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ホワイトホース(2018年)

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もう一度、東北ハムの赤ウィンナーを食べたいなと思ってドジャース男鹿店へ赴くと、酒売り場にホワイトホースが何と798円で売っているではないか。誰かこの手を止めてくれ、と思うのだが半ば衝動的にホワイトホースは買い物カゴに収まっていた。何でその値段で売っているのか不明だが、かつてこの酒は3000円以上していたはずである。

しかも名前の通り白馬が草原を疾走する映像とともに「スコッチらしいスコッチを飲みたい」などという文言も流れるテレビCMもあったほどだ。カティ・サークも昔は盛んに宣伝していたもので、バランタイン・ファイネストなどと並んでちょっとした高級酒扱いだった。798円で買える感覚からすると信じられないかもしれないが本当のことだ。

ところが、シングルモルトに人気が出るとブレンデッド・スコッチの人気に陰りが見え出した。オーディオでもその傾向があると思うけど、「混じりけがない」とか本当に好きだもんな。日本酒でも「純米酒以外は認めない」とかのたまう御仁がいるが葵の紋章じゃないんだよ? もう信仰になってるけど、どうも本気なんだもんどうしようもないやね。

それはさておいて、ラガヴーリンの12年程度熟成原酒が市場に出回っていないのはスコッチ好きにとって周知の事実だったように思う。現在どうなっているのか知らないけど、大阪にいた頃バーで教えてもらったのである。ではラガヴーリンがどうなっているのかというと、ホワイトホースに回っているのだそうだ。

ブレンデッド・スコッチの有名どころでは蒸溜所と契約を交わしていて、自社のブレンド用原酒を確保しているわけです。バランタインなんかそうだと思うけど、そのせいで一般には全く認知されていない蒸溜所がいくつかあるんじゃなかろうか。ごく稀に「**蒸溜所のシングルモルト限定販売」なんてあるからびっくりするよね。

では飲んでみますか。ちょっと寒くなってきたんでストレートで。ハイニッカだってストレートでやれるんだもん、ホワイトホースでやれないわけないでしょ。なるほど、モルト由来の甘みがしっかり来ますね。ハーブを思わせる香り、そして泥炭臭は非常にデリケート。あるのはわかるんだけど、抑えられている感じがする。

これだと、明らかにエンシェント・クランとかティーチャーズ、あるいはベルなどのほうが泥炭臭が強いんじゃないかな。でも喉にくるキックはわりと強くて、ハーブの香りの中にほのかに混じっているピートが後を引く。全体的によくできた仕上がりで、これを飲んだ後でバランタインのファイネストと比べると面白いでしょうね。

まさにど真ん中あたりを突いてきている感じであるが、人によってはもう少しピートが効いているほうが……とか思うかもしれない。なのでピート香が好きな人はパスしたほうがいいかも。でも昔の「スコッチらしいスコッチ」というのは今でも通用する気がする。瓶詰め業者が各々「ブランド」を利用しつつ再興を探っているのが楽しみでもある。


【付記】
⚫︎ ブレンデッド・スコッチの人気低迷に伴い、ホワイトホースも迷走している感じがしないでもありませんでした。日本だけでなく、スコットランドにおいても「中身が変わる」のでしょう。ワインでいえば「同じ中身はできない」ということでしょうか。

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2018年のハイ・ニッカ

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某休日、レンタルメディア店にCDを返しに行ったついでにアマノに寄った。久しぶりにブラックニッカ・スペシャルでも飲もうという気分である。ウィスキー売り場に行くと、ブラックニッカ・スペシャルの横にハイ・ニッカが置いてあるのだが、値段を見ると、どういうわけかハイ・ニッカに高値が付いている。

ブラックニッカ・スペシャルが1100円なのに対して、ハイ・ニッカは1180円なのだ。たった80円の違いではあるが、そもそも両者はランクの違う部類に属しており、サントリーで例えると、トリス(またはレッド)が角瓶より高値が付いているようなものじゃなかろうか。もっともブラックニッカ・スペシャルがこの値段で買えるのはアマノだけなんだけどね。

心はすでに決まっていたのに、なぜかブレが生じている。もしかしたら、ハイ・ニッカには何か特別な改変でもあったのかもしれない。以前よりかなりおいしい出来になっていて、知っている人だけがその幸せを味わっているのではないか……そんな妄想が頭をもたげてきたのである。ただのハイ・ニッカのくせにラベルまで上等に見えてくる気がする。

これはおかしい、何かが間違っている、とわかってはいるのだが、こうなった以上、とことんまで突き詰めて心のモヤモヤを晴らしたい気もする。最悪の場合でも、最低限の品質を保っているのがニッカだもの、たった80円の違いがなんだというのだ。そうしてお前はウェブログの話の種をお金で得ようとするってわけか。

これは「葛藤」レベルの話ではないですね。タワゴト、ザレゴトのレベルでありんす。アチキはね、もう実際に飲んでみるしかないと思うのね。なんでハイ・ニッカにしましたよ。ちょっと楽しみにして帰ってくると、買い込んだ食品だの酒だのを玄関先にまず置いて、車庫のシャッターを開け、車を入れないといけない。

今日は猫ちゃんいないのか、と今では少し寂しい気持ちになったりもしながら、玄関へ。鍵を開け、荷物類を入れようとした瞬間、何かの拍子で体の一部が紙パック酒に当たってしまったらしい。で、同梱しているハイ・ニッカがドミノ式に倒れてしまったんである。なんかマトモにコンクリートと中身入りのガラスがぶつかったような、静かとも言える音で。

こういう瞬間って、私、なぜか気が抜けてしまうんですよね。はっとしてハイ・ニッカを取り上げると、瓶の上部が破損してウィスキーが流出している! どうも20パーセントほどの損害で食い止めることができたようだが、さっそく空いたスコッチの瓶に移し替えた。写真は無残だけど、典型的な只野乙山的現象の結果なので受け入れるほかない。

さて飲みますか。まずはストレートでとか、するわけないじゃんね。本来これはそういう酒じゃないんだから。ソーダ・ハイボールと参りましょう。ブラックニッカ・スペシャルのような華やかな香りや甘さはない。ではモルトはどうかというと、〈ピュアモルト〉を知っている人には話にならないレベルである。

ではなぜハイ・ニッカが高いのかというと、それは酒税法上で仕方ないのである。メーカーとしては500〜600円で売りたい商品だけど、そのほとんどは酒税で占められているというのが実情だ。これは焼酎にも言えることで、もっと安く売りたい(飲んでもらいたい)はずなのに、酒税法に従えば、価格が引き上がってしまうのである。

やはり自分で飲んで確かめるのが一番いいよね。これでスッキリしましたよ。でも誤解のないよう申し添えておくと、ハイ・ニッカはそんなに悪くないものです。飲み比べるとするなら、他のメーカーのものよりブラックニッカ・クリアブレンドあたりがいいでしょう。あ、でも今までの話だと、クリアブレンドの価格が説明できないんですけど?


【付記】
⚫︎ つまり税率は同等なわけですから、ある得る方法としては元値を引き下げる以外にないわけです。クリアブレンドの原価率が上昇しても、「売れ筋」で回収できるという試算でしょうか。

スーパーニッカ500ml瓶

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男鹿市脇本のマックスバリュの酒売り場を見ていると、スーパーニッカの横に並んで少し小さなスーパーニッカが置かれていた。手に取って見ると、500mlで1500円ほどである。フルボトルで2000円を超えるものでも、1500円なら買ってもいいか、という気になってしまうもので、これを人呼んで「ニッカ・マジック」という。

ご存知の方も多いと思うが、この手法は1980年代に登場したニッカの〈フロム・ザ・バレル〉や〈ピュアモルト〉に使われた。当時、サントリーオールドが2800円、リザーヴが3200円ほどしていたが、それに比べると500mlとはいえ1500円という価格設定はたいへん買いやすくお得に感じたものである。

近所の酒屋が興奮して勧めてくるほどだったニッカの新ブランドは、飲んでみると確かに上質で、これだったらもうサントリーは買わなくてもいいな、と本気で思ったくらいである。その後、酒税法改正によって洋酒が信じられない価格で買えるようになっても、ピュアモルトやフロム・ザ・バレルをわりと買って飲んだように覚えている。

今、1500円前後のスーパーニッカを前にしていると、時代が変わったんだな、とつくづく思わされる。ニッカは、オールドには〈G&G〉を当てていたので、スーパーニッカはリザーヴあたりに相当するはずで、当時のオールドより高い値段だったのではないか。まだ初心者でニッカを常飲していなかったため正確なことはわからない。

現在フロム・ザ・バレルは2000円台後半で販売されているのだろうか。品質からするとそれが適正価格だろう。そうすると発売当時、ピュアモルトやフロム・ザ・バレルは空前絶後の超破格大サービス価格だったのだ。開発秘話を聞くと、社運をかけた一大プロジェクトだったという。それを、リアルタイムで楽しめたのは幸せだったといえる。

昔話はこれくらいにして飲んでみますか。オーバー・アイスでやりますよ。なるほど、これは熟成の進んだいいグレーンを使っている。単独でグレーン・ウィスキーを出しているくらいだからね。甘く華やかな味わいが支配的で、モルトの味わいは後退している。泥炭臭はほとんどないといっていいほどで、実に飲みやすい仕上がりだ。

思うに、ブレンデッド・スコッチはグレーンをさほど熟成させてはいないのではないか。主役はあくまでもモルト、という主義を通しているように思う。そうでないと、低価格で大量の供給は実現できないだろう。対して、日本のウィスキーはグレーンまで高品質にすることによって、独自の華やかで甘い香りを実現した。

良否の話ではなくて文化の違いである。また本物偽物の話でもない。世界的に見ても、蒸留酒が泥炭臭いのなんてスコットランド産だけである。スーパーニッカを口に含んで華やかな、甘い香りにうっとりしながら、もう失われて戻ってこない何かを探すかのように、ピートの痕跡を感じ取ろうとするうちに時間が流れてゆく。


【付記】
⚫︎ 以前のスーパーニッカと比べてどうとか、そういうのはもう「なし」です。原酒不足で以前と同じ物が同じ価格でできるはずがありません。好みにもよりますが、私は悪くないと思いますし、アメリカン・ウィスキーが好きな人にもお勧めできます。

新しいティーチャーズでハイボール

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暑い日々が続いている。秋田はまだマシなほうかもしれないが、それまで冷房なしでなんとかやり過ごせるレベルの暑さだったのに、急に30度を上回る気温になるから困るのである。こうなるとビールとか発泡酒の消費が多くなるのは必定である。単純に冷たい飲み物を体が欲している結果だろう。

だから夏の居酒屋で、とりあえずビールの後にチューハイを飲む人が多いのもわかる気がする。ビールが苦手でもチューハイならいける、という人も多いのではないかと想像する。好んでチューハイを飲むわけではないが、チューハイは料理と合わせてもそんなにひどいことにはならぬようになっていて、とても上手くできているカクテルだと言える。

カクテルは飲むにふさわしいタイミングや場所、状況というものがあって、食前にはこれ、食後にはあれ、といったようにわりときっちり区分のようなものがあるようだ。たとえばジン&トニックはオールタイム・カクテルとされ、食前でも食後でも構わず飲んで良いようであるが、チューハイはそれ以上のエニィタイム・カクテルのような気がする。

ん? なんの話だっけ。別にチューハイ擁護論を展開するつもりじゃなかったんだけど? 本当(?)はね、暑いからウィスキー&ソーダでも飲もうよって話なの。あんたに言われなくてもそうしてるよ、って声が聞こえてくるんだけど、まあ良いではないか。今回は脇本のマックスバリュで〈ティーチャーズ〉を見かけたので買ってみたんです。

ボトルのデザインが変わっていますね。だが相変わらず「HIGHLAND CREAM」を謳っている。そして以前のボトルにはない「HIGH IN PEATED MALT」などどある。取扱業者が変わったと思われるので裏ラベルを見るとサントリーが関係しているようだ。つまり自社の所有するアイラ島蒸溜所のべヴィ・ピーテッド原酒を回したのかな。

つべこべ言わずソーダ割りにします。8〜10オンスのタンブラーを用意しましょう。氷を入れ、ウィスキーを注ぐと軽くステアします。冷蔵庫で冷やしておいたソーダを静かに注ぎます。ウィスキーはソーダより比重が軽いので、あまり掻き回さずとも自然と混ざります。今回はノー・ステアで仕上げてみました。

写真撮影の後、飲んでみると、あ、なるほど。記憶の中にあるティーチャーズより、ピートが効いていますね。どちらかというとピートの効いているほうといえるティーチャーズですが、もはや〈ホワイトホース〉なみというか、それ以上かもしれません。さすがに舌や喉の刺激はきついですが、ストレートで飲んでも面白いですよ。


【付記】
⚫︎ トレンドとしてピーテッド・モルトを意識したのか、かつての味わいではありませんがソーダ・ハイボールには好適といえるでしょう。ですが〈角ハイボール〉のような華やかな甘さがないのが特徴です。奥深いスコッチの甘さを味わうなら、やはりストレートか、トゥワイス・アップまでの加水で楽しむのが良いでしょう。

ハディントン・ハウス(ブレンデッド・スコッチ)

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久しぶりにウィスキーを飲んだ。何もウィスキーを断つとか、大げさな話ではなくて、会社の寮に住んでいる以上、氷を自由にできないということがあって、面倒くさいから飲まなかっただけ、というのが実情だ。この度、氷を自由に扱えるようになったからまた飲んでみようかな、という気持ちになった。

久しぶりに飲むウィスキーは何にしようか、迷うのも楽しいこと。棚に並んだボトルを見て長考するのも楽しみの一つではないかと思う。長らく飲まずにいたので別に飲みたいものもないけれど、船越のアマノでブラックニッカ・スペシャルが1100円で売っているのは知っていた。またウィスキーを飲むようになったら買おうと思っていたのだ。

でもそんなに思い入れはないんです。日本のウィスキーは原酒不足で、以前のものと違うってのは常識なのだから。それでもブラックニッカ・スペシャルが1100円で買えるのはありがたいことで、同じ店(アマノ)でハイニッカがそれより高くなってるってどうなのよ? このあたり、本当に意味不明である。

久しぶりに飲んだブラックニッカ・スペシャル、とても良かった。気のせいだと思うが、モルトが減って熟成グレーンの甘さが際立っているように感じた。そのままでも、氷に注いでも、水や炭酸で割っても美味しく飲めるのは流石であるが、どこかバーボンを思わせる甘ったるさに飽き始めたら、スコッチを飲みたくなる。

でも近所に〈やまや〉とかないし。唯一の店 nicot(ニコット)で入手できるもので妥協するしかない。で、あったのが〈ハディントン・ハウス〉である。1000円以下の低価格スコッチ。〈ティーチャーズ〉とか〈インヴァーハウス〉があってくれたらいいんだけど、無い物ねだりをしてもどうしようもないもんね。

まずはストレートで、次いでトゥワイス・アップでとか、そういうことはやりません。詳細なレポートは、味覚が確かな方がたくさんいらっしゃると思うので、そちらを参考になさってください。オーバー・アイスでやりましょうか。グラスに氷を入れた状態から香る匂いは弱く、ピート香は微弱だが、口に含むと甘みを感じる。

この甘みはモルト由来のもので、口の中で転がして最後に麦の風味に落ち着くから、安い価格とはいえ、かなり出来はいいのではないかと思う。後でストレートでも飲んでみたが、ストレートのテイスティングに耐え得るだけの力を持った一本ではないかと思う。絶賛するほどではないが、さほど悪くなく、むしろ価格を考えると良い出来といえる。

ブレンデッド・スコッチの、表面にはあまり見えない中核を味わっているような感じ。ニッカ(アサヒ)所有であるスコットランドの蒸溜所が出している目立たないスコッチにわりと似ている。若いけれど、ストレートで飲んだほうが持ち味がわかるかもしれない。ハチミツを思わせる甘さの中に、ハーヴ類の芳香もあって、けっこう楽しめますよ。


【付記】
⚫︎ 写真のグラスは飲み終わった後の残り香とか、口に含む前の香りを楽しむのにちょうどいい感じで気に入っています。大きさもちょうど良く、ストレートにもオーバー・アイスにも運用できて便利です。

プロフィール

只野乙山

Author:只野乙山

⚫︎ できれば「只野乙山=ただのおつざん」とお読みくだされば、と思います。

⚫︎ 文字中心のウェブログ。ほとんど一話完結で、どの記事をご覧になっても楽しめ(?)ます。文字数だけなら一冊の本に匹敵(凌駕?)するほどありますので、ごゆっくりどうぞ。

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