リトル・フィート 『ディキシー・チキン』 (1973)

Little Feat / Dixie Chicken (1973)

little_Feat_DixieChicken.jpg
1. Dixie Chicken
2. Two Trains
3. Roll Um Easy
4. On Your Way Down
5. Kiss It Off
6. Fool Yourself
7. Walkin' All Night
8. Fat Man in the Bathtub
9. Juliette
10. Lafayette Railroad





フランク・ザッパ率いるマザーズ・オブ・インヴェンションに関係していたロウエル・ジョージとロイ・エストラーダが中心となり、同じくマザーズのオーディションに来ていたビル・ペインとロウエル・ジョージが意気投合して結成されたのがリトル・フィートである。ちなみに「リトル・フィート」という名前は、ロウエル・ジョージの足のサイズが小さかったことに由来するらしい。

フランク・ザッパ譲りのひねくれ(?)に加えて、俺たちは俺たちの好きなことだけをやっているんだ、という感じのリトル・フィートだが、とくに一枚目『リトル・フィート』、二枚目『セイリン・シューズ』にはその傾向が強く、受けようとかいう気持ちが微塵も感じられない仕上がりになっている。そのため、商業的にはまったく成功しなかったという。

それらを聴いてみると、たしかに聞き手の心をぐっとつかむような親しみやすいメロディーや、一度聴いたら忘れられない印象的なフレーズはあまりなく、ほとんど売れなかったのもむべなるかな、という感じがする。

三枚目の『ディキシー・チキン』ではオリジナル・メンバーのロイ・エストラーダが抜けた後任として参加したケニー・グラッドニー(ベース)、サム・クレイトン(パーカッション)、ポール・バレア(ギター、ヴォーカル)らが参加して作られている。

新メンバーの参加によって、バンドのサウンドはよりファンキーになり、ぐっと親しみやすくなった。①はビートをずらしたようなドラムにコンガが絡み、独特の雰囲気を出している。「あなたが私のディキシー・チキンになってくれるなら、私はあなたのテネシー・ラムになってあげる/そしたらいっしょにディキシーランドまで歩いていけるわよ」一夜の幻想譚みたいな面白い曲。

②はギターのカッティングが心地よく、ロウエル・ジョージのスライドギターも冴え渡っている。⑨は尺八みたいな調子の笛が鳴り響き、⑩はロウエル・ジョージのスライドギターを思い切り堪能できるインストゥルメンタル・ナンバー。

④はニューオリンズのソングライターで、シンガー、ピアニストでもあるアラン・トゥーサンのカヴァーである。『ディキシー・チキン』というアルバム・タイトルからもわかるように、バンドのサウンドは南部色を出したファンク指向になっており、土臭さみたいなものが感じられるわけだけど、どこかひねりが利いていて、「南部って……どこまで本気でやっているんだろうか」とか「この泥臭さって、わざとやっているんじゃないか」などと深読みしてしまいそうになる。そのあたりがリトル・フィートの最大の魅力ではないだろうか。


【付記】
● 現在(2009年10月)のところ、リトル・フィートのアルバムの多くはHMVAmazon.comで入手することができるようです。

音がよいと評判の紙ジャケット盤もあるようですが、『ディキシー・チキン』以外は何度も再販されるわけではないので、やはりこれも「あるときに入手しておく」ほうがよいのではないかと思います。ですが『ディキシー・チキン』以外はわざわざ買わなくても……
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