ちゃんぽん調査隊(14)
【ちゃんぽん調査隊】

秋田市内で国道13号線を走っていると、川尻若葉町交差点の近くに〈ラーメンの五右衛門〉という店があるのに気付いた。道路沿いから少し奥まったところにあって「あんかけチャンポン」などと書いてあるではないか。ちゃんぽん調査隊長である以上、これはもう、見逃してはならないのである。
勤務シフトの関係上、私一人で通勤する機会があるので、勤務後に〈ラーメンの五右衛門〉に行ってみることにした。下りで茨島交差点を過ぎたらすぐだぞ、とわかってはいたんだけど、若葉町交差点をあっさり通過してしまった。慌てることなく、次の信号で右折して、と。
ナビゲーション装置もなく、目視(と地図上)で確認しただけで知らない地域を走行するのだから迷って当然と言える。あら、いとく(スーパー市場)に来ちゃったよ、五右衛門はこの奥にあるんだったよな、とか思いながら右往左往しちまいましたよ。店の前に五右衛門専用駐車場があって、人気のほどが伺える。
午後5時半過ぎに入店したのだがすでに先客がいる。店内に華美な雰囲気はないが不潔でもない。中年と比較的若い男性二人で切り盛りしているようだ。メニューは正油(と表記している)チャンポン、味噌チャンポン、塩チャンポン、そして味噌ラーメンの4種類のみ。たいへん潔い感じがする。
立場上(?)正油チャンポンを注文するしかないもんね。ちゃんぽん調査隊の長である以上、まずは調査を優先し、しかる後にですね、好みのものを食べるようにするわけですよ。正油チャンポンを注文すると、店員はおもむろに(急がぬ様子で)作り始める。彼らに笑顔はないが、とくに無愛想でもない。
さて料理が来ましたよ。いやはや、ものすごい分量のあんかけチャンポン。豚肉、エビ、イカ、ホタテ、そしてキャベツ、人参、ネギ、タケノコ、キクラゲが入っていますね。とろみはかなりしっかり付いていて、すぐには「飲めない」ですよ。色がまた良いですね。濃過ぎず薄過ぎず、絶妙のバランス。
レンゲですくって味わってみると……えっ、あ、甘っ! てか、なんでこんなに甘いの? 秋田では醤油ラーメンに甘みがあるってわかってたんだけど、まさかここまでとは、ね。いや、困ったなこれ、どうしよう? 全体的には美味しいんだけど、甘みがここまで強いと、あんまり進まないんですよね。
ちゃんぽんは完食が基本である、という私なりの流儀があるんだけど、ちょっと今回は無理。麺は普通の中華麺でバッチリなのにな。少しずつ進めていくと、汗が出て来ますね。某食品工場の名前が入った上着を脱いで、っと。店の人、私の左胸のあたりをガン見(たぶん凝視?)してましたね。
ああこれ、けっこうな分量である。食べても食べても、なかなか減らない感じがするのは甘さのせいだけではあるまい。新しい客が入って来て、私の近くに座ったんだけど、女性の声で「味噌チャンポンと塩チャンポン、大盛りで」だって! 瞬間、吹き出しそうになるのと、むせるのが同期して困ったやら助かったやら。
ていうか、あんたらどんだけ……こっちは普通サイズを食べ切るのにも苦労してんだよ? そっか、若い子だったんだ。汁を残してゴメンな、と思いながら会計を済ます。918円(税込)である。正直、ちゃんぽんでそれは高いと感じる。こっちは「たかがちゃんぽん」でも向こうは「名物チャンポン」、その温度差から生じたズレなんだろうね。
勤務シフトの関係上、私一人で通勤する機会があるので、勤務後に〈ラーメンの五右衛門〉に行ってみることにした。下りで茨島交差点を過ぎたらすぐだぞ、とわかってはいたんだけど、若葉町交差点をあっさり通過してしまった。慌てることなく、次の信号で右折して、と。
ナビゲーション装置もなく、目視(と地図上)で確認しただけで知らない地域を走行するのだから迷って当然と言える。あら、いとく(スーパー市場)に来ちゃったよ、五右衛門はこの奥にあるんだったよな、とか思いながら右往左往しちまいましたよ。店の前に五右衛門専用駐車場があって、人気のほどが伺える。
午後5時半過ぎに入店したのだがすでに先客がいる。店内に華美な雰囲気はないが不潔でもない。中年と比較的若い男性二人で切り盛りしているようだ。メニューは正油(と表記している)チャンポン、味噌チャンポン、塩チャンポン、そして味噌ラーメンの4種類のみ。たいへん潔い感じがする。
立場上(?)正油チャンポンを注文するしかないもんね。ちゃんぽん調査隊の長である以上、まずは調査を優先し、しかる後にですね、好みのものを食べるようにするわけですよ。正油チャンポンを注文すると、店員はおもむろに(急がぬ様子で)作り始める。彼らに笑顔はないが、とくに無愛想でもない。
さて料理が来ましたよ。いやはや、ものすごい分量のあんかけチャンポン。豚肉、エビ、イカ、ホタテ、そしてキャベツ、人参、ネギ、タケノコ、キクラゲが入っていますね。とろみはかなりしっかり付いていて、すぐには「飲めない」ですよ。色がまた良いですね。濃過ぎず薄過ぎず、絶妙のバランス。
レンゲですくって味わってみると……えっ、あ、甘っ! てか、なんでこんなに甘いの? 秋田では醤油ラーメンに甘みがあるってわかってたんだけど、まさかここまでとは、ね。いや、困ったなこれ、どうしよう? 全体的には美味しいんだけど、甘みがここまで強いと、あんまり進まないんですよね。
ちゃんぽんは完食が基本である、という私なりの流儀があるんだけど、ちょっと今回は無理。麺は普通の中華麺でバッチリなのにな。少しずつ進めていくと、汗が出て来ますね。某食品工場の名前が入った上着を脱いで、っと。店の人、私の左胸のあたりをガン見(たぶん凝視?)してましたね。
ああこれ、けっこうな分量である。食べても食べても、なかなか減らない感じがするのは甘さのせいだけではあるまい。新しい客が入って来て、私の近くに座ったんだけど、女性の声で「味噌チャンポンと塩チャンポン、大盛りで」だって! 瞬間、吹き出しそうになるのと、むせるのが同期して困ったやら助かったやら。
ていうか、あんたらどんだけ……こっちは普通サイズを食べ切るのにも苦労してんだよ? そっか、若い子だったんだ。汁を残してゴメンな、と思いながら会計を済ます。918円(税込)である。正直、ちゃんぽんでそれは高いと感じる。こっちは「たかがちゃんぽん」でも向こうは「名物チャンポン」、その温度差から生じたズレなんだろうね。
【付記】
⚫︎ ふざけるな、秋田ではそれが普通なんだよ、という声が聞こえてくるのですが、私には正油チャンポンは甘すぎました。店内にはちゃんと「味の好みを調節します」との張り紙もあるので、次回は好みを伝えてみようかと……てか、素直に味噌チャンポンか塩チャンポンにしようと思います。
⚫︎ ふざけるな、秋田ではそれが普通なんだよ、という声が聞こえてくるのですが、私には正油チャンポンは甘すぎました。店内にはちゃんと「味の好みを調節します」との張り紙もあるので、次回は好みを伝えてみようかと……てか、素直に味噌チャンポンか塩チャンポンにしようと思います。
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No title
ははは・・・
また甘かったですか・・・まあ、仕方ありませんね。
あの甘みがないと、物足りないんですよね、東北の人は。
だから・・・私も関西に出たての頃は、逆の意味でしばらくは閉口していました。そんななかで、これだっていう甘みを味わえたのは「きつねうどん」だったなあ・・・
また甘かったですか・・・まあ、仕方ありませんね。
あの甘みがないと、物足りないんですよね、東北の人は。
だから・・・私も関西に出たての頃は、逆の意味でしばらくは閉口していました。そんななかで、これだっていう甘みを味わえたのは「きつねうどん」だったなあ・・・
Re: gatayanさん
gatayanさん、コメントありがとうございます。
予想はしていたのですが、まさかちゃんぽんで甘みとは……
醤油ラーメンならば、ある程度の覚悟ができているんですけどね。
今回の「正油チャンポン」は、今まで味わった中で最高度の甘さでした!
でも、それが文化なのだと思いますし、
味覚の嗜好に優劣正誤はないと信じています。
>これだっていう甘みを味わえたのは「きつねうどん」だったなあ・・・
なるほど、関西ではおつゆ自体の甘さはNGですが、
トッピング(?)の甘さはなぜかOKなんですよね。
個人的にはきざみうどんのほうがすきですが、
きつねうどんとなると「甘辛く煮たアゲ」でないとなりません。
予想はしていたのですが、まさかちゃんぽんで甘みとは……
醤油ラーメンならば、ある程度の覚悟ができているんですけどね。
今回の「正油チャンポン」は、今まで味わった中で最高度の甘さでした!
でも、それが文化なのだと思いますし、
味覚の嗜好に優劣正誤はないと信じています。
>これだっていう甘みを味わえたのは「きつねうどん」だったなあ・・・
なるほど、関西ではおつゆ自体の甘さはNGですが、
トッピング(?)の甘さはなぜかOKなんですよね。
個人的にはきざみうどんのほうがすきですが、
きつねうどんとなると「甘辛く煮たアゲ」でないとなりません。
こんばんは。
ちゃんぽん探検も、はや14回ですか。
ひとつの目的を作って、それにまっしぐらというのは、
生き甲斐の最たるものです。
周辺にはまだ100軒を超すちゃんぽんのお店があるでしょう。
それに普通の食堂でも、これはと思うちゃんぽんに巡りあうかもしれません。
長く楽しめそうですね。
私も一時は「らーめん紀行」と名うって、行ける範囲のラーメン店を紹介しましたが、
最近嵌っているのが、見るだに人気の無さそうなラーメン店で、
美味い不味いは運と覚悟を決めて突入しています。
人気の無い店のわけは、周りに創作ラーメンの多いことがひとつ。
若者はそれらの店に集中するようで、古くからの來來軒的なところは、
昔からのお馴染みさんで、かつかつもっているように見えるんです。
当たり外れも多々ありますが、大概は味の想像ができる素朴な中華そばですし、
お値段もワンコインを超えないので、損をしたという思いは少ないです。
ひとつの目的を作って、それにまっしぐらというのは、
生き甲斐の最たるものです。
周辺にはまだ100軒を超すちゃんぽんのお店があるでしょう。
それに普通の食堂でも、これはと思うちゃんぽんに巡りあうかもしれません。
長く楽しめそうですね。
私も一時は「らーめん紀行」と名うって、行ける範囲のラーメン店を紹介しましたが、
最近嵌っているのが、見るだに人気の無さそうなラーメン店で、
美味い不味いは運と覚悟を決めて突入しています。
人気の無い店のわけは、周りに創作ラーメンの多いことがひとつ。
若者はそれらの店に集中するようで、古くからの來來軒的なところは、
昔からのお馴染みさんで、かつかつもっているように見えるんです。
当たり外れも多々ありますが、大概は味の想像ができる素朴な中華そばですし、
お値段もワンコインを超えないので、損をしたという思いは少ないです。
Re: こんばんは。;南亭さん
南亭さん、コメントありがとうございます。
> 周辺にはまだ100軒を超すちゃんぽんのお店があるでしょう。
いやいや、男鹿市は広域限界集落ですからねえ……
そもそも中華料理店が「ない」のです。
今回のちゃんぽん調査隊は二つとも秋田市内でした。
男鹿温泉郷から約50キロ、車でないとまず無理です。
秋田市内でやっと見つけたちゃんぽんを出す店ですけど、
ちゃんぽんなんて、中華料理店でふつうにあるはずでした。
秋田はちゃんぽんより、タンメンが優勢なんです。
たぶん、金のわらじを履いて探さないと……
ちゃんぽんがあったとしても、甘かったりしますしね。
昔ながらの食堂も、秋田では見つけるのが難しいです。
ワンコイン以下の中華そばなんて、まずないかもしれません。
でも、それを探すのが面白いのかも、とは思います。
ちゃんぽんと中華そばを求めて旅は続くのですが、
ラーメンと炒飯のセットも、こちらでは少数派ですね。
> 周辺にはまだ100軒を超すちゃんぽんのお店があるでしょう。
いやいや、男鹿市は広域限界集落ですからねえ……
そもそも中華料理店が「ない」のです。
今回のちゃんぽん調査隊は二つとも秋田市内でした。
男鹿温泉郷から約50キロ、車でないとまず無理です。
秋田市内でやっと見つけたちゃんぽんを出す店ですけど、
ちゃんぽんなんて、中華料理店でふつうにあるはずでした。
秋田はちゃんぽんより、タンメンが優勢なんです。
たぶん、金のわらじを履いて探さないと……
ちゃんぽんがあったとしても、甘かったりしますしね。
昔ながらの食堂も、秋田では見つけるのが難しいです。
ワンコイン以下の中華そばなんて、まずないかもしれません。
でも、それを探すのが面白いのかも、とは思います。
ちゃんぽんと中華そばを求めて旅は続くのですが、
ラーメンと炒飯のセットも、こちらでは少数派ですね。