特別純米〈北秋田〉

Tokubetujunmai_Kitaakita
秋田県大館市にある株式会社北鹿が出している〈北秋田〉の大吟醸(アルコール添加)は実売価格が1000円を切るもので、費用対効果が抜群に良い。近隣の多くの商店で扱っており、入手も容易なので我家の標準のようになっていた。これを飲むと、紙パック入り普通酒を飲む気が失せてしまうのである。

いつものようにドジャース男鹿店で北秋田の大吟醸を買おうとすると、隣に緑色のラベルで〈特別純米 北秋田〉とあるではないか。しかも何と、隣の〈大吟醸 北秋田〉よりさらに安いお値段である。これを買わないわけがなく、早速買い物カゴに入れた。北鹿は普通酒でも良い味で、購入の際にためらうことはない。

冷蔵庫で冷やして味わう。冷やしているからか注いだ盃から立ち上る香りはごく控えめ。口に含むと米の旨味、控えめな甘み、少し遅れて酸味も感じられる。重い/軽いのどちらかといえば、軽いほう。軽いけれど酒の旨味はじゅうぶん感じる。推定日本酒度は+2前後か。常温でもうまいが、冷やしたほうがより美味しい感じがする。

もうはっきりと甘口なのだが適度な酸味と軽やかさがあるので、全体としてスッキリした味わいになっている。とにかく、ハッタリがなく旨いので杯を重ねてしまう傾向がある。しかもアテなしで何杯でもいけてしまう危険な酒でもある。事情があって値段の詳細は割愛させてもらうが、本当にこの値段でいいのかと思ってしまう。

同社の大吟醸〈北秋田〉より香りは少し控えめだが、旨味は強め。どちらも文句の付けようがなく甲乙付けがたい。個人的にはアルコール添加の大吟醸より、純米の〈北秋田〉の方が好みかもしれない、などと思うがその日の気分や体調によって味も違って感じるから一概には言えない。

余韻というか後味が良い。引き際があっさりしていて、嫌な感じが残らず、旨味が残ってまた飲みたくなる。香り控えめとは書いたけれどこのくらいがちょうど良いのかも。香りの立ちが穏やかなので、料理と合わせてもいけるのではないかと想像する。持ち味の「旨口」が料理とどう響き合うのかも楽しみだ。

というわけで、ヒラメの刺身と合わせてみた。もう甘く感じるヒラメで、脂や臭みがほとんどない上品な味わい。淡白だが旨味があるヒラメの後に〈特別純米 北秋田〉をやると、酒の旨味がよりわかる感じがする。酒が独立している、とでもいえば良いのだろうか。かといって、それが料理の邪魔になっているわけではなく、料理も酒もうまい。

甘口だけど軽やかで、つい飲み過ぎてしまって急にガクッとくる感じ、だろうか。これは秋田の酒に共通して言えるのかもしれない。傾向が似ている、と言っても良い。だからブラインドで銘柄を当ててみろ、と言われるとたいへん困るにちがいない。〈特別純米 北秋田〉が我家の標準に加わったのは言うまでもない。


【付記】
⚫︎ あまりの費用対効果の高さに、なんだか申し訳ない気分になってしまうほどの北鹿です。うまい酒を安く飲めるというのは言葉の真の意味において「有難い」ことです。

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No title

これは何度かの見ましたよ。
安いし・・・造りは良いし・・・

ついつい飲みすぎちゃいますよね。
少々甘いけど・・・軽いからね。脂っこいものにはちょいと合わないように思いますが・・・

Re: gatayanさん

gatayanさん、コメントありがとうございます。
特別純米北秋田、良いですよね。
もはや我が家の標準となっています。
仰るように、軽やかさがこの酒の特徴でしょう。

純米四合瓶が1000円を切るなんて、
関西では絶対にあり得ないと断言できます。
しかもかなり美味い……有り難く思いますね。

No title

雨、大丈夫ですかぁ?

そちらの生活も落ち着かれていらしたご様子、楽しく拝見しています。^^

Re: 彼岸花さん

彼岸花さん、コメントありがとうございます。
かなり降りましたが、地滑りや山崩れなどの災害はありません。
暗い話題なので書かないようにしていますが、

職場(特に人間関係)には苦労しています。
このまま続けていけるかどうか、心配になってきました。
普通だったら辞めてるよな、と思うこと多々あります。
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