オーバン14年 シングルモルト(ハイランド)

Oban14yo_01.jpg
今回はシングルモルト〈オーバン(Oban)14年〉を飲んだ。ウェブ地図を見ると、オーバン蒸留所は西ハイランド地区の海岸沿いのオーバンという町にあるようだ。近接する蒸留所はなく、規模もロッホナガー蒸留所に次いで小さなものだそうである。現在の所有者はモエヘネシー・ルイヴィトン傘下のディアジオ社。早速蓋つきの小さなグラスに注いでみると、薄めの琥珀色。

蓋を取ると、有機溶剤に混じってドライフルーツ、レーズンのような香り。口に含むと、ハーブを含んだモルトの甘みに次いで若干のスパイシーさが来て、塩(潮)気も感じる。ごくほのかにピート香も感じる。フィニッシュの余韻はそう長くはないが、甘みからスパイスに移行して、再びモルトの甘みが口に残る。その時、スパイシーさのぶり返しが来ることもあるが、概してあっさりしていて切れが良い。

若干の加水でも味わいのバランスは崩れない。加水によって微弱なヴァニラ香が漂い、ストレートより飲みやすくなるが、若干の木質香とビター。スパイシーさは抑えられてしまうので好みの分かれどころか。トゥワイス・アップ(ここでは20ml:20ml)までもっていくと、全体に薄まった感じがするが、じっくり飲むほどに深い味わいがわかってくる。残り香は木質香、ピート香。

オーバー・アイスで(氷に注いで)飲むと、グラスからはフルーティーな香りが漂ってきて、スパイシーさもしっかり残っていて好ましい。なぜかストレートのときより甘みが前に出ているような気がする。加水が進むにつれて角が取れてくるのがわかり、ハーブを含んだモルトの甘みと若干のビターさ、そしてスパイシーさのバランスの良さに唸りたくなる。

1:1の水割りを氷の入ったオールドファションド・グラスに注いで飲む「ハーフ・ロック」スタイルでやってみる。さすがにグラスから漂う香りやスパイシーさは欠落するが、たいへん飲みやすい飲み物に仕上がっている。モルトの甘みはきっちり残っているのだが、これといった特徴がつかみにくく、これをブラインドで出されたら「うむ、これはオーバンのハーフ・ロックですね」などと一発で当てる自信はない。

Oban14yo_02.jpgいささか薄まり気味なので、これを1:2水割りにするのにためらってしまうが、物は試しというではないか。結果がわかれば自信をもってやめておくことを勧めることができる。ここではオーバン14年30mlと水60mlを、8オンス・タンブラーに氷とともに入れて軽くステアして飲んでいる。ううむ、やはり予想通り、これはちょっと薄めすぎた感じになってしまいますね。やめておいたほうが良い、と断言できる味わいだ。

この結果から、ソーダ割りも向かないと予想できる。どうも世の中に出回っている「ハイボール」とやらは1:4くらい(店によってはそれ以上)の配合になっているようで、アルコール度数は約8%になり、ビールより少し強い程度のハイボールが好まれているようだ。ここではオーバン14年30mlを氷を入れた8オンス・タンブラーに注いで軽くステアし、ソーダで満たしてだいたい1:2のソーダ割りに仕上げている。あるウィスキーがソーダに合うかどうか、それは濃度にもよるだろう。

ところが、オーバン14年の1:2ソーダ割りはそんなに悪くない仕上がりだった。ソーダによってぶち壊しにならず、モルトの甘みが残っていながら酸味は前に出てこない、かなりいい感じのソーダ・ハイボールになっているような気がする。これはあくまで「カクテル」としての評価であって、オーバン本来の味わいが云々という議論からはすでに外れているので、そこのところ宜しくお願いしたい。


【付記】
● なかなか面白く、また難しいモルトでした。「バランスが良い」と「特徴がない」は、じつはほとんど同義で用いられており、よく言えば前者、悪いくいえば後者と、わりと自分でもいい加減かつ曖昧に使い分けています。オーバン14年は、本当にブラインドで出されたら、当てるのに困るモルトじゃないかと感じました。


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No title

有機溶剤臭といえばバーボン(特にワイルドターキー)ですが
スコッチにもあるんですね。
有機溶剤といってもトルエンなどではなくエステルですが。
セメダインよりもプラモデルに付いていた接着剤の臭いに近いです。

Re: kazさん

kazさん、コメントありがとうございます。
「有機溶剤のような」という表現は、ざっくりしすぎているのかもしれません。
有機溶剤はたくさんあるので、どれを思い浮かべるか、人それぞれですからね。
今後、もう少し考えて使おうかと思います。

接着剤の臭いも、トルエンの臭いも嫌いではありません。

No title

大学の研究室にはいろいろな有機溶剤があり、飲めるエタノール
(なめてみたけどとても飲めない味)から何でも解けるアセトンなど。
どれも不快な臭いではなく、それなりの芳香でした。
エタノール以外はいかにも毒という感じでしたが。
(エタノールも毒といえば毒には違いないですが)

Re: kazさん

kazさん、コメントありがとうございます。
本当に有機溶剤には種類がありますね。
たんに「アルコール」といっても、なんとたくさんの種類が存在することでしょう!

日本酒でも、有機溶剤系の匂いがするものがあります。
経験からすると「仙介」の純米酒にそれを感じました。

それにしても、熟成樽の中でどんな化学変化が起こっているんでしょうね。
蒸留したばかりのウィスキーは、ほとんど無味無臭に近いものだと聞いています。


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