辛さ、飲み口、申し分なし 「本醸辛口 土佐鶴」

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高知の酒として以前「酔鯨 純米」(記事 ≫)と「豊麗 司牡丹 本醸造」(記事 ≫)を書いたが、この「本醸辛口 土佐鶴」もとても旨い高知の酒だ。いつも買い物や仕事帰りに利用するコープこうべ(生協)には土佐鶴の普通酒しかなかったはずなのだが、そのときはどういうわけか本醸造の土佐鶴が置いてあって、半ば衝動的に買ってしまった次第。

一口含んで「おっ」と思う。たまに飲む土佐鶴の普通酒と比べて軽みがあり、香りがよい。うーん、これは旨いなあ。土佐鶴のホームページによると「日本酒度:+10 (標準) 酸度:1.4 (標準)」で「伝統の辛口造りと本醸造を巧みに調和。辛口特有のさわやかな香りと本醸造の切れ味が旨さの秘密です」とある。

いつものことだか「日本酒度」は何のことかよくわからない。値段のことを考えるとこれは本当によくできた酒というべきで、ふだん飲んでいる酒が手に入らなかったらこれでじゅうぶんじゃないかと思うくらいの出来のよさ。「久保田 百寿」も「本醸辛口 土佐鶴」も晩御飯と一緒に飲むには本当にいい酒だ。悩ましいなあ。こうなったらいつもの酒とあわせて三本、常備しておこうかな、なんて思ってしまう。

私(乙山)にとって土佐鶴は、以前大阪に住んでいたころに出会った酒だ。
JR大阪環状線に寺田町という駅があり、その高架下に小さな居酒屋風の店があって「南国」という看板が出ていた。その看板を見ただけで、その店が高知あるいは和歌山にゆかりがあると予想がついたので思い切って入ってみた。

まあいってみれば焼き鳥屋なのだが、食べてみて驚いた。とくに「きも」が鮮度がよくて抜群においしかったのだ。そのほか特筆すべきは合鴨料理があることだ。合鴨つくねも脂が乗ってうまいし、合鴨ロースのたたきはそこに行けば必ず注文した。

その店に「土佐鶴」の古めかしいポスターが貼ってあるのに目がついて、ビールを追加するのをやめ、土佐鶴を頼んだ。ちょうどそのころ、私は近所の地酒を出す居酒屋に足繁く通っていて、日本酒のよさを教えてもらった。その地酒居酒屋のことはここでは詳しく書けないが、そこで私は「酔鯨」を知り、「写楽」や「見返り美人」を飲ませてもらった。

土佐鶴はいい酒だった。「南国」へ行けばまずビールと焼き鳥を楽しみ、つぎに土佐鶴に移って合鴨ロースなんかをつつきながらのんびり飲むのが本当に好きだった。店主も寡黙な人で、私もあまりしゃべらなかったせいか、あまり店主の人となりについて書けることはないけれど、いい男だと私は確信している。

だから土佐鶴を飲めば、あの大阪・寺田町の店「南国」の店主やおいしかった鶏料理のあれこれを今でも思い出す。
なんだかんだいって、もう十年近く行っていない。今もJR寺田町駅の高架下に「南国」はあるのだろうか。あってほしい、と心から思う。もう一度、あのおいしかった「きも」や合鴨ロースのたたきを食べてみたいのだ。もちろんそのときは「土佐鶴」を飲みながら、ということになるに決まっている。


【付記】
● 土佐鶴のホームページを見ると「酔って候 純米土佐鶴」というのもあるようです。ううむ、「酔って候」か。ちょっと飲んでみたくなるではありませんか。

● 本記事で言及した「地酒の居酒屋」は「あっぷる」という名前の店でした。残念ながら、何年か前、その付近を歩いていたところ、お店がなくなっているのを見かけました。店主は本当にいい人で、乙山はその人に酒を教えてもらったようなものです。「写楽」や「見返り美人」の入手困難さを思うと、本当に幻のような体験をさせてもらいました。「あっぷる」の店主がどうしていらっしゃるか、ご存知の方はお知らせくだされば幸甚です。
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