アイル・オブ・ジュラ10年 シングルモルト(アイランズ)

Jura10yo_01.jpg
今回はシングルモルト〈アイル・オブ・ジュラ(Isle of Jura)10年〉を飲んでみた。ウェブ地図を見ると、スコットランドの西岸にジュラ島があり、その西側にはアイラ島がある。ジュラ島のA846道路をかなり南下した所にジュラ蒸留所がある。物の本*によると、現在の所有者はUBグループで、傘下のホワイト&マッカイもかつてジュラ蒸留所の所有者だったそうだ。蓋つきのティスティング・グラスに注ぐと、浅めの琥珀色。

蓋を取ってみると、蜂蜜に香草が混じった匂い、レーズンを思わせるフルーティーさも感じる。口に含むと、モルトの甘みに少しビターさがあり、ブラック・ペッパーというよりはペパーミントよりのスパイシーさが来て、それが抜けた後はモルトの甘みが舌に残る。フィニッシュの余韻はそう長くはない。スモーキーさやピート香は感知することができない。物の本*によると、お隣のアイラ島のモルトと区別するため、ノンピートで仕上げているという。ただし7~8月にかけて1カ月だけ、ヘヴィリ―・ピーテッド麦芽も仕込んでいるそうだ。

若干の加水でスパイシーさは後退し、フルーティさが前に出るが味わいのバランスは崩れない。モルトの甘みに含まれるビターさも後退して飲みやすくなる。トゥワイス・アップ(ここでは20ml:20ml)までもっていくと、ビターさやスパイシーさは消失し、たいへん飲みやすくなるが、ハーブ系の香りはしっかり残っており、それとモルトの甘みで組み立てられているのかな、と思う。カラメルやヴァニラ系の華やかな匂いはグラスから感じられず、木質香が漂ってくる。

オーバー・アイス(氷に注いで)飲むと、モルトの甘みが凝縮したように感じられ、スパイシーさも健在、そしてビターさもあるのでライト・ボディというよりはミディアム・ボディに近い味わいのように感じる。さらっと飲めてしまうタイプというより、強い芯があるタイプのモルトだろうか。ノンピートで仕上げられているわりに重たく感じるのが面白いところ。冷却によって香りの広がりが抑えられてしまうのは仕方がない。

Jura10yo_02.jpg1:1の水割りを氷に注いだ「ハーフロック」スタイルを試してみる。スパイシーさやハーブ系の味わいは脱落してしまうが、ビターさが和らげられるのでかなり飲みやすくなる。カラメルやヴァニラ系の甘さではなく、なんだかナッツ類やロウソクを思わせる甘さが広がり、悪くない。このモルト独特のビターさが苦手という人には向いている飲み方ではないだろうか。

さほど伸びる感じはしないんだけど、参考までに、ということで1:2水割りをやってみた。ここではアイル・オブ・ジュラ30ml:水60mlを10オンス・タンブラーに氷とともに入れて軽くステアして飲んでいる。うむ、悪くないですね。多くの要素は欠落してしまうけれどモルトの甘みは残っており、鼻腔に抜ける香りもそれはそれで楽しめる。バーで「ウィスキーの水割り」という注文に出してみても面白いんじゃないだろうか。

さて、それでは例によって(おいおい)、ソーダ・ハイボールにしてみよう。ここではアイル・オブ・ジュラ40mlを氷の入った10オンス・タンブラーに注ぎ、ステアしてソーダで満たしたものを飲んでいる。なるほど、なかなかソーダとの相性はいいんじゃなかろうか。ぶち壊しになっておらず、ビターさの痕跡、ナッツ類やロウソクを思わせる甘い香り、そしてモルト本来の甘みも残っており、カクテルとして楽しめる仕上がりになっているように思えた。

*土屋守『シングルモルトウィスキー大全』(小学館、2009年)

【付記】
● ノンピートのライトタイプかと思っていたのですが、どこかビターさが残っているせいか、ミディアムタイプに近い味わいに仕上がっているように感じました。ストレートもおいしいですが、加水したほうが飲みやすいかもしれません。水割りやソーダ割りにも適したモルトに思えました。ダルモアにもビターさを感じたのですが、ひょっとしてリチャード・パターソン氏がかかわっているのかも、などど想像してしまいました。


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