ロイヤル・ハウスホールド(ブレンデッド)

RoyalHousehold.jpg
いよいよ、という感じのブレンデッド〈ロイヤル・ハウスホールド〉である。店(フラヌール)に置いてあるので、どんな味なのか把握しておく必要があるのでテイスティングに踏み切った。物の本*によると、世界でもバッキンガム宮殿とハリス島の〈ローデルホテル〉のバー、そして日本の三か所でしか飲めないブレンデッドだという。ごく普通に飲めるのは日本だけ、とのこと。

製造元は〈ブラック&ホワイト〉を出しているジェームズ・ブキャナン社で、現在同社のウィスキーはブラック&ホワイト、ブキャナンズ12年、そしてロイヤル・ハウスホールドのみとなっており、いずれも〈フラヌール〉にありますので興味のある方は是非どうぞ。ライトタイプのブレンドで「わかりやすい」味ではないのですが、なかなかの美酒だと思います。

小さなグラスに注ぐと、色は薄めの琥珀色。蓋を取ると、意外とアルコールの揮発を強めに感じ、それに混じって リンゴや洋梨、ドライフルーツを想わせるフルーティーな香りと麦芽香が漂ってくる。スモーキーさやピート香はほとんど感知できない。口に含むと、ハーブを含んだモルトの甘味がまず来て、次いで穏やかなスパイスを舌に感じる。極めて微弱なスモーキーさの痕跡を感じるが、これは樽由来のものかもしれない。

ほんの少し加水をしても味わいのバランスは崩れない。元々がライトタイプなので、あまり薄めないので飲むのがいいのではないかと思う。これは同社が出している〈ブラック&ホワイト〉や〈ブキャナンズ12年〉にも言える。どういうわけか、ライトタイプのブレンデッドを好んで出すようで、1980年代に見かけた同社の〈ストラスコノン〉もたぶんライトタイプではないかと想像する。

フィニッシュの余韻はそう長くなく、モルトの甘味がずっと舌に残り続けるとか、後でスパイスのぶり返しが来てびっくりする、とかいうこともなく、あっさりの引き際。飲み終わった後のグラスからはヴァニラやキャラメル系の香りと木質香が漂ってくる。うっとりするようなエステリーさは「ない」と断言できる。なので、くれぐれも価格から生じる期待をあまり膨らませ過ぎぬよう申し添えておきたい。

トゥワイス・アップまで持っていくと、全体に薄まった感じはするものの、よく伸びており、スパイスもまだ感じる。予想ではもう少し薄くなってしまってぶち壊しに近い味わいになるのではないかと思っていたが、意外と元の味わいがしっかり残っている。だけどトゥワイス・アップによって本来の持ち味が引き出されるわけではないと思う。

オーバー・アイスで(氷に注いで)やってみる。ロイヤル・ハウスホールド20mlを氷を入れたオールドファッションド・グラスに注いで飲む。ストレートのときより甘みが引き立つ、という感じはしなくて、酸味や木質香が前に出ているように思う。冷却によって香りの広がりが多少抑えられてしまうので、あまり良い印象ではなかった。

いつもなら、ここから1:2の水割りや、ソーダ割りを試してみるのだが、今回はそういう気が起こらなかった。類推だけで断定するのは避けたいところだが、ロイヤル・ホウスホールドのソーダ割りとか、あんまりやりたくないんですよね。値段が値段だけに、どうかご理解のほどよろしくお願いしたい。

*土屋守『ブレンデッドウィスキー大全』(改訂版、小学館、2014年)

【付記】
● 「安物ばかり並んでいるわけではない」という一種の見栄(?)から置いてみたわけですが、ぶっちゃけ話、ありがたがって飲む必要はない、と感じました。だけどこれ、もう召し上がった方がいらっしゃるんです。ただもう感心(感謝)してしまいましたね。「ああ、ロイヤル・ハウスホールドね」と、話の種として一度飲んでおくのも悪くないと思います。


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先日はども。

このsubjectを読んで興味を持ち、先日頂きましたけどこれはこれで「良いお酒だなぁ。」なんて普通に思いました。
まぁ、ボトルの値段考えたら「その程度の感想かい!」って言われそうですけど(苦笑)

水割りやロックではなく、ストレートで香りと口当たりをゆっくり愉しむお酒ですね。

Re: 先日はども。

北摂在住の名無し。さん、こんにちは! コメントありがとうございます。
記事ではあまりいいように書いていないようですが、やはり価値と価格のバランスが……
ですが、価格を度外視すると、なかなかの美酒だと思います。
仰るように、ストレートで味わうのがお勧めですね。
お土産も、どうもありがとうございました!
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只野乙山

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