住居物件選びの条件

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引っ越しのときに部屋を選ぶ条件は人によって様々だと思う。私(乙山)の場合、店から歩いて帰ることができる、というのを最優先事項にした。店は東心斎橋にあるので、その南の地域(宗右衛門町、道頓堀、難波)に住むのは場所的に厳しく、それ以外だったらどこでも良かった。東へ行けば、堺筋を渡って少し歩けば松屋町で、このあたりは意外と穴場ではないかと思う。

西方面では御堂筋と四つ橋筋を渡れば堀江があり、ここも集合住宅がたくさんあって便利ではないかと思う。ただ歩いて帰るとなるといささか厳しい。心斎橋から御堂筋に出るのは何でもないし、そこから四つ橋筋まで行くのも無理ではなかろう。だがそれ以上となると……住みやすく便利な堀江だが、少し無理があると言える。不動産屋さんのリストにも入っていなかったくらいだし。

心斎橋の北方面は南船場、博労町(ばくろうまち)、南久宝寺あたりが徒歩圏内である。この周辺は中小企業のビルもたくさんあって人が住むような雰囲気ではなさそうに見えるが、意外と集合住宅がたくさん存在しているのである。北方面にするか東方面を選ぶかで絞られたのだが、高速道路と松屋町筋のさらに東方面でないと静かな感じがしないので、気分的には北方面にしたかった。

といういわけで、南船場、博労町、南久宝寺周辺に絞って内覧をした。次に重要なのは、室内で真空管アンプの製作を行えるか、ということである。これから一年に一台くらいは真空管アンプを作って店に持ち込みたいと思っている。なので部屋の壁が薄かったり、両隣に挟まれていては周囲に迷惑をかけてしまう。これはできるだけ避けたいところである。

以前住んでいた集合住宅は両隣に挟まれていたので、ここだけは苦痛だった。両隣ともご高齢者の方で、休日自宅にいると両隣がほぼ一日中部屋にいることがわかった。壁自体は厚いのだが、どういうわけかカーテンを引く音はしっかり聞こえてくる。おまけに、ベランダに出て携帯電話で話す声がまともに聞こえてくるし、わざわざ痰や唾を吐きにベランダに出てくる始末。

あの例の、喉を鳴らす音の後に来る最後の音までしっかり聞こえてくるのにはほとほと参ってしまった。おまけに、ベランダで歌まで歌いだすのには頭を抱えたくなったし、挙句の果てにはベランダに出て大声で叫び出すのである。そしてとどめは、ベランダから室内に戻る際にドアを閉めるのだけど、これがまた、そこまでしなくてもいいでしょうに、と言いたいくらい大きな音で、それで目が覚めたことが何度かあったほど。

いや、これ現実の話ですよ。また只野乙山がフィクションを交えてテキトーに書いておるな、と思うかもしれないが本当にあったことなのだ。なので今度は絶対に角部屋、できれば最上階であればいいなあと思っていた。構造的に、隣と密接している部分ができるだけ少なく、独立しているような物件が理想的である。そのためには、一月中頃から動いている必要があり、三月の後ではだめなのだ。

その結果、幸運にも最上階の角部屋を押さえることができた。ただし、ベランダは西向き、キッチンの窓は北向きである。対象物のデッサンをする人や、いわゆるブツ撮りを多くする人にはわかってもらえると思うが、やわらかい間接光のほうがやりやすいのである。南向きの部屋で絵を描き始めると、刻々と光の状態が変わってくるのがわかるはずだ。

南向きの部屋だと、対象物を窓際に置いて部屋の中から撮ろうとすると、常にバックライトで強い光になって撮りづらい。休日の午前中、太陽光の具合のいい時を狙ってウィスキーのボトルを撮影するのだが、うっかりすると機を逃してしまう。ウィスキーの記事で夜に撮った写真がいくつかあるけれど、あれらはそんなふうにして昼間に撮影できなかったから夜になってしまったわけで、北向きの部屋だと、およそ時間を気にせず撮影できるんですね。

周辺はというと、隣のビルの一階が「ほっかほっか亭」だし、歩いて一分以内にコンビニ店があり、そして徒歩五分以内の圏内に中華料理店が五軒(!)もあるという、何とも便利な環境である。さらに中小企業がたくさんあるためか、昼時だけ現れる弁当屋と、飲食店が店前に出す弁当売り場がそれこそ数え切れないほどあってびっくりするほどだ。

夜は、堺筋や高速道路、松屋町筋から少し離れた所にあるせいか、窓を閉め切っていると本当に静かで、ここが都会の真ん中だとは信じられぬほどである。残念なのは、店にかかりきりになってしまい自宅の部屋が全く片付いていないことで、店で使うあれこれを探し回って開けられた段ボール箱が無残に散らかり放題になっていることである。


【付記】
● 店で使えそうなものは何でも持って行ってしまえ、ということで自宅のほうは半ば機能停止状態になってしまいました。すべて完全に揃ってから開店するのが理想的ですが、それは大きな背後があるフランチャイズ店舗に言えることで、個人経営店では多少無理があってもどこかで区切りを付けて発進する必要があります。そうでないと、いつまでたっても開店できませんからね。


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