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キリン〈陸〉

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いつもよく利用している近隣の商店でなにかウィスキーを買おうと思っていたら、キリンの〈陸〉というのがあったので買ってみた。キリンといえばビールなんだけどメルシャンを合併してワイン、ウィスキーも富士御殿場蒸溜所を立ち上げて製造している。近年では〈富士山麓〉というウィスキーも中々良かったが、〈ロバート・ブラウン〉や〈エンブレム〉などいいウィスキーもあった。

そもそもがシーグラム社(カナダの酒造会社。酒造部門をペルノ・リカールに売却している)と組んでキリン・シーグラムとして発足し、シーグラム社からの原酒供給を受けて〈ロバート・ブラウン〉ができたのが1972年。アメリカの工場でブレンドされ日本に輸入した、とキリンのHPに正直に書いてある。スコッチをお手本にするというより、アメリカン/カナディアンよりのウィスキーが得意かと。

今は終売になっている〈NEWS〉や〈ボストンクラブ〉は、軽やかで華やかな味わいで、〈陸〉もその流れを受け継いでいるのかな、と思えた。が、飲んでみると意外にウィスキーっぽい(ぜんぶウィスキーなんですけど)のに驚いた。アルコール度数が50度だからかもしれないが、NEWSやボストンクラブに比べるとスコッチ寄りになっている気がする。

と言っても、富士御殿場蒸溜所のモルト原酒と外国産のグレーン原酒のブレンデッドで、比率はグレーンのほうが多い。ラベルの筆頭がグレーン、ついでモルトになっているので、正直に書いているのも好感が持てる。小さなグラスに注いで飲んでいるが、ヴァニラ香やカラメル香の甘い香りが漂ってくる。やっぱりこれがキリンのウィスキーの持ち味なんだな、と。

価格は500ml=1300円くらいで、いろんな事情があるんだろうけど、かなり強気かと思う。だってニッカの〈ピュアモルト〉シリーズが同容量で1500円だったから。1980年代と今を同列にするのもどうかと思うが、それこそ比較にならない。それだけ〈ピュアモルト〉シリーズが凄かったわけで。それらを考えると〈陸〉はいささか調子に乗っている感じがしないでもない。

何しろ日本のウィスキーの原酒不足が続いてるからね。各メーカーが増産体制に舵取りをしたかどうかわかんないし、何年(数十年?)かしたら原酒が潤沢になってまた〈ピュアモルト〉シリーズが復活するかもしれない、そんな時をじっくり待とうではありませんか。もうたぶんないかもしれない、その時をね。その頃にはもう、私は存在していないかもしれないけど。


【付記】
悪くはない、でも……な感じの〈陸〉でしたが、やはりアルコール高濃度で出しているのがいいですね。

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サントリーローヤル(2023)

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1月4日(2023年)、やっと休みになった。シフト勤務で定休はなく、人員不足に加えて諸般の事情もあり、夜勤3連続(週6勤)のあと1日休みを3回繰り返す(?)というハードスケジュールだった。正月気分を満喫することはおろか、それを楽しむ人のために奉仕する業務である。だからといって特に見返りはなく、たぶん「できればやりたくない仕事」に分類されると思われる。

だから募集しても人が集まらないんだよ。愚痴はこの辺りでやめておくとして、休みになったら何かに復讐するみたいに飲もうとする自分がなんだか、ね。いや、本当はそんなに飲まなくていいし、飲めないし(寝落ちするから)。正月用の酒として〈酔鯨〉も買ったじゃないか。でも、である。アチキはウィスキーをちびちび飲みたいの。せっかくだから少し良いのをね。

じつは正月用としてBNS(ブラックニッカ・スペシャル)を買ってあったんだけどね。ふだんBNC(ブラックニッカ・クリア)を飲んでいる者にとってBNSは特別である。ブラックニッカ・シリーズはたくさんありすぎてよくわかんないけど、いちばん好きなのはBNS。兵庫の西宮蒸溜所(今は宮城峡に移転している)で蒸留された高品質のカフェ・グレーンをブレンドされ、1965年に誕生している。

でもね。なんかこう、いかにも、ってやつをやりたいわけ。ツルハで買ったBNC紙パックもあってBNSもある。もうウィスキーはじゅうぶんだけど、サントリーローヤル(スリムボトル)を買ってしまった。2000円台後半だけど、昔は4500円くらいしたんだよ。今の人にはわかってもらえないかもしれないが、バランタイン・ファイネストとかホワイトホースが3000円以上したの。

ジャック・ダニエルとか7000円以上だったよ。ジョニー・ウォーカーのブラックレーベル(ジョニ黒)だと1万円以上してた。オールド・パーなんて買うの無理。いや、ウソじゃなくてホントの話ね。贈答用だったもん。これ全部、ブレンデッドの話で、シングルモルト云々なんて全くと言っていいほど、なかった。そもそもブレンデッドとシングルモルトの違いさえ知らなかった。そんな旧世代の、戯言ですわ。

サントリー・ローヤルを開けてオールドファッションド・グラスに氷を入れて注ぐ。飲んでみると、チョコレートのような香りとナッツが合わさったような風合い、低価格帯のウィスキーにはないリッチさがある。このナッツ感は前からあったんだろうか、とか思うんだけど、ローヤルを飲みつけているわけではないのでわかんない。ウィスキーも、微妙であるがブレがあると思う。

醸造した後に熟成を経るワインとは違って、比較的ブレが生じにくいウィスキーだと思うが、それでも差はあるので、それをいかにして「いつものあの味」にするのがブレンダーの力量によるのではないかと思う。もう「あの味」ではないかもしれないが、それでもうまい。飲まずとも、氷を入れたグラスに注いだローヤルを嗅いでいるだけでもう、うっとりする。

飲み終えた後、キッチンで何かをしているときにローヤルの余韻を感じた時「さすがだな」と思った。余韻を楽しみ味わうというのは低価格帯のウィスキーだと、そうないものだから。だけど上述したように「昔のとは違う」気がする。なんだか全体に軽い感じ。どこがどう、というのを表現するのは難しいが、やはり「違う」としか言いようがない。

もう発見されてしまったから仕方ないのかもしれないが、日本のウィスキー全体が原酒不足になっている。かつてあんなにたくさんあったラインナップから、いつの間にか姿を消した商品もある中、レッドからローヤルまで存在し続けているのが驚きだ。ただそれらは何度も書いたように昔とは違う。特にオールドとリザーヴはそうだろう。微妙に違うのではなく、物自体が違っている。

両者(に加えてローヤル)は白州蒸溜所ができる前の、山崎蒸溜所の原酒その他(ここ重要)を使ってブレンドされていたのだが、何度かリニューアルを重ねるうちに白州蒸溜所の原酒も使われるようになった経緯がある。それを良くないとは思わない。もう「そういうもの」として現在のオールドなりリザーヴ、ローヤルを楽しむというか、そうするしかないわけで。

ぶっちゃけレッド(トリス)からローヤルまでが庶民向けで、響JHとか熟成年数非記載のシングルモルト山崎や白州が中流層向け、そして山崎✳︎✳︎年や白州✳︎✳︎年、響✳︎✳︎年とあるのが富裕層というか上流層向けなんだろうね。自分は何ひとつ事を為しておらず、ちっとも偉くなっていないのに、かつてお偉いさんが飲んでいたローヤルをなんだか軽くなったな、とか思いながら飲む。


【付記】
正月だから、のローヤルですが、ふだんならオールドとかリザーヴさえ、というか「角瓶」すら中々手が出せないんですよね。だってBNCの人ですもん。

トリス・クラシック&ソーダ

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1000円以下の最低価格帯ウィスキーではBNC(ブラックニッカ・クリア)を飲むようにしている。低収入高支出の最底辺生活をしていると、1000円スコッチさえゼータク品になる。本物のビールなんてここ数年飲んだことがなく、もっぱらビール味リキュール、しかも外国産の激安品を選んでいる。もうあと少しの辛抱である。無理して借りた奨学金をやっと完済できる。

YouTubeで「女ひとり爆飲み」みたいな動画を見ていると、女性ユーチューバーがハイボールにBNCを採用しているのが確認できて同感した。BNCって、なんだかんだ言ってウィスキーらしき痕跡を残しているんじゃないかと思う。だけど彼女たちはもうすごいとしか言いようがない。飲み比べとかしたら絶対「負け」確定の気持ち良い飲みっぷりに驚かされてしまう他ない。

BNCは安いわりにいけるし、無理な作り物感がなく、ソーダ割りにすると晩酌の食中酒にできるのでリピートすることになるのだが、ほぼ同じ価格帯でサントリーの〈トリス・クラシック〉が隣に並んでいたので買ってみた。トリスの歴史は古く、昔は「トリス・バー」なるものが全国にあって、主にトリスを好きなやり方で楽しんでいたようである。

私が合法的に飲酒できるようになったのは1980年代半ばで、その頃にはすでにトリス・バーは衰退していたと思う。1970年代に流れていた「アンクル・トリス」のCMも見かけることはなく、1980年代後半にはいわゆる「オールド・ショック」があった。サントリーオールドの売り上げが急落し、それに次いで酒税法改正によって外国産ウィスキーが安値で取引されるようになった。

その際の国産ウィスキーの売り上げは落ち込み、各メーカーは増産の見送りあるいは減産に舵を切った。それが何年続いたのか不明だが、後にサントリーやニッカのウィスキーが海外のコンペティションで受賞し、国際的にジャパニーズ・ウィスキーが認められるようになるまで、だろうか。そのときのツケが、現在の原酒不足の原因といえる。

さてトリス・クラシックを飲んでみよう。まずストレートで、次いでトゥワイス・アップとかしない。写真のトリス・ハイボール、かなり濃いめになっているのわかります? もうジガー(45ml)越えてて、もしかしたらダブルに近い分量。これだから危ないんだよな。でも安いウィスキーは濃いめにしないとうまくないよね。安いからってついつい入れちゃう。

ソーダで割って飲んでみると、うむ、中々いける! 少し前に出た〈トリス・エクストラ〉よりおいしいような気がする。ひょっとするとBNCと勝負できるかも、とBNCと飲み比べてしてみると……うむ、負けてないね。BNCよりうまいと断言できないが、差し替えできるよ? 私、ウィスキーに関しては派とか党はなくて、おいしかったらなんでもいいじゃん、って感じ。

関西生まれの関西育ちなんで、サントリーに育てられたみたいなところがある。そんな関西でも「通はニッカを飲むんだよ」って教えてくれる先輩がいた。もうすでにニッカのピュアモルト3種とフロム・ザ・バレルを知っていた(というか当時住んでいた近所の酒屋さんがニッカ推しだったので教えてもらってハマった)ので、苦笑いするしかなかったけど。

昔はこういった形でのコミュニケーションがあったのね。いい意味でもその反対でも。その先輩曰く「ウィスキーが好きなら梅田新食堂街の✳︎✳︎に行ってみ。面白いのがあるから」と。騙された気持ちで行ってみると、今はなき軽井沢蒸溜所のウィスキーをショット売りしてた。飲んで驚いて、しばらく通ったりしたけど、本当にいい経験をさせてもらったと思っている。

大企業のすることって意味わかんないよね。こんだけいいウィスキーを作れる蒸溜所があるのに、買収した上で叩き潰すってどうなのよ? まさにこれから、といえるジャパニーズ・ウィスキー、蒸溜所を増設しこそすれ、実力ある蒸溜所を閉鎖してしまうなんて……軽井沢から秩父へ人が流れたと言う話も聞こえてくる。って、もう過去の話ね。

そんなことを思い出しながら〈トリス・クラシック〉ハイボールを飲んでいる。うん、悪くない。BNCと本当にいい勝負してると思う。これはウィスキーだ、と思って改めて飲むタイプではないのは言うまでもない。エステリーさとかモルト香、ピート香がどうの、とかね。ハイボールにしてから揚げとか他の何かの料理に合うかどうかを言うべきだろう。

その意味では「ばっちり」だと思う。トリス・クラシックはBNCの代替になり得るし、晩酌に用いても、単独で飲んでも「おいしい」ウィスキーだと思う。安さを売りにしている店ならベースになるかもしれない。BNCがそうであるようにね。関西では「濃いめでね」とか言う、とぼけた客がいるけど、「はい」と受けておいてマジで対応しないでね。ほんのちょっと、もう1ミリだけよ?


【付記】
そんなの、しなくてもいいの。マジで対応しちゃダメで、冗談と冗談のせめぎ合いみたいなもの。関西では必須、というかいつでも、どこでもあることでね。トリス・クラシックはいけると思いました。

ホワイトオーク・レッドのハイボール

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某休日、秋田市広面の〈天よし食堂〉でおいしいラーメンを食べた後、酒のやまや広面店に赴いた。同店では秋田ではふつう売っていない酒や食品を買うことができるので便利である。例えばもしかしたら大阪は池田の〈呉春〉とか高知の〈酔鯨〉なんかがあるといいなあ。即席めんだとマルタイラーメンとかアベックラーメンとかね。いや楽しみですね。

入店するとカートに買い物カゴを乗せて店内を見て回った。日本酒コーナーは……あれ、なんだ秋田の酒ばっかじゃん。もちろん秋田の酒でじゅうぶんなんだけど、たまには他郷の酒も飲んでみたいの。〈くどき上手〉とか〈写楽〉とかさあ。値段も思ったほど安くはなくてちょっとがっかり。そうかここはディスカウント店じゃなかったんだっけ。

でも〈酒の楽市〉が〈やまや〉に統合される前はディスカウント店ぽかったんだけどな。即席めんも半島製の激辛めんに人気があるようで、私のほしい「エースコックのワンタンメン」とかマルタイラーメンはなかった。でもマルタイや五木食品のいくつかはあった。麺が特においしい「熊出没ラーメン」もね。ちょっとがっかりしてこのまま帰ろうかと思うけど、手ぶらじゃね。

というわけでもう1度ウィスキー売り場に行ってみると、おっ、江井ヶ嶋酒造のホワイトオーク・レッドがあるじゃないか! ちょっとマイナーだけど、中々いけるんですよ。マイナーとはいうものの、ツルハドラッグでも同社の製品を買うことができるほど浸透している。むしろ国内より海外向けに商品開発してるんじゃないかって思うくらい。

それくらいジャパニーズ・ウィスキーは海外で人気がある。それに乗じて海外製のバルク・ウィスキーを仕入れて国内で瓶詰めして「ジャパニーズ・ウィスキー」として販売する業者がいるけど、あれはひどいやね。アイラモルトなんかだと全ての原材料をアイラ島で生産する、と取り組んでいる蒸溜所があるけど、なんか良いなって思う。仕事に誇りを持ってるんだよ。

反対に日本だと、どのメーカーでもモルトは輸入品を使っている。それが悪いとは思わないけど、本当にジャパニーズ・ウィスキーって胸を張りたいなら大麦栽培も国内で行うべきだよね。そうやって国内の雇用を増やしながら社会貢献するのも大企業の役目のひとつじゃないのかな。あれ、なに勘違いして社会の話してんの? あんたはただ、ウィスキー飲んで記事書いてりゃいいのよ。

そうでした。やまや広面店で購入したホワイトオーク・レッド1.8リットルPETボトルは税込1738円で、ドンキのBNC(ブラックニッカ・クリア)とほぼ同価格。ならば両者の飲み比べといこうではありませんか。ストレートとかトゥワイス・アップがどうのと、そんなしゃらくさいことはしません。水とかソーダで割って飲むのがこの価格帯のウィスキーなので。

久しぶりにホワイトオーク・レッドのソーダ割りを飲むと、確かに若干の煙臭さとウッディさがあるように思える。次にBNCのソーダ割りを飲むと、なるほど前者のウッディさと微弱なピート香はないんだけど、曰く言い難い「ウィスキーらしさ」はあると思う。微妙な差なんだが、どちらがうまいとか決めるわけにはいかなくて、それぞれの良さがあるといえる。

そもそもBNCはニッカの創設者がこだわった「ウィスキーらしさ」を削ぎ落としていろんなアテに合うよう設計されたので、いわゆる「ウィスキーらしさ」をもとめても仕方ないの。だけどそれでもウィスキーの痕跡はあるのがいいよね。一方ホワイトオーク・レッドは「ウィスキーらしさ」があって、メーカーが自信を持って出しているのはわかる。

両者とも晩酌に合わせても問題ないんじゃないかな。だけどわざわざ料理に合わせて飲むのなら、私ならBNCを選ぶ。その後、単独で飲み続ける時にはホワイトオーク・レッドかな。ここにトリスとかサントリーレッドやホワイトが当てはまるのはいうまでもない。より上質に味わうのならオールドやリザーヴがあるし。それらでも1000円スコッチより高いんですね。

これらジャパニーズ・ウィスキーとどう付き合っていくか、なんですけど、今こそこれらの再評価/良評価があってもいいのではないかと。もう昔のとは別物ですからね。だけどわかってもらえるかどうか、わかんないけど昔のはそれはそれで旨かったのも事実です。昔のサントリーオールドは今の基準からすると「カクテル/リキュール」でしょう、でもなんか良かったんです。


【付記】
失われた味を想起しながら書いています。BNCもホワイトオーク・レッドもいいのですが、サントリーオールドの「ウィスキーらしさ」には及びません。なにしろボトル2800円したんですから、1980年代半ばでね。

あかしレッド

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男鹿の某所で江井ヶ嶋酒造の〈あかしレッド〉があったのでついフラフラと買ってしまった。以前は〈ホワイトオークあかし〉しかなかったので初めて飲むことになる。同蒸溜所には〈ホワイトオーク・レッド〉というのもあるので混乱するが、両者は全くの別物である。その日はあかしレッドを858円(税込)で買ったが500mlなのである。

これ、どこかのメーカーが以前やったやり方と同じですね。これを700ml換算すると1200円になる。一方ホワイトオーク・レッドは蒸溜所公式価格だと1800mlで2100円なので、700ml換算すると816円である。ね、全然違うでしょう? ボトル1200円だと少し考えてしまうけど、800円くらいなら「まあいいか」って思うのが不思議だよね。

ストレートで飲ってみると、やはり若い。写真の色でもわかる*と思うけど、想像通りの若さで喉越しの際のキックが強いですね。メーカーの文言は「英国産麦芽100%を原料に造ったスコッチタイプのブレンデッドウィスキーです。淡麗タイプで気軽に飲んでいただける明石の地ウィスキーです」となっている。アルコール度数は40%とある。

熟成年数非表示タイプのウィスキーで他のメーカーでも多いんだけど、スコッチは3年以上熟成させないと出荷できない法律があるので、そこがスコッチと日本のウィスキーの違うところ。そもそも熟成年数の表示義務がないのでひょっとしたら3年未満の熟成かもしれない。なぜそう思うのかってね、ホワイトオーク・レッドには次のように書いてあるから。

曰く「オーク樽で3年以上貯蔵熟成させた原酒を使用したお買い得ウイスキーです。少しでも安い方がよいという方にと思うのですが、実は結構美味しいです」と。安い方に3年物を使っているんだけど、原料がモルト/グレーン/スピリッツ(と水)なの。あと度数が37%ね。スピリッツは穀物から造った蒸留酒ならなんでもありだからわかんないし。

アルコール度数の高い原酒を37%まで持っていくには水で伸ばすしかないわけで。飲んだことあるからわかるんだけど、蒸溜所のコメントにあるように実はけっこうおいしい。あかしレッドはモルト/グレーンだけで40%だから混ぜ物はしてないけど、いかんせん若い。でも決して悪くないんですよ、だからこそ余計にもったいないって思うの。

少し加水すると甘みが感じられるようになりますが、せいぜいトゥワイス・アップ(1:1)まで。それ以上やると全体がうす味になって面白くない。フルボトル1200円だとすると、むしろ高いって思っちゃう。繰り返しになるけど、もったいないんだよなあ。私だったらホワイトオーク・レッドのほうが好き。でもなんで売ってないの?

* うすい色のウィスキーにカラメル色素を添加するのはスコットランドでも暗黙知というか周知の事実になっている。なので色だけで若いと判断するのは危険である。

【付記】
売れるから出す、のでしょうけどね。

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只野乙山

Author:只野乙山

⚫︎ できれば「只野乙山=ただのおつざん」とお読みくだされば、と思います。

⚫︎ 文字中心のウェブログ。ほとんど一話完結で、どの記事をご覧になっても楽しめ(?)ます。文字数だけなら一冊の本に匹敵(凌駕?)するほどありますので、ごゆっくりどうぞ。

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