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男鹿半島と周辺を歩く(30)三吉(五城目町)

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その店が五城目町は朝市通りの福禄寿酒造のすぐ近所にあるのは以前から気付いていた。店の前を何度も通り、何度もチラッと見ていたからである。暖簾の文字からすると、これは蕎麦屋に違いない。この町の、この通りにして、この店である。バスターミナル付近の食堂も興味深いが、今日はこの店に入ることにした。

いやね、本当は他の食堂にしようかなとか思っていたんだけど、この店の前を横切る時、出汁で何かを甘辛く煮ているようないい匂いが漂ってきて、足がビタと止まってしまったんである。マグネティズム(なわけないだろうが)によって中華料理店に引きつけられるように、こういうとき、私は身体の反応に素直に従うことにしている。

暖簾の右側に「三吉」とあるので、おそらくそれが店名なのだろう。時刻は11時半、ランチタイム突入前の静かな時間。昼に外食するなら、この時間にするか、あるいは1時過ぎにするようにしている。戸を開けて入ると、予想通り客は誰もいなかった。それにしても見事な昭和ぶりではありませんか。おそらく開業からそのままではないかと思う。

20181103155043e06.jpegメニューを見ると、意外にも蕎麦屋というよりただの食堂である。しかもご飯物をバッサリ捨象した簡易食堂という趣きだ。予定を変更してラーメンを頼んだ。そうメニューに書いてあったから。でもどうせなら「中華そば」にして欲しかったね。なんかね、こういう店には中華そばのほうが似合うと思うんだ。

さて料理が来ましたよ。焼き豚、メンマ、ネギ、ナルト、そして手前に見える黒いものは海苔だろうか。スープの色は秋田にしてはごく普通で、関西と比べても特に濃いわけではない。麺が独特で、極細縮れ麺になっている。しかもこの麺、わりと分量があるんじゃないかな。見た目にはわからないかもしれないが、食べ応えがあった。

スープと同様に麺は好みが分かれるところと思うが、私は極細麺がそんなに嫌いではない。九州風のストレート細麺なんかマルタイラーメンで鍛えられている(?)し。だけど極太麺好きにはだめかもね。こういう、好みが分かれるってのが面白いと思うんだ。でもちょっと待て! 食べる前に覚悟が必要だぞ?

いちいち覚悟をしないといけないのも困りものだが、心の準備をした上でスープを試してみる。甘いのが来るぞ、としっかり頭に叩き込んでおかないと、気を抜いて食べた時の衝撃が大きいのである。あ、でもこれはたしかに甘いけど許容範囲内ですね。何が使われているのかわからず何度も試したくなる、とか思うとじつは業務用だったりする。

20181103155044c2e.jpegこの店がそうだというわけではありませんよ。これは**を使っているな、とはっきりわかる味付けではなく、不思議な味わい。でも塩分濃度はそれなりに濃いので全部飲み切りは自分にはアウトでしょう。麺を持ち上げ、なんだか固まっているようなのでまた戻してスープの中でほぐして再び持ち上げてみる、という作業をしながら食べるのも面白い。

麺とその他固形物を一通りさらってしまうと、お腹いっぱいになって550円を支払い、満足した気持ちで店を出た。いつもの炒飯はなくてもいいのか、という声が聞こえてくるのだが、これでいいのだ。この店は心の友というか最後の砦(?)として残しておきたい気がする。いまどき流行の「ラーメン」ではないが、私はこっちのほうが好きである。


【付記】
⚫︎ 最後の画像にあるように、ただのラーメンに漬物が付いてくるのは不思議なことかもしれませんが、これが秋田流なんですね。大根の漬物ですがたぶん「べったら漬け」のようなものではないかと。まさかラーメンに合わせるわけには参りませんのでとりあえず放置。食後、抹茶入りのお茶を飲みながら、ぽりぽりかじってみました。

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只野乙山

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