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豆腐とニラの炒め物(『おしゃべりクッキング』より)

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幼少の頃、大人たちが晩酌の時に毎日のように冷奴を食べるのを見て不思議に思った。なぜいつも豆腐を食べるんだろう、と。だが今や私も豆腐なしではダメなようになってしまった。コレステロール値が高く、しかも高血圧を抱えている以上、高タンパク低脂肪の食事にしないと具合が悪いのである。

具合が悪いといっても自覚症状はほとんどないのが問題で、何かあった時は本当に恐ろしいことになる。だから何らかの方法によりできるだけ未然に防ぐことしかない。医者から食事制限は指導されていないけど、自主的にそれに近い食事にしたほうが良いと思う。というわけで豆腐の登場というか連発になるのである。

豆腐にしょうゆをかけただけで食べられて、しかも飽きないのにはつくづく感心する。仕事の都合で夜10時を過ぎてしまった時など、QBBのプロセスチーズと豆腐だけで晩酌(夕食)を済ませることもあるくらいなのだ。休日の昼など、スティック状に切ったキュウリと冷奴でビールをやることもある。

そんなわけで豆腐を常備しているが、ある日〈GYAO!〉で『上沼恵美子のおしゃべりクッキング』を見ていると、これはもう真似するしかない豆腐料理ではないか。ニラと豆腐の炒め物で、材料は豆腐、豚挽き肉、ニラだけ。豆腐は常備しており、豚挽き肉はストックがあるので、ニラさえあればできる簡単料理である。

豆腐は水気を切っておき、平たい四角に切り分け、バットなどに並べてしょうゆを染み込ませておく。フライパンに油を入れ、豆腐を入れて両面に焼き色がつくまで炒め、いったん取り出しておく。再びフライパンに油を入れ、生姜、ニンニクを弱火で炒めて香りを出す。その際、ニラの根元の硬い部分も一緒に炒める。

あれば好みで唐辛子の輪切りを入れると良い。豚挽き肉を入れ、ある程度火が通ったら豆腐を戻し、さっくり混ぜ合わせるとニラを投入する。1人分だとニラ半束が適量だが面倒くさいので全部入れてしまおう。合わせ調味料(同量のしょうゆ、酒、そして砂糖を一つまみ、ゴマ油)を加えて強火で全体を混ぜながら炒め合わせると完成です。

さて料理ができましたよ。自己流の改変をほとんどしていないので、味はバッチリですね。今回は豆腐200g、豚挽き肉50g、ニラ1束でやりましたが、2人以上で食べるときは豆腐1丁、豚挽き肉100g、ニラ1束でいくと良いでしょう。写真を見ると、さすがにニラが多すぎるのがわかりますね。でも美味しいのでニラを食べ切ることができますよ。


【付記】
⚫︎ 麻婆豆腐とならんで、豆腐料理の定番となりそうです。またかよ感(?)が出がちな麻婆豆腐と比べ、シンプルな味付けだけに飽きが来ないのが特徴で、毎日食べてもいい感じです。冷蔵庫に残り続けるのが嫌で使い切っていますが、1人分=ニラ半束が適量です。

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ニラと豚レバーだけのニラレバ炒め

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秋田市内(河辺と雄和地域を除く)に住む中華料理好きで、〈盛〉(さかり)を知らぬ者はあるまい。八橋(やばせ)にある中国料理店で、駅近とか盛り場にあるわけでなく、ランチのみの営業なのに、いつ行っても長蛇の列ができているという。私も姉から聞いて知っていたが、自分一人で行く気にはなれなかった。

だって「行列のできる店」でしょ? 私、行列に並ぶ気にはどうしてもなれなくて、それを見た瞬間、いかなる店であれパスしてきた。いつだったか、姉も私も無職で暇だった(おいおい)から、昼に落ち合ってランチでも食べることになった。何を食べるかは姉に任せている。彼女の方が秋田に詳しいし、間違ったことは一度もないのである。

今日は〈盛〉に行ってみようか、という。私は反射的に腕時計を見たが、今から行けばガチのランチタイムではないか。でもその時は、〈盛〉がそれほど繁盛しているのを知らなかったため、反対しなかった。行けば、本当に行列ができていた。まだ寒い時期だったため、コートのポケットに手を突っ込んで待つ、待つ、ただひたすら待つ。

いやね、見た瞬間私は「あ、無理。他でもいいよ」って言ったんだ。でも姉は、せっかく来たんだから盛で食べよう、と譲らない。意志の強いひとなんだね。でもそのおかげで、〈盛〉のニラレバ炒めを食べることができた。メニューは少なく、価格はかなり高めだけど、一度食べたらおわかりになると思う。町の中華料理屋さんとは違うんですね。

普通の中華料理店なら、モヤシとか玉ねぎをたくさん入れてあって、ニラの量が少ないのが当たり前になっている。でも〈盛〉は豚レバーとニラだけのニラレバ炒めなのだ。ご飯とスープが付いた「定食」で1000円を超えていたけど、今まで食べたどの中華料理店より旨かった。神戸の中華街と比べても、である。

某日、アマノで買い物をしている時、産直コーナーでニラを見つけた。なんと2束88円である。早速買い物カゴに入れたのだが、その瞬間、〈盛〉のことを思い出し、精肉売り場まで行って豚レバーを買ったことは言うまでもない。ニラ1束丸ごと使った、豚レバーとニラだけのニラレバ炒めを作ってみたくなったわけです。

作り方はいたって簡単で、先だって記事にした土井善晴先生の「豚レバーの生姜焼き」の最後にニラを入れて炒め合わせるだけ。ね、ほんまに簡単でしょう、これやったら面倒くさがりの人でもさっと作れますよ、である。私のは面倒くさがりさんのためのレシピをさらに簡略化した、横着者が聞いて呆れるレシピだよね。

さて料理ができましたよ。食べてみると、そこそこうまいじゃありませんか。しかも本当に豚レバーとニラだけというのが嬉しい。味は〈盛〉に遠く及ばぬのは当たり前、こんな与太者がテキトーに作った料理が店よりうまかったら、店、潰れますよ。でも、いいんだ。自己満足のためにやったんだもん、これで満足ですよ。


【付記】
⚫︎ 豚レバーだけでも美味しいですし、ニラが安く入手できた時はぜひニラレバ炒めをやってみるのをお勧めします。産直コーナーは、たまにこうした掘り出し物があるので、通るたびにチェックしています。

青菜炒め

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日本の中華料理店ではほとんど見かけないが、大陸系中華にはわりとあるのが「青菜炒め」である。これは青梗菜だけを炒めた料理で、たいへんシンプルなのだが意外とおいしい。店によって多少違いはあるけれど、たいてい塩味であっさりした味付けになっている。今回は、これを家で何とかできないか、ということで取り組んでみた。

といっても、用意するのは青梗菜だけ。まったく気負う必要のない簡単料理である。専門店では葱やニンニク、ショウガなど香味野菜を炒めて香りを出すようにしているが、その必要もないと思う。粉末鶏がらスープと酒、とろみを付けるための片栗粉も必要だ。青梗菜は軽く洗って青菜の部分と根本の白くて太い部分に切り分ける。分量の目安は、一人前=青梗菜一株だろうか。

これは一枚ずつ剥がしていってもよいが、根元の芯も火を通せば食べられるのでそのまま包丁で縦に切る。専門店でもそんなふうに調理しているのを見たことがある。これを、別の鍋で軽く湯通ししておく。沸騰したお湯に塩と油を適宜入れ、そこに青梗菜の根元を入れて軽く火を通す。そんなに長時間ぐつぐつ煮込む必要はなく、2分前後でいいのではないかと思う。

フライパンにごま油を入れ、湯通しした青梗菜の根元を先に入れて軽く炒める。残りの青菜も入れ、全体に油が回るようにするが、青菜はすぐに火が通るから本当にさっと炒めるくらいで良い。酒に粉末鶏がらスープを溶いたもの(40ml前後)を振りかけ、さらに炒める。ここで味を見て、もし味が足りないようなら塩を入れて調味する。好みで醤油を入れてもいいが、塩味だけのほうがそれっぽい。

酒は安物の日本酒または料理酒を使っているが、紹興酒(老酒)があるといかにも中華料理らしい感じになってくれるので使ってみることをお勧めする。味が決まると、最後に水溶き片栗粉で軽くとろみを付けていく。水気が少ないので、一気に入れるとあっという間に固まって面白くないので注意が必要だ。心もちゆるめに溶いた片栗粉を少しずつ入れて様子を見ながら仕上げていくのがいいだろう。

さて料理ができましたよ。今回は麻婆豆腐を作った後で続けざまに作ったが、案外さくっとできるのでそんなに時間がかかるわけではない。マーブル加工のフライパンでちんたら作ったわりにはなかなかそれっぽい味になっているような気がする。強火で中華鍋を使い、香味野菜と紹興酒、オイスターソースも使えば専門店に近い味わいにすることもできるように錯覚するが、それはなかなか難しい。今回のような単純な料理ほど、専門店の味に近づけるのは困難なのである。


【付記】
● ど素人が開き直って作った料理ですから、大した味がするわけがありません。ですが、どうして、なかなか旨いではありませんか。素人家庭料理なのですから、これは食べるの無理、というのでない限り、それでいいのだ、ということにしておきましょう。


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本当に焼いた焼きそば

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家庭で焼きそばを作る場合、肉や野菜をフライパンで炒めたところに蒸した麺を入れて仕上げると思う。そのまま炒めてもいいだろうし、人によっては酒などを入れて蓋をして蒸し、最後に調味料で味を調えるのではないかと想像する。もちろんそれは焼きそばなんだけど、焼きそばというより「炒め合わせそば」というほうが実際に近いのではないだろうか。

上述の方法で作ると、ときに麺が柔らかくなりすぎることがあると気付いていた。もしかすると、大きな鉄板の上で両手にコテを持って作る屋台の焼きそばのようにうまくいかないのと、何か関係があるのかもしれない。だれでも簡単にできる焼きそばなのだが、店の焼きそばのように美味しくできた記憶がない。ああ見えて、じつは難しいのが焼きそばなのかもしれない。

YouTubeで何かの料理番組を何気なしに見ていると、焼きそばをホットプレートで作るとき、野菜と肉を炒める横で麺も焼いていたのを見た。なるほど、そういうやり方もあるんだなと感心し、自分も焼きそばを作るときに本当に麺を焼けないものだろうかと腐心していた。五目あんかけ焼きそば(什景炒麺)を作るときは実際に両面焼きにするのだが……

あんかけ焼きそばの麺を両面黄金に仕上げるにはかなりの量の油が必要である。先に麺を焼いてから中華あんを作る手間もかかるし、同時にするならフライパンが二つ必要になるのでどうも気が引けてしまう。何かいい方法はないものだろうか。たとえば油を控えめにしてフライパンも使わないで焼く、などとという裏技ができればたいへん都合がいい。

フライパンを使わないというところで、魚焼きグリルを活用することを考えた。魚焼きグリルで麺を焼くのは全然合ってないような気もしないではないが、できぬわけではない。魚焼きグリルを予熱している間に麺を袋から出し、別のビニール袋に入れる。そこに油大さじ一杯程度を加え、麺をほぐしながら全体に油を絡めておく。金属の平皿か、なければアルミホイルの上に麺を広げてグリルに入れる。

ReallyRoastedNoodle02.jpg時間はわりとかかる。写真一枚目は実際に焼いてみたところだが、片面4~5分くらいだろうか。好みの焼き色が付いたところで裏返して3~4分焼く。その間に豚肉をフライパンで炒めておき、火が通ったらいったん火を止めておけばよい。麺が焼けたらフライパンに入れ、軽く塩・コショウで味付けをし、葱も投入して最後の調味は酒と醤油で行った。好みで焼きそばソースを使えばいいと思う。

すべての具材に火が通っているので最後は調味料を麺全体に馴染ませるのが目的で、フライパンで麺を炒める必要はない。さて、「本当に焼いた焼きそば」ができましたよ。具材は豚肉と葱だけで作っているが、冷蔵庫に他の物がなかったというだけの話で、好みで何か入れるといいのではないかと思う。で、その味は……というか、決定的な違いは「噛み応え」とか「歯応え」じゃなかろうか。

ふつうに炒め合わせただけの焼きそばは麺が柔らかめに仕上がるのに対して、本当に焼いた焼きそばは噛み応えがじつによい。ただ、グリルで焼くときに水分もわりと飛んでしまうようで、いささかパサつく感じがする。このあたりは好みが分かれるところじゃないだろうか。なので万人にお勧めするわけにはいかないが、硬めの麺が好きな人や歯応えを重視する人は、まるで別の物を食べているような感じがするに違いない。


【付記】
● 本当に焼いた焼きそば、なかなか面白いものでした。ですが「段違いのうまさ」とか「従来とは一線を画す」などと言えぬところがあって、手間がかかるわりには大したことないじゃないか、と感じる人もいるのではないかと想像します。一度騙されたと思ってなさってください。すると、騙されたことにお気づきになるはず(おいおい)です。

ぱさっとした感じが苦手な方は、めんと具材を最後に合わせる段階で酒とか鶏ガラスープなどを加えて「水をもどしてやる」ことで解決するのではないかと思います。


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豆苗とベーコンの炒め物

FriedTomyoWithBacon.jpg
以前、大阪は上本町の〈大阪王将〉で「豆苗(とうみょう)炒め」というものがあるのを見たことがある。これはグランドメニューには載っていない料理で、その店舗独自の料理のようだ。画像を見ると、かいわれ大根を大きくしたような感じの野菜で、なんだか良さそうに見えた。ちょっと気になってはいたんけれど、実際に料理してみることはなかった。

ウィキペディアで調べてみると、もともと中華の高級食材だったらしい。エンドウ豆の若菜を食するのだが、収穫量と時期が限られているので一部の高貴な人しか食べることができなかったという。今は、植物工場で水耕栽培されているので年間を通して安定供給が可能になっており、気候に左右されぬので価格もほぼ一定であるのもうれしい。栄養価も高いようである。

某日、近所の業務用食料品店で豆苗を見かけたとき、一度試してみるか、と買い物籠へ入れた。豆苗の袋には「豆苗のおいしい食べ方」として「豆苗のニンニク炒め」が推奨されている。なるほどニンニクと一緒に炒めるのは悪くなさそうだ、しかし匂いが強烈に出てしまうことを考えて却下。ふだん晩酌は遅い時間になることが多く、たとえば夜の11時頃にニンニクの匂いを周囲に拡散するのは避けたいところだ。

ニンニクや生姜を一緒に炒めるというのは香りを付けるためだろう。だったら、何か香りのあるものを一緒に炒めたらいいではないか。豆苗だけ、という潔さにも惹かれたが、今回はベーコンと炒めてみることにした。業務用食料品店ではスライスベーコンが大量パックで売っている。これを細切りにして冷凍用保存袋に入れ、空気を抜きながらまんべんなく広げて薄くなるようにして冷凍する。

冷凍できたら凍ったまま袋をねじったりするとばらけて使いやすくなる。必要分だけ取り出してそのままフライパンに入れるのもいいし、そのまま放置しておけば自然解凍するから、それをさらに細かく切ってチャーハンに使うこともできる。本当は、リアルベーコンを作ったほうが断然美味しいに決まっているが、燻製器を使うと誤解される恐れもあるので断念している。

今回は一応「中華風」ということになるんだろうか。中華鍋(フライパン)にゴマ油を入れ、豆苗とベーコンを炒める。ある程度油が回って炒めたら、酒を振りかけて蓋をして蒸し焼きにする。豆苗は生のままでも食べられるそうなので、あまり炒めすぎない方がいいという向きは蓋をしないで強火で短時間にて仕上げるほうがいいかもしれない。

調味は顆粒状の「鶏ガラスープ」をほんの少し、胡椒も少しだけ。顆粒状の鶏ガラスープがない場合、塩と醤油を少しにしてもいいかもしれない。ベーコンにも塩味が付いているので、塩を振りすぎると取り返しがつかぬことになるので注意が必要である。色々と中華の調味料があるけれど、結局これは塩味だけの料理である。

さて料理ができましたよ。まだ暑さが少し残っているのでここはビールと合わせた。食べてみると、なるほど、豆まめしい(?)香りがするなあ。これはエンドウ豆の匂いだと思うが、ベーコンと合わせて正解だったように思う。豆まめしい匂いはするけれど、苦みなどの癖はほとんどないので生でも食べられるというのは本当だと思う。

雨の影響で野菜が高騰している。なので気候に影響されぬ豆苗はかなり役に立つのではないかと思う。何だかモヤシのような青菜だけど、けっこうおいしいのである。冷凍のカットほうれん草ともども、私(乙山)を助けてくれる豆苗だが、なんと「再収穫」できるそうではないか。根元の部分を捨てずに、トレイに移して水を入れ、ベランダにそっと置いておくことにした。


【付記】
● 豆苗が再収穫できるというのは本当で、約一週間でなんだか「収穫」できそうになりました。これならもう一度できるのでは、と思ったのですが、さすがに「再々収穫」は難しいようです。


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只野乙山

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⚫︎ できれば「只野乙山=ただのおつざん」とお読みくだされば、と思います。

⚫︎ 文字中心のウェブログ。ほとんど一話完結で、どの記事をご覧になっても楽しめ(?)ます。文字数だけなら一冊の本に匹敵(凌駕?)するほどありますので、ごゆっくりどうぞ。

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