、市川実日子、村上淳ほか
YouTubeで海自東京音楽隊の女性歌手が「キューティーハニー」のオープニング曲を歌っているのを見て驚き、オリジナルはどうだったかな、と検索をかけると、実写映画『キューティーハニー』に行き当たった。監督は『新世紀エヴァンゲリオン』の庵野秀明で、途切れ途切れではあるが最後まで見てしまったのである。
オリジナルの漫画は知らず、テレビアニメ版の初回放送(1973年)をリアルタイムで見てキューティーハニーを知った。実写版はハニーが派遣社員だったり、変身装置の呼称が変更されていたりとか若干の相違はあるけれど、大まかな設定は原作を踏襲しているようだ。そもそもアニメ版の一部しか見ていないのだから比べようがない。
だから実写映画版ハニーを違和感なく受け入れることができたのだろう。バットマンとかスパイダーマンのようなアメリカン・ヒーローの実写化はすごく上手くいくように思えるけど、なぜか日本のアニメの実写化はいまひとつに思えるのが不思議だ。やはりニュアンスの違いというか、アニメがよく出来すぎているからかもしれない。
おそらく原作アニメに近づけようとすればするほど、かえってギャップを大きく感じるのではないか。その点、本作は原作アニメを追う路線ではなく、違う方向に持っていったのが正解だったと思う。『ハニー』の実写版は「誰がハニーをやるか」でほぼ9割がた決まってしまうと思うが、なるほどサトエリこと佐藤江梨子しかない、気がする。
「んー、なんかよくわかんないけど、楽しくやろ!」というハニーの性格が、何だかサトエリの地と一致しているかのような気になる。もちろん演技して作り込んでいるはずなんだけど、そんな感じは全然なくて、彼女そのままを出すとハニーになる、みたいな不思議さがある。往年の薬師丸ひろ子もそんな感じがしたんですね。
服は変身装置でどうにでもなる(?)から、ハニーは服とか持ってないんですね。さすがに下着は付けてるんだけど、本当は下着だって変身装置で生成できるはず。なので風呂から出て変身しようとしたらエネルギー切れで、仕方なく指定ゴミ袋をまとって町を疾走し、コンビニおにぎりでエネルギー補給って、いったい……クランクインがこのシーンだって。
でも露出はかなり多いけどエロさは微塵もないのが清々しい。比較的厚手で純白のスポーツ用ブラとショーツに近いデザインなので、ストレッチをしているシーンでも大丈夫(?)なのが不思議。サトエリの体の柔軟性も見事で、そのおかげでかなり無理な姿勢のスティル撮影のコマ割りを重ねた「ハニメーション」が実現できたという。
原作その他の作品ではハニーの親友である「なっちゃん」こと秋夏子だが、本作では市川実日子の配役で警視庁公安部の女性警部として登場。人を頼りにしない、寄せ付けない敏腕警部で、当初はハニーと関わることを嫌い、避けている。でも本作は、天性の明るい性格のハニーと関わることで少しずつ心を開いていく「なっちゃんの物語」でもある。
細部が面白いのも本作の特徴で、ハニーのケータイ着信音が、『ウルトラマン』で科学特捜隊が使う通信機の音と同じだったり、ハニーが戦う時の叫び声「どぅおーりゃー!」も『エヴァ』の誰かと似ていたりとかね。敵のタワー出現場面はCGを使わずミニチュアでやるあたりとか、庵野監督の好きなもの満載の映画だ。
オリジナルの漫画は知らず、テレビアニメ版の初回放送(1973年)をリアルタイムで見てキューティーハニーを知った。実写版はハニーが派遣社員だったり、変身装置の呼称が変更されていたりとか若干の相違はあるけれど、大まかな設定は原作を踏襲しているようだ。そもそもアニメ版の一部しか見ていないのだから比べようがない。
だから実写映画版ハニーを違和感なく受け入れることができたのだろう。バットマンとかスパイダーマンのようなアメリカン・ヒーローの実写化はすごく上手くいくように思えるけど、なぜか日本のアニメの実写化はいまひとつに思えるのが不思議だ。やはりニュアンスの違いというか、アニメがよく出来すぎているからかもしれない。

「んー、なんかよくわかんないけど、楽しくやろ!」というハニーの性格が、何だかサトエリの地と一致しているかのような気になる。もちろん演技して作り込んでいるはずなんだけど、そんな感じは全然なくて、彼女そのままを出すとハニーになる、みたいな不思議さがある。往年の薬師丸ひろ子もそんな感じがしたんですね。
服は変身装置でどうにでもなる(?)から、ハニーは服とか持ってないんですね。さすがに下着は付けてるんだけど、本当は下着だって変身装置で生成できるはず。なので風呂から出て変身しようとしたらエネルギー切れで、仕方なく指定ゴミ袋をまとって町を疾走し、コンビニおにぎりでエネルギー補給って、いったい……クランクインがこのシーンだって。
でも露出はかなり多いけどエロさは微塵もないのが清々しい。比較的厚手で純白のスポーツ用ブラとショーツに近いデザインなので、ストレッチをしているシーンでも大丈夫(?)なのが不思議。サトエリの体の柔軟性も見事で、そのおかげでかなり無理な姿勢のスティル撮影のコマ割りを重ねた「ハニメーション」が実現できたという。

細部が面白いのも本作の特徴で、ハニーのケータイ着信音が、『ウルトラマン』で科学特捜隊が使う通信機の音と同じだったり、ハニーが戦う時の叫び声「どぅおーりゃー!」も『エヴァ』の誰かと似ていたりとかね。敵のタワー出現場面はCGを使わずミニチュアでやるあたりとか、庵野監督の好きなもの満載の映画だ。
【付記】
• 図らずもキューティーハニーの主題歌から実写映画版にたどり着いたわけですが、改めてキューティーハニーのオープニング曲のインパクトの強さに思い至りました。またオリジナルアニメのエンディング曲も秀逸で、デビルマンもそうですが昔のアニメのクオリティの高さには驚くばかりです。
• 図らずもキューティーハニーの主題歌から実写映画版にたどり着いたわけですが、改めてキューティーハニーのオープニング曲のインパクトの強さに思い至りました。またオリジナルアニメのエンディング曲も秀逸で、デビルマンもそうですが昔のアニメのクオリティの高さには驚くばかりです。
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