電気鍋、大活躍す

大阪の店を閉めることにした、という話を聞いた姉が、嫁ぎ先の秋田から大阪まで会いに来てくれた。2016年6月末ごろのことである。色んな話をした後で、秋田に仕事があるから来ないか、となった。秋田で仕事があるって、本当だろうか? 全くイメージが湧かない私は、つい「いや俺、漁協とか農協とか絶対無理、無理だからね」と言ってしまった。なぜ秋田=漁協とか農協になるのかわからないけど、思いついたのはそれだった。

そういうのじゃなくて、男鹿温泉郷でホテルの仕事を募集しているみたいだよ、一度ウェブサイトを見てみたら、と姉は言う。そうか、それなら自分でもできるかもしれない、何しろ体力には自信がないのだ。たぶん平均的男性の体力以下じゃなかろうか。いい歳をしていて、身体は(心も)ズタボロに近い状態。そんな私にやはり漁協とか農協は無理なのだ。

聞けば男鹿温泉郷は辺境の地で、周囲にコンビニ店もなく、自動車なしでは生活するのに不便な所らしい。だけど寮があって三食付きだと言う。Wi–Fiも使えて、生活費はほぼゼロに近いものだ、と。しかも正社員として雇ってくれると言うではないか。なんかものすごく良さげに思えるんですけど……色んなことを考えたけど、秋田で暮らしてみるのも悪くなさそうじゃないか?

と言うわけで、現在(2017年)のところ、会社の寮で寝泊まりしている。そんなに広くはないけれど、空調付きの個室が与えられている。冷蔵庫、トイレ、風呂は共同だが、ホテルのシーズン中は温泉に入ることができる。殆どの所有物を処分してしまったけれど、スノコとマットレスを貸してくれたので、暑い季節に移り住んだ頃は本当にちょっとした服とタオルケットなんかがあれば良かった。

ところがやはり北国である、夏の終わりが比較的早く感じられるものの、まだいける、と言う感じの日々が続いたかと思うと、突然冬がやって来るのである。11月中頃にはコタツの用意をしないといけないのだ。姉に古くなったコタツを譲ってもらい、発熱ユニットが付いていないからHomacという大型店で断熱シートと電気カーペット、座椅子なんかを買ってコタツにした。

ホテルは12月の終わり頃に営業を一時停止して4月まで休館になり、調理場の人たちは暖かい地のホテルに出張研修するため出発した。ホテルってふつう年中無休でしょ?という声が聞こえて来そうだが、温泉郷へのアクセスはほとんどが車である。ところが「なまはげライン(ロード)」という最短アクセス道路が雪や雨で凍結した時、本当に運転するのが恐ろしいほどで、地元の人にはよく知られている事故多発地帯なのである。

さて、賄い料理を作ってくれる調理場の人たちがいなくなった場合のことを見越して、電気鍋をネット通販で買っておいた。これは「深い鍋状になったホットプレート」みたいなもので、付属品を使って「煮る(炊く)」「蒸す」「焼く」「揚げる」をこなせるマルチ・クッカーである。さすがに揚げ物はやらないとしても、かなりのことができそうである。

私にも出張研修の命が下され、秋田市内の某食品工場で作業員として勤務することになった。車で通勤するのだが、帰り途、スーパーマーケットで途中下車して皆で買い物を済ませる。鶏肉、豆腐、白菜、えのき茸、水菜、とくれば、いつもの乙山流横着鍋である。ヒガシマルうどんスープを棚に見つけた時、嬉しくて二つも掴んでしまいましたよ。

寮のお風呂を済ませた後、コタツ上にて一人鍋を開始する。カッティング・ボード(まな板)がないから全ての食材をキッチンはさみ(および多機能ナイフ)にて切断、鍋に投入する。出汁はもちろん、ヒガシマルうどんスープを薄めに溶いたもの(一袋に対して水350ml前後)で、器に取ったら少しだけポン酢を垂らして食べる。

いやはや、なんともこれは生き返りますなあ! ずっと賄いご飯を食べていた者からすると久しぶりの温かい自炊飯。腹の具合によってシメをうどんにしたり、ご飯で雑炊にしたりするんだけど、シメを明朝に回して、朝ごはんを雑炊にするってのもなかなか乙なものでござんすよ。米を洗って穴開きボウルに取っておき、朝粥を作るのも良い。

ラーメン鍋ってのもちょっと良いものでしてね、好きな即席めんのスープを半分くらい使って好きな具材で鍋を作って食べるんですが、具がある程度減った段階で即席めんを投入するもよし、食べてしまってから即席めんでシメるのもよし。自分の好きな即席めんで鍋ができるってのも良いですよね。

この手の製品はやっぱり即席めんを作るためにあるようなもので、早速やりましたよ。最近なぜか醤油ラーメンが好きになってしまって、トップバリュあたりの5袋入りパックを買い込んでしまったわけです。えっ、味はどうだって? そんなものアナタ、電気鍋を使ったからといって、即席めんの味が格段に良くなるとか、そんなわけないでしょ?

電気鍋でご飯を炊くこともできる。一人分=米100gとして、面倒くさいから米200gを炊いて、半分だけ食べて残りは食品用ラッピング・フィルムで包んで冷蔵庫に放り込んでおきましょう。後日、レトルトカレーと食べるんですが、この時でも電気鍋でカレーを温めておき、ご飯は電子レンジで加熱する。できるだけ安くてうまいレトルトカレーを入手できれば最高ですね。

てなわけで、電気鍋を買っておいて本当に良かった。これのおかげで秋田の寒い年末と正月を乗り越えることができた、といっても過言ではない。後もう一つ、あれば良いなと思うのが「熱風オーヴン」かなあ。これがあれば、かなり料理の範囲が広がりそうな気がする。ミートパイとかアップルパイ、スポンジケーキ(やるのかよ?)、グラタン類、そして「油を使わないフライ」などができそうだ。


【付記】
⚫︎ 電気鍋を買っておいて大正解でした。電気鍋(グリル鍋)といってもいろいろ製品がありますので選ぶのに迷うかもしれません。すでに生活を確立なさっている方には無縁の内容かもしれませんが、6〜8畳程度の部屋で、電気は通っているけど……という単身者向けの内容でした。


関連記事
スポンサーサイト
プロフィール

只野乙山

Author:只野乙山

⚫︎ できれば「只野乙山=ただのおつざん」とお読みくだされば、と思います。

⚫︎ 文字中心のウェブログ。ほとんど一話完結で、どの記事をご覧になっても楽しめ(?)ます。文字数だけなら一冊の本に匹敵(凌駕?)するほどありますので、ごゆっくりどうぞ。

⚫︎ 下の「全ての記事を表示する」をクリックすると、全記事のタイトル一覧が出ますので過去記事を参照することができます。

全記事表示リンク

全ての記事を表示する

カレンダー
01 | 2017/02 | 03
- - - 1 2 3 4
5 6 7 8 9 10 11
12 13 14 15 16 17 18
19 20 21 22 23 24 25
26 27 28 - - - -
最新記事
最新コメント

openclose

最新トラックバック
カテゴリ
検索フォーム
RSSリンクの表示
リンク
QRコード
QRコード
メールフォーム

名前:
メール:
件名:
本文:

アーカイヴ

2017/11 (6)

2017/10 (9)

2017/09 (9)

2017/08 (8)

2017/07 (9)

2017/06 (9)

2017/05 (9)

2017/04 (8)

2017/03 (9)

2017/02 (4)

2017/01 (1)

2016/06 (1)

2016/05 (13)

2016/04 (13)

2016/03 (20)

2016/02 (10)

2016/01 (11)

2015/12 (10)

2015/11 (10)

2015/10 (11)

2015/09 (13)

2015/08 (10)

2015/07 (11)

2015/06 (10)

2015/05 (10)

2015/04 (10)

2015/03 (11)

2015/02 (9)

2015/01 (11)

2014/12 (9)

2014/11 (10)

2014/10 (11)

2014/09 (10)

2014/08 (10)

2014/07 (10)

2014/06 (10)

2014/05 (11)

2014/04 (10)

2014/03 (10)

2014/02 (9)

2014/01 (11)

2013/12 (9)

2013/11 (10)

2013/10 (10)

2013/09 (10)

2013/08 (11)

2013/07 (10)

2013/06 (10)

2013/05 (10)

2013/04 (10)

2013/03 (11)

2013/02 (9)

2013/01 (11)

2012/12 (9)

2012/11 (10)

2012/10 (11)

2012/09 (10)

2012/08 (10)

2012/07 (10)

2012/06 (10)

2012/05 (11)

2012/04 (10)

2012/03 (10)

2012/02 (10)

2012/01 (9)

2011/12 (9)

2011/11 (10)

2011/10 (10)

2011/09 (10)

2011/08 (10)

2011/07 (9)

2011/06 (9)

2011/05 (10)

2011/04 (8)

2011/03 (8)

2011/02 (12)

2011/01 (12)

2010/12 (12)

2010/11 (13)

2010/10 (15)

2010/09 (15)

2010/08 (14)

2010/07 (16)

2010/06 (17)

2010/05 (21)

2010/04 (18)

2010/03 (20)

2010/02 (23)

2010/01 (27)

2009/12 (27)

2009/11 (27)

2009/10 (26)

2009/09 (24)

2009/08 (19)

2009/07 (21)

2009/06 (30)

2009/05 (26)