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キング・クリムゾン 『クリムゾンキングの宮殿』 (1969)

King Crimson / In the Court of the Crimson King (1969)

Crimson_1st.jpg
1. 21st Century Schizoid Man : including Mirrors
2. I Talk to the Wind
3. Epitaph : including March for No Reason and Tomorrow and Tomorrow
4. Moonchild : including The Dream and The Illusion
5. The Court of the Crimson King : including The Return of the Fire Witch and The Dance of the Puppet



このアルバムはLPレコードで持っているので、CDを買うつもりはなかったのだが、かんじんのLPレコードを再生するシステムは何年も前に処分してしまい、ここ数年来LPレコードを再生することはまったくなかった。もともとそんなにLPレコードを所有していたわけでもなく、働き出して自分のお金が自由に使えるようになったころにはCDへの転換期だった。だから今ではメイン・ライブラリーのほとんどすべてがCDである。

HMVの「輸入版マルチバイ特価」なる企画についつい手が出てしまい、安くなっているCDをまとめ買いしてしまった。このCDもその中の一枚だ。昔レコードや初期のCDは高かった。3500円くらいしてたはずだ。だから高校生や大学生の身分ではおいそれと買えなかったことを思い出す。本物のLPジャケットというのは質感があって良いものですよ。プリントしただけのCDジャケットとは違って、紙の質からして違う。それはたぶん、実物を手にした人しかわからないだろう。

さて、これは非常によく知られたCDで、いまさら私(乙山)が云々する必要はまったくないのだが、このたび購入した輸入版(オリジナル・マスター・エディション)に付属するブックレットの中に、面白い写真があった。それは「クリムゾン解散」という記事の横に付いた写真だが、マイケル・ジャイルズがおそらくアメリカ帰りの際に撮影されたものだろう。そのマイケル・ジャイルズが手にしているのが、スコッチ・ウィスキーVAT69が大きくプリントされた袋である。

McdnaldGiles.jpg税関で買ったのだろうか。詳しいことは知る由もないが、意外なところにVAT69を発見してちょっと嬉しくなった。写真に見えるVAT69は現在のボトルとは違っていて、ちょっとずんぐりしている。いわゆるオールドボトルというやつだろう。マイケル・ジャイルズが好んで飲むVAT69。そんなことを思い浮かべながらVAT69を飲むと、これまた味わいが変わってくるような気がする。

おっと、お酒の話じゃなかったはずですね。ジャケットといい、サウンドといい、やはりインパクトがあるなあ。改めて聴いて惚れ惚れするのは、イアン・マクドナルドのプレイだ。そこだけ何度でも聴いていたくなるような(2)のフルート、そして(1)の破壊的なサクソフォーンなど、何度聴いても唸らされる感じだ。最近、YouTubeで「21st Schizoid Band」の映像を見たけど、イアン・マクドナルドの演奏はやはり見事なものだった。

もちろんそれだけではなくて、グレッグ・レイクの透明で伸びやかなヴォーカルと硬めのベース、きめ細やかさと豪快さを併せ持つマイケル・ジャイルズのドラミング(これも本当に好き)、ソロ・パートでは目立たないけれどなくてはならぬロバート・フリップのギター、そしてサウンドと相まってこのグループの音楽を決定付けているともいえるピート・シンフィールドの詩、これらが本当にうまい具合に作用しあって、作り出されたのがこのファースト・アルバムなのだろう。

(4)の後半部分、「The Dream and the Illusion」と題された即興演奏の部分、ここにクリムゾンらしさが一番出ているのではないかと思う。いま全体を通して聴いてみると、ここだけがやや冗長に感じるのだが、最初期からこういう類の即興演奏を好んでプレイしたようだ。ただし、グレッグ・レイクはこの部分にほとんど参加していない様子(ベースの音が聴こえない)で、変な演奏を半ば呆れて傍観していたのではないかと想像する。

クリムゾンが即興演奏を好んでやったというのは、最初期のライブ音源を集めた公式ブートレグの『エピタフ』などを聴いても確認できることだが、ライヴにおいても、最初期のクリムゾンは即興演奏を行っている。シンフォニック・ロックなどという言葉で片付けることができない部分が本来このバンドにはあるのだろう。キング・クリムゾンはやはり、ライヴ・バンドなんだなあと改めて思った。


『インザ・ウェイク・オブ・ポセイドン』へ ≫

『マクドナルド&ジャイルズ』へ ≫

● スコッチ・ウィスキーVAT69のことは、以前このウェブログ内で記事にしております。よろしければこちらもご覧ください。

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