大吟醸 北秋田

Daiginjo_KitaAkita
以前〈北あきた にごり酒〉を飲んでわりと良かった印象があった。同酒は株式会社北鹿が出しており、秋田県大館市有浦、とラベルに書いてある。早速ウェブで秋田県大館市を見ると、北秋田市や鹿角市に接しており、青森県との県境に位置し、秋田県最北端であることがわかった。なるほど、それで「北秋田」なわけである。

少しずつ秋田の地名と位置が理解できてきたけれど、とにかく秋田(というか東北の県)はでかい。男鹿温泉郷から秋田市内まで約50kmだけど、関西だと50kmも車で走ればたいがい他府県まで行きますよ。あ、兵庫は別ね。兵庫って、関西では例外的にでかい県で、尼崎(東端)から赤穂(西端)まで行ってこい、とか言われると目眩がしそうになるほどだ。

だから大館市(北端)から湯沢市(南端)まで行くとなると、これはもう「旅行」である。そんな大げさに言うんじゃねえよ、と秋田の人に叱られるかもしれないが、温泉郷から秋田市内まで車に乗せてもらうだけで疲れてしまう(おいおい)私にとって、秋田県の広大さはただ事ではないのだ。そんなのが秋田で暮らしていけるのかよ、って話ですな。

さて某日、所用で姉と会った帰り道、どこかに寄らなくていいか、と言うのでスーパー市場的な所に寄ってほしいとお願いした。チャンスがある度に酒を買っておこうという魂胆である。近所に酒屋はあるんだけど、いわゆる「観光地値段」なんだもん……ゴメンな小母さん、と一瞬心で思ったけれど、北浦の何とかいうスーパー(?)に入った。

いやね、温泉郷に来た頃、ほらあれ、北浦にある何だっけ? えっと「ココット」? じゃなくて「コケット」? とか、わけわかんないことを言って同僚を不思議がらせた商店があるんですよ。ネットで調べてわかったんだけど「nicot」(ニコット)でした。ここで〈高清水〉の紙パック酒を買っておこうかな、と。

ところが〈高清水〉の前まで来てフリーズしてしまった。えっ、うそ、高いじゃん……これって近所の酒屋も真っ青になるくらいだよ? 一応スーパーでしょ、何でこんな値段設定になってんの意味不明、とか思いながら他を探すと、〈大吟醸 北秋田〉の4合瓶が目にとまった。これ、にごり酒の蔵元だ、と思った瞬間買っていた。

原料は米(国産)、米こうじ(国産米)、醸造アルコール。精米歩合50%、アルコール分15度以上16度未満、とラベルにある。酒米の銘柄は不明で、日本酒度とか酸味、アミノ酸度なども不明だが、50%まで精米した米で醸造し、醸造アルコールを添加して作った、ということだと思う。純米大吟醸ではないので念の為。

さっそく飲んでみよう。なるほど「大吟醸」というだけあって、果実を思わせる香りが鼻に抜けて行く。どっしりした重さはなく、むしろ軽いほう。しかしコクと旨味はわりとしっかりしている。どちらかと言えば甘口寄りかもしれないが、スッキリしているので〈爛漫〉〈高清水〉〈太平山〉〈雪の茅舎〉などより辛口に感じた。

余韻は今ひとつで、えもいえぬ旨味がずっと残って後を引く、ということはない。醸造アルコールの平坦な味わいに近いものが残ってしまうが、そんなに悪い後味ではないと思う。2日に分けて飲んでみたけど、1日目の方が美味しく感じた。フレッシュなだけあって、変質も早いのだろうか。3〜4人で、一晩で飲み切るのがいい感じかも。

食中酒としてもぴったりの酒で、刺身とか焼き魚、魚の煮付けなどにも合うと思う。フライやてんぷらなどと合わせても、油をすっきり洗い流してくれるのではないかと想像する。特定の料理と合うというより、かなり広範囲の料理と合う、もてなす側としては使い勝手のいい一本ではないだろうか。

しかもこれ、かなり安い値段で入手したんですよね。詳細は理由(わけ)あって割愛するが、費用対効果からすると、相当出来の良い部類に入ると思う。さすがは「美酒の国」というだけのことはある、この値段でこの品質、灘(兵庫)でも探すのは難しいんじゃなかろうか。冷蔵庫が欲しくなってしまいましたよ。


【付記】
⚫︎ さすがに手放しで大絶賛、というわけには参りませんが、安くて美味い酒が、秋田にはたくさんありそうです。県南にものすごく良さそうなのが……取り寄せになりそうですが、そのうち、と思っています。

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北あきた にごり酒

KitaAkita_Nigori
経済上の理由で、贅沢ができなくなってしまった。ていうか、贅沢とは普通以上のものを飲み食いし、身にまとうことを言うのだから、より正確に言えば、普通の暮らしができなくなった、だろうか。だが、何が「普通」なのかは人それぞれではないか。例えばビールの場合、「毎日発泡酒飲んでますけど、何か? 普通ですけど?」と言う人もいるだろう。

なので表現を少し変えて、できるだけ出費を抑えて生活しないといけなくなったのである。許容範囲で最低のタバコを吸い、ビールではなく「発泡性リキュール」を飲んで、とどめに日本酒を飲むようにしているが、日本酒は本来そんなに安いものではない。一升瓶=2000円くらいが標準で、美味しく飲めるレベルではないかと思う。

実際には紙パック入りの、もっと安い日本酒も存在しているが、買っても最後まで飲み切ることができなくて、結局は料理酒として使ったのを覚えている。日本酒本来の旨さが消失した何やら得体の知れないアルコール飲料、それが紙パック入りの(1800mlまたは2000ml=1000円前後、またはそれ以下の)日本酒なのだ。

念の為に書いておくと、すべての紙パック入り日本酒がダメだ、というわけではない。紙パック入り日本酒でも「いける」のは多々あるわけで、例えば〈香住鶴 但馬の自信/誇り〉の紙パックを買って飲んだことがあるが、これは容れ物が違うだけで、一升瓶入りとの違いはわからなかった。秋田酒〈高清水〉もそうだと思う。

さて某日、スーパー市場で〈北あきた にごり酒〉なるものを見つけ、手に取って見ると、瓶の底に白濁した沈殿物があり、撹拌して全体を混ぜて飲むようである。四合瓶=600円前後でたいへん安価、興味が湧いて買い物カゴに入れた。早速飲んでみると、甘酒のような香りと味わいがあって、かなり高い糖度を感じた。

高級な清酒のような吟醸香や、果実を思わせるような香りはないけれど、日本酒本来の旨さはちゃんとあると思う。紙パック入り日本酒に比べても、断然こちらの方が美味いと感じられた。だが、当初「うまい」と思った濁り酒も、次第に甘さが際立ってきて、最後まで飲み切ることができずにいた。

これ、どうしようか……捨てるには、あまりに勿体ない酒なのだ。要するに問題は「甘さ」なので、それを抑えれば良いじゃないか? 〈北あきた にごり酒〉と紙パック入り日本酒をブレンドすることで、前者の糖度を抑えると同時に、後者に欠ける日本酒的な旨みを相互補完しようという作戦である。

そこで、いそいそと(こういう時だけね)出かけて、近所の酒店で紙パック入りの〈高清水〉を買い、まだ少し残っている〈北あきた にごり酒〉の瓶に注いで薄めてみた。こんなこともあろうかと、Homacで漏斗を買っておいたんですね。こういう所だけは、抜かりのない男ですけど、肝心の仕事では抜けまくってうだつが上がんないわけである。

私の脳は、別になくても困らない趣味的なものに関してはフル回転するんだけど、実用的な事柄に関してはインタラプトがかかったようになる、というかどうも回転が鈍くなるみたいだ。で、どこか間抜けでうっかりミスをやらかしたり。それに加えて見た目が……なんか頼りなくて威厳、風格、貫禄、ゼロ! もう自分でも笑うしかありません。

さて、飲んでみると、おおっ、なかなかいけるではないか! そのままだとちょっと物足りなく感じる〈高清水〉の普通酒(失礼)だが、いい感じで飲めるようになった。けど……濁り酒はあくまでそのまま楽しむのが正道だろうに。なれど安く飲めりゃあなんだっていいぜ、とばかりに後日、〈北あきた にごり酒〉と恐ろしく低ランクの紙パック入り日本酒を買ってしまったんである。


【付記】
⚫︎ 何という邪道、何という冒涜でありましょうか。やれやれ、安けりゃ何でもいいのかよ、と自分でも思うのですが、濁り酒と紙パック入り日本酒のなかなか上手い利用法(?)ではないでしょうか。ただ、安い酒を飲むと、少し高級な酒のありがたさがよくわかるので、今では紙パックの〈高清水〉や〈北鹿 生酛〉もありがたく飲んでいます。

明鏡止水 垂氷(たるひ) 特別純米槽絞り

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本当に必要なものだけあればいい、と決め込んで暮らしているつもりだけど、ウェブページでJBLとかアルテック・ランシング、あるいはエレクトロ・ヴォイスなんかのふるいフルレンジユニットを見かけると、つい買っちゃおうかな、などと思ってしまう自分が恐ろしい。なんで1980年代、現行品がいくらでもある時代に買っておかなかったのかな、と今にして思う。

ついこの間も「**会員様ご優待」などというボタンを押した先に、ニコンの高性能デジタル写真機がアウトレットで出ているのを見つけてしまい、購入ボタンをふらふらと押しそうになるのを押しとどめるのに苦労した。だってね、ファインダー付きで絞り優先AEが使える5~6万円ほどのデジタル写真機が、3万円以下で買えるというんですよ、そりゃ買わないほうが……ちがうちがう!

ああ危ない危ない、とか思っていると今度は「ハリス・ツィードのジャケットを破格にて云々」などという広告が目に留まってしまう。ヘリンボーン柄ばかり着ているけれど、それはいかにもって感じがするぜ、むしろ無地のハリス・ツィードっていうのにたまらない魅力を感じるんだよな、などと該当ページを見てうっとりしてしまう始末。どうも煩悩が具現化して歩いているような男である。

そんな煩悩の塊のような男が飲んでいいんだろうか、と思わぬでもないが、その名前に少しでもあやかろうとして購った酒が〈明鏡止水 垂氷:たるひ 特別純米槽絞り〉である。湖面の水が動きを止めて一点の曇りもない鏡のようになった状態、すなわち邪念がなく澄み切って落ち着いた心の状態をいうのだそうだが、自分とはあまりにかけ離れているので開栓をしばしためらったほど。

だけどまあ、飲む順番は日本酒度の低いものから高いものへと決めたので、それに従って封を解いてみましたよ。と、その瞬間からいい香りがほんのりと漂ってくる。〈明鏡止水〉は長野県の大澤酒造という蔵元から出ている酒で、販売店のウェブページによると「原料米:山田錦、精米歩合:麹米=60%、掛米=65%、酵母:蔵内培養酵母、日本酒度:+5、酸度:1.6」ということだ。

飲んでみると、たいへん穏やかな味わいの中に香り高いものがあり、前回飲んだ〈墨廼江:すみのえ〉に似た傾向の美酒であると感じた。〈夜明け前〉もそうだったと思うが、長野の酒って香り高いものが多いなあ。それでいておっとりしている感じ。喩えはまちがっているかもしれないが、どこか気品のある女性を思わせる味わいなんですね。まちがえついでに喩えておくと、高知の酒はどこか男っぽさを感じさせるように思う。

香り高いんだけど、それが料理の邪魔になることは一切なくて、例えば魚なら魚の匂いをすっきり洗い流してくれて、別の皿に箸を運ぶのが進む。うむ、これはいい酒だ。行儀が悪いなあとは思いながらも、ついノート型コンピューターを見ながら食事をしてしまうんだけど、今宵は静かに音楽でも聴きながら杯を重ねることにしますか。少しは〈明鏡止水〉にあやかることができただろうか。


【付記】
● 煩悩が多いのも困りものですが、何かが欲しいと思ってがんばる動機にもなるわけですから、煩悩が経済を動かしているということもあるのではないか、などと〈明鏡止水〉を飲みながら思ったわけです。異性に対する煩悩もそうであろう、英雄色を好むというではないか、などと静かに気炎を上げていたのですが、そうか自分は英雄ではなかった、ただの凡夫だった、とすぐに気が付いたのでした。

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墨廼江(すみのえ)特別純米酒中汲みひやおろし

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秋の日はつるべ落とし、とはよく言ったもので、陽が落ちるのが早くなりましたね。それとともに朝夜の気温が低下、もう上着なしでは肌寒いほど。昼間暑くなって上着を脱いだとしても、夜には必要だから上着なしで出勤するわけにはいかない。こうなってくると、日本酒が俄然おいしくなってくる。

いつものように煮物とちょっとした惣菜で晩酌を済ませようと駅前のスーパーマーケットに立ち寄ったところ、生のタラ(北海道産)があるではないか。ウェブログでお付合い下さっている釧路と奈良の方々に「タラはたいへん旨いものである」と吹き込まれてしまった以上、これを見逃すわけにはいかぬ。タラと水菜(京菜)、木綿豆腐とえのき茸、葛きり(コープこうべで調達)の鍋といこうじゃありませんか。

それにね、日本酒のいいやつを一升瓶で4本、すでに入手しているんですよ。ネット通販で2500円クラスのを送料無料でまとめ買いしたのである。どれからいこうかな、なんてちょっと幸せな気分で物色する。こういうときは、できるだけ日本酒度の低いものから飲むようにしている。つまりあまり辛くないものから、次第に辛口に移行していくというわけだ。

別にそのようにしないといけない決まりはないのだが、そうすると日本酒の味がよくわかるような気がする。秋の飲み始めはいつも〈呉春〉の普通酒と決めているけれど、これは日本酒度が±0度という稀有な酒で、これの後に他の酒を飲むと、その酒の性格がよくわかるのだ。今回は4本あるうちの〈墨廼江(すみのえ)特別純米酒中汲みひやおろし〉から入ることにした。

〈墨廼江特別純米酒中汲みひやおろし〉は宮城県石巻市にある墨廼江酒造という蔵元から出ている酒で、一升瓶で2600円くらい。ふだん飲んでいるのは2000円クラスだからちょっと贅沢かもしれないが、純米酒のひやおろしなのでまあこんなものだと思う。販売店によると「原料米:五百万石、精米歩合:60%、日本酒度+3、酸度:1.8」とある。

タラ鍋は魚から出汁が出るのでわざわざ削り節と昆布で出汁をとる必要はなく、粉末昆布だけで出汁をとる。これは表面積が限りなく100%に近いもので、邪道かもしれないが、ごく少量で昆布出汁をとることができる。これに日本酒(1800ml=500円程度、もっぱら料理用に使っている)をどぼどぼ注いだものに食材を入れていく。タラはすぐに火が通るので最後のほうにそっと入れるようにした。

さてタラ鍋もできたことだし、こいつで〈墨廼江〉でもやることにしますか。アルミの片手鍋に作ったので画像は勘弁ください。タラ鍋はなんとまあ、あっさりしていることだろう。いつも鶏肉で鍋を拵えるので、その違いには驚くほどである。だけど魚と昆布の出汁が出ていてたいへん上品である。〈墨廼江〉を口に含むと、穏やかな味わいの後にほんのり果実を思わせる吟醸香も漂ってきて実にいい具合である。

ううむ、これは旨みと酸度の加減が絶妙で、よくできている見事な酒だ。ついつい、杯を重ねることまちがいなしの良酒、美酒である。これはいかん、気を付けないとどんどん飲んでしまうではないか! 販売店のウェブページに「石巻は漁港ということもあって魚介類にあったさっぱりしたお酒を醸しています」などとあるけれど、本当だ、これは今夜のタラ鍋にはぴったりの酒。いや、久しぶりにいい酒を飲んだなあ、という気分になりましたよ。


【付記】
● 奈良(三友亭主人さん)と釧路(薄氷堂さん)の方々が仰っていたことは本当でした。タラ鍋はじつに旨いものでした。どこか遠くにフグを思わせる(それはないか?)味わいもあるような気がして、また食べたくなったほどです。そうだ、水菜(京菜)もえのき茸もまだあることだし、今夜もまたタラがあればいいのにな、なんて思ったのでした。

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燗酒を飲む(4) 夜明け前 特別本醸造 辰の吟

Yoakemae_Tatunogin.jpg
足痛を抱えていると外出する気が全くなくなってしまうのが困りものだ。食料品など、あれもこれも買わないといけないのに、とか思いながらもできるだけ動かさないようにするほうがいいと考えてしまうからだろう。それでも、最も痛かった(ヤバかった)時点からすると、痛みは少し低減しているのではないかと思う。

大きめの総合病院に行ってきましたよ。近隣の整形外科の紹介状とレントゲン画像、MRIのCD-ROM、血液検査の結果と担当医の所見なんかを携えて、阪急電車某駅で降りたのだが、そこから徒歩で15~18分くらい。健康な足であればなんてことはない距離なんだけど、こっちは足痛を抱えているのだ。タクシー乗り場で待ってはみたものの、待てど暮らせどタクシーは現れない。

まさかそんなね、とか思いながら時計を見ると予約時刻の30分前を切ってしまっているではないか。無謀だけど仕方ないな、というわけで足を少し引きずるようにして徒歩で総合病院に向かう。今朝はもう鎮痛剤を投与済みなので、そんなに苦痛を伴う歩行ではなく、某市住民の方に途中で道を訊きながら、ようやく予約時刻の5分前に受付を済ませることができた。

待合の廊下というかロビーとでもいうべき場所で待っていると、ギプス、松葉づえ、車椅子の人たちが大勢いて、それらのもうはっきりとわかる大怪我に比べると自分の関節炎(?)など本当にかすり傷以下といってもいいほどで、「あれっ、おれ、何しに来たんだっけ?」などと思ってしまうほどだった。

診察ではすでに検査しておいた資料をもとに、問診を少しばかりした後、どうもその可能性が非常に高いですね、と示してくれたのが「一過性**骨なんとかカントカ」というもの(ややこしくてはっきり覚えられないですね)で、可能性が高いというわりにはあっさりと「確定」ボタンを押したお医者様なのでした。

結局、今まで通り「痛かったら鎮痛剤を投与してできるだけ安静にしている」ことになったのだが、一応病名がわかってみるとなんだか気分がすっきりした。鎮痛剤を連続投与するのはあまり気持ちのいいものではないけれど、そうするしかないから仕方がない。心なしかいささか痛みも和らいできたような気もするので、気分を明るく、何か楽しいことを考えようじゃないか、というわけでやっと本題です。

今回は〈夜明け前 特別本醸造 辰の吟〉を飲んだ。川西の酒店で買い求めたもので、以前から〈夜明け前〉は知っていた。これの純米とか吟醸、生酒なんかを飲むと、とにかく香りがいいのに驚かされる。開栓すると、うっとりするようないい香りが広がって、少し離れていてもそれとわかるくらい強めの香り。飲めば果実を思わせる芳醇さに、ついつい杯が進んでしまう「おそろしい」酒です。

〈辰の吟〉は酒店の人とも話をして「燗でもいけますよ」ということで買い求めた。一升瓶=2200円(税込)くらい。あまり熱めの燗にするとせっかくの香りが飛んでしまうような気がするので、ぬるめの燗にして飲む。燗でも、香りがしっかり残っていますね。というか、約2000円クラスの本醸造でこの香りと味わいはなかなかないんじゃないか、と思う。

一升瓶のラベルにはあまり詳しいことが書かれていないので、例によってネット販売店筋の情報によると、「原料米:山田錦、精米歩合:60%、酵母:アルプス酵母、日本酒度:+2、酸度:1.3」ということらしい。アルプス酵母なんていうの初めて聞いたけど、よくある「協会**号」というのではない自社製の酵母なのかもしれない。燗でもおいしいけれど、やはり〈夜明け前〉はきりりと冷やして飲むのがいちばん、かもしれません。


【付記】
● この値段でこの味わいはあり得ない、などと書いているのですが、過去に書いたものを読むとなんだかいつもそんなことを書いているようで少し恥ずかしい気がしますね。


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只野乙山

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⚫︎ できれば「只野乙山=ただのおつざん」とお読みくだされば、と思います。

⚫︎ 文字中心のウェブログ。ほとんど一話完結で、どの記事をご覧になっても楽しめ(?)ます。文字数だけなら一冊の本に匹敵(凌駕?)するほどありますので、ごゆっくりどうぞ。

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