男鹿半島と周辺を歩く(23) 〈八兵衛〉(潟上市天王)

7月2日と3日はもう、めちゃくちゃ暑かった。ついこの間まで、朝晩ちょっと寒いよね、とか言っていたはずで、風邪をひく同僚も見受けられたほどである。なので電気カーペットの上にコタツを置いた我が家の簡易コタツを撤去するわけにはいかなかった。それがいきなり、室内温度が30度を超えてきたのだからたまらない。
一階の冷暗所ともいえる場所に設置されている温度計がその数値を示しているわけで、二階ともなれば屋根に直撃する日光でさらに温度が上昇するから40度を超えてるんじゃなかろうか。もう怖すぎて二階に行く気が起こらない。簡易コタツを急いで撤去し、一階の適当な場所に何かを敷いて昼寝スペースを確保した。
こう暑くなってくると昼に温かいものを食べる気が失せてしまう。となると、やはり蕎麦である。何も八割だの十割の高級蕎麦である必要はなく、トップバリュなんかの乾麺の蕎麦でよい。正確には蕎麦粉含有量50パーセント未満の「蕎麦入り小麦麺」なんだけど、ゆでたてを水にさらして食べれば結構おいしいのである。
残念なのは男鹿に蕎麦屋がないことだよね。男鹿中(おがなか)の浜間口(はままぐち)に行けば〈浜のそば〉があって、なんでも男鹿産の蕎麦粉を使って作られた蕎麦だという。だが年中通して営業しているわけではなく、定休日があるわけでもないという幻の店。通りにノボリが出ていたら営業の合図という店なのだ。
〈戸田苑〉とか〈きりん亭〉でそば・うどんの類は食べられると思うけど、それだけでやっている「蕎麦屋」で蕎麦を食いたいのである。蕎麦屋で蕎麦前(酒肴)をつまんで一本立て、最後に盛り蕎麦でしめるのがベストであるが、車社会だの広域限界集落では無理である。だが潟上市天王まで行けば〈八兵衛〉という蕎麦屋がある。
〈八兵衛〉は天王グリーンランドの売店内に併設された蕎麦屋で、以前からあるのはわかっていたけれど使う気にはなれなかった。どうせドライブインのそばなんて……という思い込みがあったからだと思う。だから姉が〈八兵衛〉で蕎麦でも食べようか、と言ったとき、えっあそこで食うの? とか思ってしまったんである。
でも出てきた蕎麦を見てびっくり! あらっ、なんかすごいじゃないの。立派なエビに、前にあるのはタラの芽だろうか。それがもう、見事にカラッと、サクッと揚がっているのである。「てんぷらぶっかけ蕎麦」というのだろうか、「てんざる」より少しお安い値段になっている。写真ではわからないが、蕎麦の分量がわりと多めなんですね。
ここまでてんぷらが立派だと、下手にカマボコとかあしらわない方がいいんじゃないのかな? それにいつも思うんだけど、横についてくる小鉢はなんなの? こういうのって、白ご飯があるからこそ生きてくるんであって、蕎麦に添えられてもね……まあでも、これで誰も不思議に思わないのが秋田流(?)で、だいぶ慣れてきましたよ。
一階の冷暗所ともいえる場所に設置されている温度計がその数値を示しているわけで、二階ともなれば屋根に直撃する日光でさらに温度が上昇するから40度を超えてるんじゃなかろうか。もう怖すぎて二階に行く気が起こらない。簡易コタツを急いで撤去し、一階の適当な場所に何かを敷いて昼寝スペースを確保した。
こう暑くなってくると昼に温かいものを食べる気が失せてしまう。となると、やはり蕎麦である。何も八割だの十割の高級蕎麦である必要はなく、トップバリュなんかの乾麺の蕎麦でよい。正確には蕎麦粉含有量50パーセント未満の「蕎麦入り小麦麺」なんだけど、ゆでたてを水にさらして食べれば結構おいしいのである。
残念なのは男鹿に蕎麦屋がないことだよね。男鹿中(おがなか)の浜間口(はままぐち)に行けば〈浜のそば〉があって、なんでも男鹿産の蕎麦粉を使って作られた蕎麦だという。だが年中通して営業しているわけではなく、定休日があるわけでもないという幻の店。通りにノボリが出ていたら営業の合図という店なのだ。
〈戸田苑〉とか〈きりん亭〉でそば・うどんの類は食べられると思うけど、それだけでやっている「蕎麦屋」で蕎麦を食いたいのである。蕎麦屋で蕎麦前(酒肴)をつまんで一本立て、最後に盛り蕎麦でしめるのがベストであるが、車社会だの広域限界集落では無理である。だが潟上市天王まで行けば〈八兵衛〉という蕎麦屋がある。
〈八兵衛〉は天王グリーンランドの売店内に併設された蕎麦屋で、以前からあるのはわかっていたけれど使う気にはなれなかった。どうせドライブインのそばなんて……という思い込みがあったからだと思う。だから姉が〈八兵衛〉で蕎麦でも食べようか、と言ったとき、えっあそこで食うの? とか思ってしまったんである。
でも出てきた蕎麦を見てびっくり! あらっ、なんかすごいじゃないの。立派なエビに、前にあるのはタラの芽だろうか。それがもう、見事にカラッと、サクッと揚がっているのである。「てんぷらぶっかけ蕎麦」というのだろうか、「てんざる」より少しお安い値段になっている。写真ではわからないが、蕎麦の分量がわりと多めなんですね。
ここまでてんぷらが立派だと、下手にカマボコとかあしらわない方がいいんじゃないのかな? それにいつも思うんだけど、横についてくる小鉢はなんなの? こういうのって、白ご飯があるからこそ生きてくるんであって、蕎麦に添えられてもね……まあでも、これで誰も不思議に思わないのが秋田流(?)で、だいぶ慣れてきましたよ。
【付記】
⚫︎ その後〈八兵衛〉に一人で行くようになったのは言うまでもありません。良い蕎麦屋で一本立てられぬのはつくづく残念なのですが、帰りに運転しないといけないので仕方ありません。車社会に生きるとはこういうことなので、家に帰ったらまるで仇でも取るように……
⚫︎ その後〈八兵衛〉に一人で行くようになったのは言うまでもありません。良い蕎麦屋で一本立てられぬのはつくづく残念なのですが、帰りに運転しないといけないので仕方ありません。車社会に生きるとはこういうことなので、家に帰ったらまるで仇でも取るように……
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夜分に
見るからにからっと揚がっていそうな海老天ではないですか。
それにタラの芽とは、組み合わせがにくいですね。
私は関西圏で育ったので、いわゆる饂飩民族でした。
しかも澄んだだし汁の。
それが東京にきて、うどん屋に入ったのですが、
いずれも饂飩の汁が真っ黒けなのに驚いたものです。
「江戸っ子」は饂飩より蕎麦ということを知ったのは間もなくのことでしたが、
長い間、蕎麦には馴染めませんでしたね。
ところがあるとき先輩に神田の蕎麦屋に連れていってもらい、
鴨肉や卵焼き、海苔などで呑んだあとのざる蕎麦の美味しいこと!
結局はちゃんとした蕎麦文化に接していなかったのですね。
それからはすっかり蕎麦が好きになりまして、
乙山さんに教えていただいた「鴨南蛮蕎麦」も、安売りを狙って備蓄するようになりました。
ただ、夏にどうやって涼しげな鴨蕎麦にしようか。。。
鋭意、試考中であります。
それにタラの芽とは、組み合わせがにくいですね。
私は関西圏で育ったので、いわゆる饂飩民族でした。
しかも澄んだだし汁の。
それが東京にきて、うどん屋に入ったのですが、
いずれも饂飩の汁が真っ黒けなのに驚いたものです。
「江戸っ子」は饂飩より蕎麦ということを知ったのは間もなくのことでしたが、
長い間、蕎麦には馴染めませんでしたね。
ところがあるとき先輩に神田の蕎麦屋に連れていってもらい、
鴨肉や卵焼き、海苔などで呑んだあとのざる蕎麦の美味しいこと!
結局はちゃんとした蕎麦文化に接していなかったのですね。
それからはすっかり蕎麦が好きになりまして、
乙山さんに教えていただいた「鴨南蛮蕎麦」も、安売りを狙って備蓄するようになりました。
ただ、夏にどうやって涼しげな鴨蕎麦にしようか。。。
鋭意、試考中であります。
Re: 夜分に;南亭さん
南亭さん、コメントありがとうございます。
関西はうどん用の出汁をそばに流用しており、
関東では蕎麦の出汁でうどんを食べるようですね。
なので薄い蕎麦と濃いうどんができてしまうのです。
関西の汁そば、関東のうどんが今ひとつなのは仕方ありません。
こちら(秋田)ではあまりうどんを食べる気がしません。
夏の鴨蕎麦、鴨せいろというものがあります。
盛り蕎麦なのですが、合鴨とネギを焼いたものを、
蕎麦ツユに入れてあるのです。
合鴨の野趣あふれる風味が誠に好ましく、
それに焦げ目のついたネギがよく合うのです。
家でやるなら、生の合鴨を買ってこないといけませんね。
関西はうどん用の出汁をそばに流用しており、
関東では蕎麦の出汁でうどんを食べるようですね。
なので薄い蕎麦と濃いうどんができてしまうのです。
関西の汁そば、関東のうどんが今ひとつなのは仕方ありません。
こちら(秋田)ではあまりうどんを食べる気がしません。
夏の鴨蕎麦、鴨せいろというものがあります。
盛り蕎麦なのですが、合鴨とネギを焼いたものを、
蕎麦ツユに入れてあるのです。
合鴨の野趣あふれる風味が誠に好ましく、
それに焦げ目のついたネギがよく合うのです。
家でやるなら、生の合鴨を買ってこないといけませんね。