ダルモア12年 シングルモルト(ハイランド)

Dalmore_01.jpg
今回はシングルモルト〈ダルモア(Dalmore)12年〉を飲んでみた。ウェブ地図を見ると、ハイランド地方のインヴァネスという町をA9道路で北上した、アルネスという町にダルモア蒸留所はあるようだ。物の本*によると、あのホワイト&マッカイの原酒だそうで、現在の所有者はインドのUBグループだという。ダルモアもホワイト&マッカイも、マスター・ブレンダーのリチャード・パターソン氏があたっているようで、同氏はウィスキー業界の有名人であるようだ。

小さなグラスに注いでみると、これぞウィスキー、と言いたくなる琥珀色。レーズンを思わせるフルーティーな香り、そしてヘザーと蜂蜜の混じった香りがするが、スモーキーさはほとんど感知できない。口に含むと微弱なスパイシーさとビターな味わいを感じ、その後モルトの甘みが来るのだが、甘さが突出することはなく、味わいのバランスは良いと思う。フィニッシュの余韻はそう長くはなく、若干の酸味とビターな味わいが引いた後に麦芽の甘みが舌に残り、グラスにはラムレーズンのような香りが残る。

若干の加水でビターさが後退し、レーズンのようなフルーティーさが前に出る。思いの外ビターさが強いので、少しだけ加水したほうが飲みやすいかもしれない。こうすると、ヴァニラ系の香りも感じられ、モルトの甘みもより感じられるように思える。トゥワイス・アップ(ここでは20ml:20ml)までもっていってもへこたれる感じがせず、味わいのバランスも崩れない。どちらかというとへヴィーなモルトではないだろうか。

氷に注いで飲むと、甘さをより強く感じるがビターさも健在なのでやはり重厚な味わいがする。このビターさはスモーキーさやピーティさと似ているようだが違うと思う。氷にが溶けるにしたがってビターさは薄らいでいくけれど、早めに飲んでしまうとビターさが残っているので、氷で飲む場合はゆっくり、じっくり飲むのがいいのではないかと思う。最後には麦芽の香りがしっかり口に残るが、あのビターさがどこから来るのか、とても気になるところだ。

Dalmore_02.jpg1:1水割りを氷とともにオールドファッションド・グラスに注いだ「ハーフ・ロック」スタイルでやってみる。やはりビターさがかなり和らいで飲みやすく、オーバー・アイスもいいけれどもう最初からハーフ・ロックでいってもいいんじゃないかと思う。ビターさが後退するのはいいのだが、同時にフルーティーさも薄まってしまうし、スパイシーさは完全に消失してしまうので、ここが好みの分かれ処だろう。

香りが高いモルトはあまり薄めると面白くないのだが、1:2水割りを試してみよう。ここではダルモア12年30ml:水60mlを8オンス・タンブラーに氷と入れて軽くステアして飲んでいる。おお、それでもけっこう伸びてますね。モルトの甘みとフルーティーさがまだ残っているし、例のビターさも遠くに感じる。まあこれは「思い切り伸ばしてみたらどうなるか」を見極めるためにやっているような面もあるんだけど、水割りって悪くないなあ、とか思うわけである。

では、最後にソーダ・ハイボールに仕立ててみる。ダルモア12年は元がしっかりしているからだろうか、ソーダで割ってもへこたれることはない。モルトの甘みとプルーンのような酸味、そしてビター(苦味)もまだ残っていて、三者が絶妙のバランスで成り立っている面白い飲み物になっていると思う。ただしこれはもう「カクテル」であり、ダルモア12年本来の味わいが云々、という文脈からは外れているので、くれぐれも噛みつき無用でお願いしたい。

*土屋守『シングルモルトウィスキー大全』(小学館、2009年)

【付記】
● ダルモアはバーボン樽が8割、残りはシェリー(オロロソ)樽で熟成されているようです。たしかに甘みも強いのですが、思いの外ビター(苦味)が感じられ、じつに個性的な仕上がりになっているモルトだと感じました。乙山の味覚などまったくあてにならぬことはご承知でしょうし、どうかご笑覧下さるよう願います。それにしてもこのダルモア12年、えもいえぬ後を引く味わいがあって、減りが早いのが怖いところです。


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No title

死んだ父親はどんな酒も一切薄めることは無かったです(氷も)
わざわざ薄めて不味くするのはおかしいと言ってました。
私はたまにハイボールなどにして飲みますがかなり濃い目です。
先日居酒屋でハイボール(ブラックニッカクリア)を頼みましたが
アルコール分はビール以下に感じました。
ウイスキーのストレートは体的にもできるだけ避けてますが、世の中ウイスキーを薄めすぎるような気がするんですよね。

Re: kazさん

kazさん、コメントありがとうございます。
お父様のお考えは、お父様の中では正しかったのだと思います。
またその考えを受け継いでおられるkazさんも、御自身の中では正しいと思います。
もし「ウィスキー・ハイボール」がビール以下のアルコール度数なら、
粗悪な店に当たってしまった、ということなのだと思います。

そういう粗悪な店が、少なくなることを願う一方で、
ひょっとして、そういう薄い飲み物がいいんだ、という人もいるのかもしれませんね。
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