ドンキ「情熱価格」の純米酒

普段いちばんよく飲んでいる日本酒を挙げよ、と言われると北鹿の〈生酛〉(普通酒)か〈生酛純米〉という2リットル紙パックと答えるだろう。日本酒(普通酒)の相場は1升瓶=2000円、4号瓶=1000円くらいと思うが、北鹿の〈生酛〉は2リットルで800円台後半、〈生酛純米〉だと2リットルで900円台後半で買うことができる。それでいて「安いからまずい」わけではないのだ。
以前なら紙パック酒は料理用として購入していた。〈香住鶴〉など一部の例外を除いて紙パック酒を飲む気さえ起きなかったものだが、秋田に来て北鹿を知ってからいろんな紙パック酒を抵抗なく買って飲めるようになり、今では瓶の処理を考えると紙パックを進んで選ぶようにさえなった。何しろ瓶の収集は月1回しかないから。それが少ないかどうか、よくわかんないけど。
某休日、ジンを買いにドンキに行ったら日本酒コーナーに紙パックの純米酒が売られており、特売なのか2リットル698円になっていた。えっ、北鹿の紙パック純米より安い純米酒が存在するなんて……思わず手に取ってしまったのはいうまでもない。みるとドンキ「情熱価格」シリーズのようだ。同シリーズはドンキのPV商品で、よく「ド」マークが付いている。
裏面を見ると製造元が書いてあり、栃木の北関酒造と。「越後杜氏伝心」とも書いてある。ネットで調べてみると、栃木や他の地域でも新潟の越後杜氏や青森の南部杜氏を呼び寄せて酒を仕込むのが一般的であったそうだ。杜氏といっても普段は農作業をしていて、冬の農閑期に出稼ぎの形で出向する杜氏が少なくないというが、栃木では外部の杜氏の後継者不足から地元で杜氏を育成しているそうだ。
それを下野(しもつけ)杜氏といって、下野杜氏の育成に越後杜氏や南部杜氏があたることもあるという。「越後杜氏伝心」とはそうした背景から生まれた文言だと思われるが、北関酒造ホームページの「杜氏の声」を見ると上吉原正人という杜氏が紹介されており、下野杜氏と南部杜氏の両方の資格を持つ、と。そして越後杜氏直伝の技も持つという興味深い杜氏。
ところで越後(新潟)といえば久保田/八海山/越乃寒梅をはじめ、〆張鶴/上善水如/菊水などがよく知られており、淡麗辛口のイメージが強い。一方秋田の酒は、淡麗や辛口を追わず、旨味としっかりした飲み応えがあるのが特徴で、酸味とのバランスがよく飲み飽きない懐の深さがある。ただしっかりした飲み応えは重さに通じる部分もあって、特に夏にそれを感じることもある。
そのあたりは酒造メーカーも意識していて、多くの蔵元が「夏酒」を発売している。1年の半分以上が「冬」なわけだから、寒い時に飲むための酒を造る傾向があるのも当然の流れだと思う。だけど夏は白ワインのような軽やかさがある酒を飲みたくなるもので、そんな時に越後杜氏直伝の酒がぴったりじゃないだろうか。じつは北関酒造の酒、某ドラッグストアで買って試したことがある。
それが中々良かったわけでして。だから今回、ドンキの「情熱価格 純米酒」を安心して買い物カゴに入れることができた。飲んでみると、あっさりすっきりした味わいに軽やかさがあって、キリッと冷やして飲むと実にいい。ただし「しっかりした飲み応え」は控えめなので好みは分かれると思う。「情熱価格」は値段のわりに値打ちがあるらしいが、「純米酒」はそうだと言える。
以前なら紙パック酒は料理用として購入していた。〈香住鶴〉など一部の例外を除いて紙パック酒を飲む気さえ起きなかったものだが、秋田に来て北鹿を知ってからいろんな紙パック酒を抵抗なく買って飲めるようになり、今では瓶の処理を考えると紙パックを進んで選ぶようにさえなった。何しろ瓶の収集は月1回しかないから。それが少ないかどうか、よくわかんないけど。
某休日、ジンを買いにドンキに行ったら日本酒コーナーに紙パックの純米酒が売られており、特売なのか2リットル698円になっていた。えっ、北鹿の紙パック純米より安い純米酒が存在するなんて……思わず手に取ってしまったのはいうまでもない。みるとドンキ「情熱価格」シリーズのようだ。同シリーズはドンキのPV商品で、よく「ド」マークが付いている。
裏面を見ると製造元が書いてあり、栃木の北関酒造と。「越後杜氏伝心」とも書いてある。ネットで調べてみると、栃木や他の地域でも新潟の越後杜氏や青森の南部杜氏を呼び寄せて酒を仕込むのが一般的であったそうだ。杜氏といっても普段は農作業をしていて、冬の農閑期に出稼ぎの形で出向する杜氏が少なくないというが、栃木では外部の杜氏の後継者不足から地元で杜氏を育成しているそうだ。
それを下野(しもつけ)杜氏といって、下野杜氏の育成に越後杜氏や南部杜氏があたることもあるという。「越後杜氏伝心」とはそうした背景から生まれた文言だと思われるが、北関酒造ホームページの「杜氏の声」を見ると上吉原正人という杜氏が紹介されており、下野杜氏と南部杜氏の両方の資格を持つ、と。そして越後杜氏直伝の技も持つという興味深い杜氏。
ところで越後(新潟)といえば久保田/八海山/越乃寒梅をはじめ、〆張鶴/上善水如/菊水などがよく知られており、淡麗辛口のイメージが強い。一方秋田の酒は、淡麗や辛口を追わず、旨味としっかりした飲み応えがあるのが特徴で、酸味とのバランスがよく飲み飽きない懐の深さがある。ただしっかりした飲み応えは重さに通じる部分もあって、特に夏にそれを感じることもある。
そのあたりは酒造メーカーも意識していて、多くの蔵元が「夏酒」を発売している。1年の半分以上が「冬」なわけだから、寒い時に飲むための酒を造る傾向があるのも当然の流れだと思う。だけど夏は白ワインのような軽やかさがある酒を飲みたくなるもので、そんな時に越後杜氏直伝の酒がぴったりじゃないだろうか。じつは北関酒造の酒、某ドラッグストアで買って試したことがある。
それが中々良かったわけでして。だから今回、ドンキの「情熱価格 純米酒」を安心して買い物カゴに入れることができた。飲んでみると、あっさりすっきりした味わいに軽やかさがあって、キリッと冷やして飲むと実にいい。ただし「しっかりした飲み応え」は控えめなので好みは分かれると思う。「情熱価格」は値段のわりに値打ちがあるらしいが、「純米酒」はそうだと言える。
【付記】
なにも記事中で挙げた新潟の酒と比べて「良い」とか、そんな話ではありませんので念の為。
なにも記事中で挙げた新潟の酒と比べて「良い」とか、そんな話ではありませんので念の為。
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墨廼江本醸造@佐々辰酒店

秋田に住んで不思議に思ったことのひとつに「酒屋に秋田以外の酒がない」がある。小売酒屋はおしなべて秋田の酒しか置いてないし、〈やまや〉でもその傾向があるのには首を傾げざるを得ない。大阪の〈やまや〉だったら全国のわりと有名どころの日本酒を買うことができた。大きな声では言えないけど、秋田の酒はそんなに(ほとんど、てか全然)なかった。ごめんね。
ってなんで私が謝ってんの? 違うでしょう、販売店のせいだからね! 秋田の酒はうまくて安いのにね。関西だと普通酒1升=2000円くらいが相場だが、秋田に来て純米酒の2リットル=1000円以下ってのに本当にぶったまげた。そんな秋田の酒だけど、酒米(酒造りに好適な米種、山田錦など)を使ってないこともある。
どういうことかって、食米を転用してるんだよね。だけどそれはたいしたことではない。おいしければいいんだよ、何だって。数十年前、某酒メーカーが酒造に古々米や輸入米を使ってるとかで騒ぎになったみたいだけど、飲むほうからすると問題ないよ? だって、おいしいもん。酒造りにどんなお米を使ってもいい、何ならインディカ米とか。あ、それは違うか。でもやってみるといいかも知んないよ?
秋田県外にもおいしい酒はたくさんあって、山形なら〈くどき上手〉、福島だと〈写楽〉、青森なら〈田酒〉でしょう。宮城だったら〈墨廼江〉だし、岩手は〈あさ開〉がある。この「どこどこだったら✳︎✳︎ね」ってのが、なぜか秋田には「ない」の。それだけうまい酒がもう乱立してるってことだろう。店が秋田の酒だけでいっぱいになるわけだ。
でも、たまに「秋田県外の酒が飲みたい」って思いも募ってくる。例えば大阪は池田の〈呉春〉とか〈秋鹿〉ね。〈呉春〉は最低ランクのがいちばん好き。灘だったら〈仙介〉や〈道灌〉が忘れられない。それとか高知の〈酔鯨〉や〈美丈夫〉とか〈司牡丹〉もいい。長野だったら〈明鏡止水〉か〈夜明け前〉ね。
こうなるともういけない、ネットで「全国の地酒が飲める店 秋田」とか検索する。でも「秋田以外の地酒」でやっても秋田の酒しか売ってない店しか出てこない。そんなこんなでやっと探り当てたのが北秋田市の〈佐金商店〉と秋田市〈佐々辰酒店〉だった。前者はやはり遠い。後者は「買い物ついで」とか「食堂巡りのついで」に利用できる範囲にある。
でも〈佐々辰酒店〉は店主のクセが強すぎるので有名らしい。酒が好きすぎて、を通り越した接客をするみたい。〈新政〉があるなら普通に売ればいいものを、客と珍問答した挙句に「あなたには売れない」みたいな展開になることもあるとか。え、この時代に一介の小売酒店がそこまでやる? なんか逆に面白いんだけど、私だったらハッタリなしで店主と渡り合うことができる。
だって小売酒屋の跡取り息子ですもん。あ「だった」か、今となってはね。まあ、どうだっていいけど、とにかく秋田県外の酒が飲みたいの。というわけで添川の〈あさひや〉でおいしいラーメンを食べた後に行きましたよ。〈ラーメンマシンガン〉とか〈多むら〉、〈にぼすけ〉や〈時代屋〉がある通りね。ラーメン好きな人ならおわかりかと思う。今はまだ行かないけど。こってり濃厚ブームが終わったらね。
で、その通りの一角に佐々辰酒店がある。この通りは全部なんだけど駐車スペースはそんなにない。店主の性格上(?)人が殺到することはないと思うけど、車は2〜3台までです。入店すると例の名物店主は不在のようで、ちょっと拍子抜け。奥様と思われる人が応対してくれた。「何をお探しですか?」に対して「県外の日本酒が欲しいんです」と。
「初めての方ですね、ならこちらへどうぞ」と、向かって左奥の扉を開けてもらうと……まあ何と、県外の日本酒がびっしりと、まるでワインの保存庫みたいに並んでいるではないか! いやあり得ない、この光景が秋田で見られるとはね。いやもう見ているだけでウキウキするね。なんだか信じられない光景だ。ふだん飲んでいるのからすると段違いの価格だけど、普通酒レベルを手に取った。
〈墨廼江〉の本醸造である。普段の感覚だと、このレベルで充分なはず。それが高級酒と混ざって適切な温度で保存されている。本醸造だと常温で大丈夫なはずで、そのための火入れとアル添なんだけどね。わかっていてもそうする、この店主の酒に対する思いがもう、痛いほど伝わってくる。そうなんだ、こういう店っていまどき本当に珍しい、てかあり得ない感じ。
家に帰って大事に保存された〈墨廼江〉本醸造を開ける。そうだこの感じ、大切なものを大事に取り扱う感じを久しぶりに味わった気がする。シュッ、と音がしてポン、と抜ける、本醸造なのに。「本辛/辛口」とあるように飲むと、たしかに甘味は抑えられているのだが、飲み応えはある。これが一升瓶=2000円で買えるなんて信じられない。関西にいた頃の感覚でもそうザラにない。
ああやっぱり〈墨廼江〉はいいなあ。もうこれで申し分ないんだけど、若干の重みがある。これは「飲み応え」として理解できるもので秋田にもある。日本酒の「軽い」とか「重い」は飲んでみなくてはわからないもので、実際に飲んだ結果なんとなく「わかる」ものなんです。例えば北陸の酒は秋田に比べて「軽い」気がする。
甘味が少なくて、しかも軽みがあって香りが立つのが〈酔鯨〉で、舌に「ビリっと」くる感じがたまらない(クラスによる)。秋田の酒は「飲み応え」はあるが重さに通じ、香りは控えめの甘口だけど酸味とのバランスが良く飲みやすい、そんな傾向があるように思う。「飲み応え」を重視するからこそ秋田以外の酒に手を出さないのかな。
これは好みで、良い悪いの問題ではないのでくれぐれも誤解なきようお願いしたい。〈墨廼江 本醸造〉は辛口とか本辛とか書いてあるけど、こういうタイプ、秋田にないからね。どうして、と訊かれても困る。ないものはない、としか言いようがない。で、秋田の酒しか売らないのは地産地消の精神なのか「オラホの酒が一番だべ」なのか、まだよくわかんない。
ってなんで私が謝ってんの? 違うでしょう、販売店のせいだからね! 秋田の酒はうまくて安いのにね。関西だと普通酒1升=2000円くらいが相場だが、秋田に来て純米酒の2リットル=1000円以下ってのに本当にぶったまげた。そんな秋田の酒だけど、酒米(酒造りに好適な米種、山田錦など)を使ってないこともある。
どういうことかって、食米を転用してるんだよね。だけどそれはたいしたことではない。おいしければいいんだよ、何だって。数十年前、某酒メーカーが酒造に古々米や輸入米を使ってるとかで騒ぎになったみたいだけど、飲むほうからすると問題ないよ? だって、おいしいもん。酒造りにどんなお米を使ってもいい、何ならインディカ米とか。あ、それは違うか。でもやってみるといいかも知んないよ?
秋田県外にもおいしい酒はたくさんあって、山形なら〈くどき上手〉、福島だと〈写楽〉、青森なら〈田酒〉でしょう。宮城だったら〈墨廼江〉だし、岩手は〈あさ開〉がある。この「どこどこだったら✳︎✳︎ね」ってのが、なぜか秋田には「ない」の。それだけうまい酒がもう乱立してるってことだろう。店が秋田の酒だけでいっぱいになるわけだ。
でも、たまに「秋田県外の酒が飲みたい」って思いも募ってくる。例えば大阪は池田の〈呉春〉とか〈秋鹿〉ね。〈呉春〉は最低ランクのがいちばん好き。灘だったら〈仙介〉や〈道灌〉が忘れられない。それとか高知の〈酔鯨〉や〈美丈夫〉とか〈司牡丹〉もいい。長野だったら〈明鏡止水〉か〈夜明け前〉ね。
こうなるともういけない、ネットで「全国の地酒が飲める店 秋田」とか検索する。でも「秋田以外の地酒」でやっても秋田の酒しか売ってない店しか出てこない。そんなこんなでやっと探り当てたのが北秋田市の〈佐金商店〉と秋田市〈佐々辰酒店〉だった。前者はやはり遠い。後者は「買い物ついで」とか「食堂巡りのついで」に利用できる範囲にある。
でも〈佐々辰酒店〉は店主のクセが強すぎるので有名らしい。酒が好きすぎて、を通り越した接客をするみたい。〈新政〉があるなら普通に売ればいいものを、客と珍問答した挙句に「あなたには売れない」みたいな展開になることもあるとか。え、この時代に一介の小売酒店がそこまでやる? なんか逆に面白いんだけど、私だったらハッタリなしで店主と渡り合うことができる。
だって小売酒屋の跡取り息子ですもん。あ「だった」か、今となってはね。まあ、どうだっていいけど、とにかく秋田県外の酒が飲みたいの。というわけで添川の〈あさひや〉でおいしいラーメンを食べた後に行きましたよ。〈ラーメンマシンガン〉とか〈多むら〉、〈にぼすけ〉や〈時代屋〉がある通りね。ラーメン好きな人ならおわかりかと思う。今はまだ行かないけど。こってり濃厚ブームが終わったらね。
で、その通りの一角に佐々辰酒店がある。この通りは全部なんだけど駐車スペースはそんなにない。店主の性格上(?)人が殺到することはないと思うけど、車は2〜3台までです。入店すると例の名物店主は不在のようで、ちょっと拍子抜け。奥様と思われる人が応対してくれた。「何をお探しですか?」に対して「県外の日本酒が欲しいんです」と。
「初めての方ですね、ならこちらへどうぞ」と、向かって左奥の扉を開けてもらうと……まあ何と、県外の日本酒がびっしりと、まるでワインの保存庫みたいに並んでいるではないか! いやあり得ない、この光景が秋田で見られるとはね。いやもう見ているだけでウキウキするね。なんだか信じられない光景だ。ふだん飲んでいるのからすると段違いの価格だけど、普通酒レベルを手に取った。
〈墨廼江〉の本醸造である。普段の感覚だと、このレベルで充分なはず。それが高級酒と混ざって適切な温度で保存されている。本醸造だと常温で大丈夫なはずで、そのための火入れとアル添なんだけどね。わかっていてもそうする、この店主の酒に対する思いがもう、痛いほど伝わってくる。そうなんだ、こういう店っていまどき本当に珍しい、てかあり得ない感じ。
家に帰って大事に保存された〈墨廼江〉本醸造を開ける。そうだこの感じ、大切なものを大事に取り扱う感じを久しぶりに味わった気がする。シュッ、と音がしてポン、と抜ける、本醸造なのに。「本辛/辛口」とあるように飲むと、たしかに甘味は抑えられているのだが、飲み応えはある。これが一升瓶=2000円で買えるなんて信じられない。関西にいた頃の感覚でもそうザラにない。
ああやっぱり〈墨廼江〉はいいなあ。もうこれで申し分ないんだけど、若干の重みがある。これは「飲み応え」として理解できるもので秋田にもある。日本酒の「軽い」とか「重い」は飲んでみなくてはわからないもので、実際に飲んだ結果なんとなく「わかる」ものなんです。例えば北陸の酒は秋田に比べて「軽い」気がする。
甘味が少なくて、しかも軽みがあって香りが立つのが〈酔鯨〉で、舌に「ビリっと」くる感じがたまらない(クラスによる)。秋田の酒は「飲み応え」はあるが重さに通じ、香りは控えめの甘口だけど酸味とのバランスが良く飲みやすい、そんな傾向があるように思う。「飲み応え」を重視するからこそ秋田以外の酒に手を出さないのかな。
これは好みで、良い悪いの問題ではないのでくれぐれも誤解なきようお願いしたい。〈墨廼江 本醸造〉は辛口とか本辛とか書いてあるけど、こういうタイプ、秋田にないからね。どうして、と訊かれても困る。ないものはない、としか言いようがない。で、秋田の酒しか売らないのは地産地消の精神なのか「オラホの酒が一番だべ」なのか、まだよくわかんない。
【付記】
秋田の酒しか売らない、ということは「秋田に行けば秋田の酒が買える」ので、県外の人にはわかりやすいですね。だけどたまに県外の酒が飲みたくなる余所者にとってはキツい。それにしても〈佐々辰酒店〉は素晴らしく、県外酒の品揃えは圧倒的と言えましょう。
秋田の酒しか売らない、ということは「秋田に行けば秋田の酒が買える」ので、県外の人にはわかりやすいですね。だけどたまに県外の酒が飲みたくなる余所者にとってはキツい。それにしても〈佐々辰酒店〉は素晴らしく、県外酒の品揃えは圧倒的と言えましょう。
北鹿「開運北鹿」

日本酒が大好きなんだけど、じつは醸造酒(ビール/ワイン/日本酒)ってアルコール度数が5〜14%前後で、残りは糖質液なのである。だからビールや日本酒の「旨さ」の半分はこの糖質液にあると言っていい。だが糖質制限を意識する者にとって醸造酒は厄介である。うまいんだけど、なんだかんだ言って糖質液を飲んでいるようなものだから。
そんなわけで普段は麦焼酎(蒸留酒)をを飲むようにしているが、お気に入りのチャンネル「魚屋の森さん」ではすごい日本酒推ししてるわけ。魚屋さんだから当然そうなるわけだけど、個人的にも魚と合わせるのは日本酒がいちばんだと思っている。避けていた日本酒だけど「たまにはいいか」となってしまう意志の弱さをどうにかしてくれ。
前の記事で〈白鶴 まる〉をおいしく味わうにはより廉価の酒を飲めばよい、とか書いたんだけど、ちょうどその時冷蔵庫にあった〈開運北鹿〉を〈まる〉と並べて飲んでみたんですね。〈まる〉が2リットル=1400円くらい(販売店による)で、〈開運北鹿〉が同条件で900円くらいだったから。考えてみるとこれ、ものすごく安いんですよ。関西だったらこれはありえない。
だってどの普通酒でも4合瓶=1000円、1升瓶=2000円くらいが標準ではないかと思う。池田に住んでいた頃、大好きだった〈呉春 普通酒〉が1升瓶=1980円くらいだった。だから〈まる〉自体もたいがい安いんだけど、〈開運北鹿〉はさらに安いもはや「あり得ないくらいの破格」なのだ。でも中々侮ることのできないうまさが〈北鹿〉にはあるんですね。
秋田に来た頃、やはりまだ紙パック酒に手が出せなくて、おまけに〈雪の茅舎〉にハマっちゃって。これ、だいたい〈呉春〉と同じくらいの値段だったから。でも酒コーナーで北鹿の〈北秋田 純米〉を見たとき衝撃を受けた。だって1升瓶=1600円くらいだもん。関西で純米酒を買おうとするなら、プラス千円は覚悟しないといけない。それくらいが基準なの。
だから近隣の商店で〈北秋田 純米〉の4合瓶が1000円以下で売っているのを見て思わずつかんでしまった。上述したように普通酒の4合=1000円が基準になっていたからさ。飲んでみると、まあ旨いこと。そんなことがあって、北鹿の紙パック酒〈生酛 純米〉を見たとき、安心して買うことができた。北鹿の酒なら心配することはないってね。
これがまたぶったまげる値段で純米酒2リットル=1000円くらいなんだ。以後、これが私の常飲酒となり、さらに安い普通酒の紙パックも飲めるようになったわけで、まさに北鹿のおかげだと言っていいくらいだ。秋田の酒では他に〈爛漫〉にもお世話になった。ここの純米酒も関西の標準に比べてかなり安くなっており、美酒天国と言っても言い過ぎではない。
さて〈まる〉の横に並んだ〈開運北鹿〉だけど、紙パックのデザインからしていかにも安かろうまずかろうのイメージがあるでしょ(ごめんね)。もちろんその時は〈まる〉の良さを再確認するための添え物のつもりだった、はずなのに……あれっ、うまいじゃん、えっもしかしてこっちの方が好きかも、ってなっちゃった。〈まる〉よりすっきりしてるの。
なんだろう狭雑物少なめって感じかな。普通酒には米・米麹のほかに糖類や香料が添加されている場合が多いけど、それが少なめに感じた。やはり〈まる〉の良さを再認識するには〈くらのすけ〉とか〈鬼ころし〉、あるいは〈大きな温情〉などいずれも2リットル=600円前後の酒にすべきかと。〈開運北鹿〉は値段も〈生酛〉シリーズより少し安いくらいだから。
そんなわけで普段は麦焼酎(蒸留酒)をを飲むようにしているが、お気に入りのチャンネル「魚屋の森さん」ではすごい日本酒推ししてるわけ。魚屋さんだから当然そうなるわけだけど、個人的にも魚と合わせるのは日本酒がいちばんだと思っている。避けていた日本酒だけど「たまにはいいか」となってしまう意志の弱さをどうにかしてくれ。
前の記事で〈白鶴 まる〉をおいしく味わうにはより廉価の酒を飲めばよい、とか書いたんだけど、ちょうどその時冷蔵庫にあった〈開運北鹿〉を〈まる〉と並べて飲んでみたんですね。〈まる〉が2リットル=1400円くらい(販売店による)で、〈開運北鹿〉が同条件で900円くらいだったから。考えてみるとこれ、ものすごく安いんですよ。関西だったらこれはありえない。
だってどの普通酒でも4合瓶=1000円、1升瓶=2000円くらいが標準ではないかと思う。池田に住んでいた頃、大好きだった〈呉春 普通酒〉が1升瓶=1980円くらいだった。だから〈まる〉自体もたいがい安いんだけど、〈開運北鹿〉はさらに安いもはや「あり得ないくらいの破格」なのだ。でも中々侮ることのできないうまさが〈北鹿〉にはあるんですね。
秋田に来た頃、やはりまだ紙パック酒に手が出せなくて、おまけに〈雪の茅舎〉にハマっちゃって。これ、だいたい〈呉春〉と同じくらいの値段だったから。でも酒コーナーで北鹿の〈北秋田 純米〉を見たとき衝撃を受けた。だって1升瓶=1600円くらいだもん。関西で純米酒を買おうとするなら、プラス千円は覚悟しないといけない。それくらいが基準なの。
だから近隣の商店で〈北秋田 純米〉の4合瓶が1000円以下で売っているのを見て思わずつかんでしまった。上述したように普通酒の4合=1000円が基準になっていたからさ。飲んでみると、まあ旨いこと。そんなことがあって、北鹿の紙パック酒〈生酛 純米〉を見たとき、安心して買うことができた。北鹿の酒なら心配することはないってね。
これがまたぶったまげる値段で純米酒2リットル=1000円くらいなんだ。以後、これが私の常飲酒となり、さらに安い普通酒の紙パックも飲めるようになったわけで、まさに北鹿のおかげだと言っていいくらいだ。秋田の酒では他に〈爛漫〉にもお世話になった。ここの純米酒も関西の標準に比べてかなり安くなっており、美酒天国と言っても言い過ぎではない。
さて〈まる〉の横に並んだ〈開運北鹿〉だけど、紙パックのデザインからしていかにも安かろうまずかろうのイメージがあるでしょ(ごめんね)。もちろんその時は〈まる〉の良さを再確認するための添え物のつもりだった、はずなのに……あれっ、うまいじゃん、えっもしかしてこっちの方が好きかも、ってなっちゃった。〈まる〉よりすっきりしてるの。
なんだろう狭雑物少なめって感じかな。普通酒には米・米麹のほかに糖類や香料が添加されている場合が多いけど、それが少なめに感じた。やはり〈まる〉の良さを再認識するには〈くらのすけ〉とか〈鬼ころし〉、あるいは〈大きな温情〉などいずれも2リットル=600円前後の酒にすべきかと。〈開運北鹿〉は値段も〈生酛〉シリーズより少し安いくらいだから。
【付記】
〈まる〉の良さを再確認するつもりが〈開運北鹿〉の良さを改めて感じてしまう結果となりました。〈まる〉がどうの、というより〈北鹿〉が安すぎて旨すぎなのです。〈開運北鹿〉を飲んだ後で〈生酛〉シリーズを飲むとその良さがわかります。酸味の効かせがいいですね。
〈まる〉の良さを再確認するつもりが〈開運北鹿〉の良さを改めて感じてしまう結果となりました。〈まる〉がどうの、というより〈北鹿〉が安すぎて旨すぎなのです。〈開運北鹿〉を飲んだ後で〈生酛〉シリーズを飲むとその良さがわかります。酸味の効かせがいいですね。
白鶴「まる」

大阪や阪神間に住んでいた頃、紙パック酒はもっぱら料理用としてしか買わなかった。一部を除いて紙パック酒なんて飲めたもんじゃない、という思い込みがあったのだ。だが秋田に来てから紙パック酒でもおいしいことがわかりたいへんお世話になった。特によく飲んだのは北鹿という大館市にある酒造会社によるもので、紙パックの純米酒に惚れ込んでしまった。
YouTubeで料理関係の動画を見ていると「魚屋の森さん」が兵庫は灘の白鶴酒造と組んで〈白鶴 まる〉の宣伝動画を出しているではないか。白鶴酒造には悪いけど、あまり良い印象はなくて、灘の酒ならもっと小規模で新しい試みをしている酒蔵を贔屓にしていた。純米酒や吟醸酒を知る以前、社会人になったばかりの飲み会で出された大手酒造会社の酒がひどかったから。
まずいと思ったのはまだ日本酒に慣れてなかっただけ、とも言える。だけど森さん、本当においしそうに〈まる〉を飲んでるなあ。芸能人が出ているCMと同じで、本当はそんなにうまいわけではないが立場上本当のことを言うわけにもいかず、内心しぶしぶやってるんじゃないか、などと下衆な勘繰りを入れてしまいそうになるほどだ。本当にそんなにうまいのかな?
でも「魚屋の森さん」のおかげで白鶴酒造の工場見学をさせてもらったし、白鶴公式チャンネルも見ることになった。同社が酒米の向上のために米の栽培にも取り組んでいること、酒造りにいかほど情熱を注いでいるかなど、思い込みだけでよく思っていなかった白鶴酒造に対する偏見が少しずつ薄れていった。別に〈まる〉に恨みがあるわけじゃないしね。
というわけで紙パック焼酎が切れたのを機会に〈まる〉を買ってみましたよ。飲んでみると……うむ、なかなかうまいじゃないか。もちろんこの「うまい」は良質の純米吟醸酒を飲んだ時に感じる香りと味わいに比較するべきではないが、本当にそこそこうまいのだ。灘の酒とは思えぬまろやかさがあり、飲み終わった後に鼻に抜ける香りはほのかだが心地よい。
個人的にはもう少し酸味があって飲みごたえがあるほうが……ってもう好きな酒の傾向が秋田的になってやしないか? 秋田人からすると「北陸の酒は水みたい」だそうだ。〈まる〉は灘の酒なんだけど、飲み口はもう伏見の酒みたいで、〈まる〉を「伏見の酒です」とブラインドで出してみたら、見抜ける人がどれくらいいるだろうか、なんて想像してしまう。
思ったよりうまかった〈まる〉だけどいわゆる普通酒で、米と米麹で作った酒に醸造用アルコールが添加されたもの。この「アル添」を認めない向きも少なくないが歴史的には常温保存するしかなかった時代に保存性を高めるために焼酎(おそらく米焼酎)が添加されたので、現在でも常温保存が基本の普通酒なので主な目的は保存性の向上にある、と思う。
惜しむらくは醸造用アルコールの他に糖類と酸味料が添加されていることで、将来的にはこれらの添加がなくてもおいしく飲めるよう改善してもらいたいものだ。糖類とは異性化糖(果糖ブドウ糖液糖)と思って間違いない。この果糖(フルクトース)は砂糖より廉価で生産できるため、じつに多くの食品や調味料に使われている。果糖は肝臓で代謝されるから要注意。
〈まる〉をよりおいしく味わうには、それより廉価の酒を味わってみることね。ウィスキーでも1000円スコッチをそんなにおいしいとは思わないけど、より廉価のウィスキーまがいのを飲んだ後に飲めば「え、ホワイトホースってこんなにうまかった?」となるし、フェイマス・グラウスだともうびっくりすると思う。これ人呼んで「舌のリセット」という。
YouTubeで料理関係の動画を見ていると「魚屋の森さん」が兵庫は灘の白鶴酒造と組んで〈白鶴 まる〉の宣伝動画を出しているではないか。白鶴酒造には悪いけど、あまり良い印象はなくて、灘の酒ならもっと小規模で新しい試みをしている酒蔵を贔屓にしていた。純米酒や吟醸酒を知る以前、社会人になったばかりの飲み会で出された大手酒造会社の酒がひどかったから。
まずいと思ったのはまだ日本酒に慣れてなかっただけ、とも言える。だけど森さん、本当においしそうに〈まる〉を飲んでるなあ。芸能人が出ているCMと同じで、本当はそんなにうまいわけではないが立場上本当のことを言うわけにもいかず、内心しぶしぶやってるんじゃないか、などと下衆な勘繰りを入れてしまいそうになるほどだ。本当にそんなにうまいのかな?
でも「魚屋の森さん」のおかげで白鶴酒造の工場見学をさせてもらったし、白鶴公式チャンネルも見ることになった。同社が酒米の向上のために米の栽培にも取り組んでいること、酒造りにいかほど情熱を注いでいるかなど、思い込みだけでよく思っていなかった白鶴酒造に対する偏見が少しずつ薄れていった。別に〈まる〉に恨みがあるわけじゃないしね。
というわけで紙パック焼酎が切れたのを機会に〈まる〉を買ってみましたよ。飲んでみると……うむ、なかなかうまいじゃないか。もちろんこの「うまい」は良質の純米吟醸酒を飲んだ時に感じる香りと味わいに比較するべきではないが、本当にそこそこうまいのだ。灘の酒とは思えぬまろやかさがあり、飲み終わった後に鼻に抜ける香りはほのかだが心地よい。
個人的にはもう少し酸味があって飲みごたえがあるほうが……ってもう好きな酒の傾向が秋田的になってやしないか? 秋田人からすると「北陸の酒は水みたい」だそうだ。〈まる〉は灘の酒なんだけど、飲み口はもう伏見の酒みたいで、〈まる〉を「伏見の酒です」とブラインドで出してみたら、見抜ける人がどれくらいいるだろうか、なんて想像してしまう。
思ったよりうまかった〈まる〉だけどいわゆる普通酒で、米と米麹で作った酒に醸造用アルコールが添加されたもの。この「アル添」を認めない向きも少なくないが歴史的には常温保存するしかなかった時代に保存性を高めるために焼酎(おそらく米焼酎)が添加されたので、現在でも常温保存が基本の普通酒なので主な目的は保存性の向上にある、と思う。
惜しむらくは醸造用アルコールの他に糖類と酸味料が添加されていることで、将来的にはこれらの添加がなくてもおいしく飲めるよう改善してもらいたいものだ。糖類とは異性化糖(果糖ブドウ糖液糖)と思って間違いない。この果糖(フルクトース)は砂糖より廉価で生産できるため、じつに多くの食品や調味料に使われている。果糖は肝臓で代謝されるから要注意。
〈まる〉をよりおいしく味わうには、それより廉価の酒を味わってみることね。ウィスキーでも1000円スコッチをそんなにおいしいとは思わないけど、より廉価のウィスキーまがいのを飲んだ後に飲めば「え、ホワイトホースってこんなにうまかった?」となるし、フェイマス・グラウスだともうびっくりすると思う。これ人呼んで「舌のリセット」という。
【付記】
〈まる〉はおそらく突出した個性を売りにしているのではなく、万人受けする路線を狙っているのではないかと想像します。尚「舌のリセット」はこの厄介なご時世ですので皆々様には下方修正で実行なさることをお勧めする次第です。
〈まる〉はおそらく突出した個性を売りにしているのではなく、万人受けする路線を狙っているのではないかと想像します。尚「舌のリセット」はこの厄介なご時世ですので皆々様には下方修正で実行なさることをお勧めする次第です。
インチキ・ブレンド酒で夏のコップ酒
暑い季節、とりあえずビールをやった後、何にするか少し迷うところである。酎ハイにする人も多いだろうが、あまり液体を取りたくない時もある。その場合「焼酎を氷に注いで飲む」一択になりがちだが、冷酒のコップ酒も捨てたものではない。冷蔵庫でキリッと冷やした日本酒を180mlタンブラーに入れて飲む、アレである。
飲み屋で「日本酒の冷や」と注文し、常温でそのまま徳利に入れて出したら怒り出した客がいると聞いたことがあるが、とんでもない話で、「冷や」とは常温の日本酒を指す。冷蔵庫のない時代のほうが歴史的に長かったわけで、日本酒は「燗」または「冷や」で飲むものだった。冷蔵庫で冷やした酒は「冷酒」(れいしゅ)とか呼んだほうがいい。
日本酒ではなくウィスキー・ハイボールを飲めばいいではないか、という声が聞こえてきそうだが、できるだけハード・リカーは避けるよう心がけている。暑い時期にハイボールをやると、歯止めが効かなくなる傾向があってヤバいのである。以前、梅雨に入る前頃に心が折れてしまいそうな出来事があったとき、それで苦い経験をしたのです。
で、コップ酒なんだけど、秋田に来て良かったことの一つに酒が旨いのがある。関西では良い/悪いがはっきり二極化されていて、紙パック酒など一部を除いてもっぱら料理酒に使っていた。秋田では紙パックレベルの底上げがものすごくて、こっちに来てから紙パックがメインになってしまったほどだ。瓶の処理が面倒くさい話でもあるけど。
でも夏になると、秋田の酒は少々重たく感じる。想像だけど、秋田の酒は燗にすると最良になるような傾向が多いのではないか。日本酒度が低め(推定平均値は日本酒度2前後。あの爛漫は±0)で「甘め」だけど、温めると燗上がりして甘さが抜け、上々の飲み心地になる。気候上、燗酒に焦点が当てられるのも自然の流れではないだろうか。
秋田で夏のコップ酒を楽しめないものだろうか。なにか純粋性が喪失されてしまうかもしれないが、ブレンド酒ってのはどうだろう。たとえばね、いつも飲んでるヤツに、関西の思い切り辛口のを合わせてみる、とか。こういう時、地元スーパー市場ではダメ(地産地消だからね)で、マックスバリュとかイオンのほうが品揃えが多い。
しかもPV商品の製造元が意外にも灘(や関西)の大酒造会社だったりするので面白い。ブランドロゴを外すだけでプライスダウンってわけか。PV商品って、このパターン多いですよね。よくわかんないけど、こっちは助かる(?)からいいや。組み合わせをあれこれ考えながら、選んだ品を買い物カゴに入れ、帰ってきたら冷蔵庫で冷やしておく。
さて、インチキ・ブレンドコップ酒ができましたよ。飲んでみると、満足とまではいかないけど妥協できるレベルですね。え、何と何をどういう配合で合わせたかって? ンなもん、言えるわけないじゃないですか。これでもまだ、模索の段階でありやして。夏の暑さで脳が溶けた阿保が、バカなことやってるんすよ。
飲み屋で「日本酒の冷や」と注文し、常温でそのまま徳利に入れて出したら怒り出した客がいると聞いたことがあるが、とんでもない話で、「冷や」とは常温の日本酒を指す。冷蔵庫のない時代のほうが歴史的に長かったわけで、日本酒は「燗」または「冷や」で飲むものだった。冷蔵庫で冷やした酒は「冷酒」(れいしゅ)とか呼んだほうがいい。
日本酒ではなくウィスキー・ハイボールを飲めばいいではないか、という声が聞こえてきそうだが、できるだけハード・リカーは避けるよう心がけている。暑い時期にハイボールをやると、歯止めが効かなくなる傾向があってヤバいのである。以前、梅雨に入る前頃に心が折れてしまいそうな出来事があったとき、それで苦い経験をしたのです。
で、コップ酒なんだけど、秋田に来て良かったことの一つに酒が旨いのがある。関西では良い/悪いがはっきり二極化されていて、紙パック酒など一部を除いてもっぱら料理酒に使っていた。秋田では紙パックレベルの底上げがものすごくて、こっちに来てから紙パックがメインになってしまったほどだ。瓶の処理が面倒くさい話でもあるけど。
でも夏になると、秋田の酒は少々重たく感じる。想像だけど、秋田の酒は燗にすると最良になるような傾向が多いのではないか。日本酒度が低め(推定平均値は日本酒度2前後。あの爛漫は±0)で「甘め」だけど、温めると燗上がりして甘さが抜け、上々の飲み心地になる。気候上、燗酒に焦点が当てられるのも自然の流れではないだろうか。
秋田で夏のコップ酒を楽しめないものだろうか。なにか純粋性が喪失されてしまうかもしれないが、ブレンド酒ってのはどうだろう。たとえばね、いつも飲んでるヤツに、関西の思い切り辛口のを合わせてみる、とか。こういう時、地元スーパー市場ではダメ(地産地消だからね)で、マックスバリュとかイオンのほうが品揃えが多い。
しかもPV商品の製造元が意外にも灘(や関西)の大酒造会社だったりするので面白い。ブランドロゴを外すだけでプライスダウンってわけか。PV商品って、このパターン多いですよね。よくわかんないけど、こっちは助かる(?)からいいや。組み合わせをあれこれ考えながら、選んだ品を買い物カゴに入れ、帰ってきたら冷蔵庫で冷やしておく。
さて、インチキ・ブレンドコップ酒ができましたよ。飲んでみると、満足とまではいかないけど妥協できるレベルですね。え、何と何をどういう配合で合わせたかって? ンなもん、言えるわけないじゃないですか。これでもまだ、模索の段階でありやして。夏の暑さで脳が溶けた阿保が、バカなことやってるんすよ。
【付記】
• 立ち飲み屋でコップ酒をやると、ビール(中瓶)の後の2杯でガクッとくることがあるんですが、家だとなぜわりと平気なのが不思議です。立ち飲みが効くのは仕事の後で疲れているから、でしょうかね。
• 立ち飲み屋でコップ酒をやると、ビール(中瓶)の後の2杯でガクッとくることがあるんですが、家だとなぜわりと平気なのが不思議です。立ち飲みが効くのは仕事の後で疲れているから、でしょうかね。