純米酒〈天の戸〉吟泉

Amanoto_Ginsen
日本酒を買うとき、一升瓶にするか四合瓶にするかで迷うことがある。冬場だと、部屋の中にそのまま置いておけるので一升瓶にするのだが、夏場だと冷蔵庫でキリッと冷やして飲みたい。そんなとき、一升瓶では大きすぎて扱いに困るのだ。さっと冷蔵庫に入れておける四合瓶がやはり便利ではないかと思う。

でも値段を見ていると、何だか一升瓶の方がお得のような気がして仕方がない。これって私だけだろうか。よくわかんないけど、もう6月。一升瓶を買っても扱いに困るだけなのだ。だから四合瓶で買うのが良い、ていうか、そうするしかないのである。よく利用するドジャース男鹿店でも、四合瓶の品揃えは豊富である。

常温で陳列しているのに加えて、初めから冷蔵してある棚にも四合瓶がけっこう置いてあるのだ。その中から選ぶのはかなり迷うけれど、楽しい。どれにしようかな、って、やっぱり楽しいじゃないですか。今回はウェブログでお付き合いさせて頂いている方の記事にもあった〈天の戸〉にしてみた。

正確には「純米酒〈天の戸〉吟泉」である。同酒は秋田県横手市平鹿町浅舞にある、浅舞酒造株式会社による。同社HPによると「2011年より蔵から五キロ内の米で、純米酒を仕込んでいます」とのこと。つまり、いわゆる「普通酒」とか「本醸造」などのクラスはなくて、同社の酒は全て純米酒だ、ということだろうか。

季節のこともあり、冷蔵庫(共用)で冷やして味わう。開栓して盃に注いだ香りは控えめながらも、口に含むと良い香りが鼻腔に抜ける。まずほのかに甘みを感じるが、米由来の旨味に変わり、少し遅れて酸味が来る。酸味はさほど強くなく、さっぱりした味わいにつながっている。どちらかといえば、軽めで、すっきりした味わい。

推定日本酒度は+2前後か。甘口だが軽やかでくどくなく、単独で味わっても飲み続けることができる、普通酒や本醸造クラスとは比較にならぬ品質の高さがある。余韻は浅めで、甘みと酸味が少し後を引くが、切れが良い。嫌な雑味は残らず、まことに後味の良い酒。料理と合わせてもいけるかも、と予想できる。

で、料理(乙山ちのテキトー鍋)に合わせてみると、酒だけ飲んだときには見えなかった姿がくっきりしてくる。やはり味蕾が開いたときのほうがよりうまさを感じるということか。それでいて、料理を損なわない感じで、料理を味わいながら、酒もうまいなあ、と思わせるところがあるのだ。

だからこれは、食中酒として第一級の味わいがあるのではないかと思う。何だろう、奥床しい感じ、だろうか。同社HPでも本酒は「すっきり」に分類されており、「お燗酒から冷やまでのどんな温度帯でもご機嫌な味わい。晩酌の定番酒としてお勧めです」とある。やはりそうか、でもこんな美味しい食中酒ってあり? って感じの逸品です。


【付記】
⚫︎ ちなみに、同社公式の日本酒度は+3、酸度は1.8でした。四合瓶で1000円以下、しかも純米って、普通ではありえない、もはや「反則でしょ?」って言いたくなるレベルです。漁港が近いので魚はうまいし、酒も文句の付けようがないのです。でもって、女の人の肌が、たいへん白いわけですね。

あ、なに? 今日はちょっと過ごしてご機嫌さんってことなのかな?

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純米吟醸〈天寿〉華が咲くころ

Tennju_Hana
クルマに乗るようになって、色々な商店を利用できるようになった。最寄りはnicot(ニコット)男鹿店、次はイトク男鹿店、そしてドジャース男鹿店。脇本や船越まで行けばアマノ、マックスバリュ、ダイソー、Homacもある。そしてコメリも忘れてはならない。東北エリアのホームセンターだと思うが、農作業関係の用具が豊富なのが特色のようだ。

以上で生活上に必要なたいていの物は揃うと思う。大阪に最後にいた頃、歩いて東急ハンズ心斎橋店に行けたけど、東急ハンズと言えども品揃えは完璧ではない。例えばバー用品なんてひどいもので、道具屋筋に行くか通販で取り寄せるしかなかった。都会だと何でもあって良いように思われがちだが、そうでもないんですよね。

近辺(といってもクルマがないと無理)の商店はほぼ網羅できたと思うが、いちばん気に入っているのがドジャース男鹿店である。船川漁港が近いからか、男鹿産の良い魚が店頭に並ぶのが良い。あんまり魚は食べないんだけど、40cm前後のタイが300円くらいでポンと置いてあるのを見ると、自分でさばけたらなあ、と思う。

YouTubeで九州の釣りチャンネルを見ていると、意外にいけそうだぞ。まずウロコをとって、頭を落とし、腹を切り開いて内臓を取り出す。水でよく洗ったら、背中から徐々に切れ目を広げていき、背骨までいったら腹側からも切れ目を広げていき、最後に尻尾のところで切り離す、と。これで三枚おろしの片側ができあがり。

後は皮を剥いで、腹の部分を切り落とせば、刺身にできるというわけ。何度も動画を見て流れを頭にしっかり入れておけば、本当に自分でもできるかもしれない。ていうか、たぶんできる。こういうのって、実物を触って慣れるのがいちばん良いんだよね。本当の意味でのサバイバルって、こういうことができるようになる、ってことじゃないのかな。

話を元に戻すと、ドジャース男鹿店では男鹿産の魚の他に、酒もわりと安く、特売品があるのが良いんだよね。たぶん、限定発売で賞味期限が近付いているのに捌ききれずに在庫を抱えてる「困りモノ」を扱っていると想像する。今回、〈純米吟醸 天寿 華が咲くころ〉というのを買ってみた。何と、4合瓶=980円のお買い得である。

同酒は天寿酒造株式会社が出しており、秋田県由利本荘市にある。同社HPによると、鳥海山の伏流水を使っているとのこと。PCの地図で確かめると、なるほど鳥海山にほど近い所にあるのがわかる。同社は〈清澄辛口本醸造 鳥海山〉という酒も出しており、これもドジャース男鹿店で買うことができるので飲んだことがある。

ラベルにはアルコール分15度、精米歩合60%、原材料名 米(国産)・米こうじ(国産米)としか書いていない。同社HPを見ると、スタンダードの〈純米吟醸 天寿〉の原料米、使用酵母、日本酒度、酸度など詳細を書いているので興味のある方はご覧下さい。本記事は限定醸造品なので、HPを見ても詳細は不明。

とにかく飲んでみましょう。果実を思わせるような吟醸香は控えめ。でも酒自体の旨味はじゅうぶん感じられる。どちらかと言えば甘口で、推定日本酒度は+2前後だろうか。軽いか、重いか、どちらかと言えば軽めだが、すっきりした味わいなので、料理に合わせてもいけるんじゃないか、と想像した。

では、ということで乙山ちのテキトー鍋に合わせてみた。あ、料理に合わせると、甘みと香りが立ってくるのがわかりますね。悪くないんだけど、料理にそっと寄り添って料理を盛り上げる役目じゃないんですね。俺、純米吟醸だからね、って主張してるわけ。食中酒としてなら、同社の〈鳥海山〉、他社の〈喜久水〉とか〈飛良泉 銀紋〉をお勧めする。

余韻は少ないというか、抜けが良い、あるいは切れが良い、だろうか。嫌な後味が舌に残らず、すっと抜けていく感じ。ちょっとしたアテで酒自体を味わうのが似合っている。料理に合わせるなら、個性のあるものかな。限定品ではなく、まずは蔵元のスタンダード品を味わうのが本当だと思うけど、安かったのでつい、手を出してしまったんである。


【付記】
⚫︎ 関西で日本酒を買う感覚では、4合瓶=1000円というのは本醸造クラスで、純米以上はその値段ではまず買えません。これは飽くまでもディスカウント店の特売品だからのことなのです。とはいえ、北鹿などのように、秋田には費用対効果が高い酒が多いことは事実です。

大吟醸 北秋田

Daiginjo_KitaAkita
以前〈北あきた にごり酒〉を飲んでわりと良かった印象があった。同酒は株式会社北鹿が出しており、秋田県大館市有浦、とラベルに書いてある。早速ウェブで秋田県大館市を見ると、北秋田市や鹿角市に接しており、青森県との県境に位置し、秋田県最北端であることがわかった。なるほど、それで「北秋田」なわけである。

少しずつ秋田の地名と位置が理解できてきたけれど、とにかく秋田(というか東北の県)はでかい。男鹿温泉郷から秋田市内まで約50kmだけど、関西だと50kmも車で走ればたいがい他府県まで行きますよ。あ、兵庫は別ね。兵庫って、関西では例外的にでかい県で、尼崎(東端)から赤穂(西端)まで行ってこい、とか言われると目眩がしそうになるほどだ。

だから大館市(北端)から湯沢市(南端)まで行くとなると、これはもう「旅行」である。そんな大げさに言うんじゃねえよ、と秋田の人に叱られるかもしれないが、温泉郷から秋田市内まで車に乗せてもらうだけで疲れてしまう(おいおい)私にとって、秋田県の広大さはただ事ではないのだ。そんなのが秋田で暮らしていけるのかよ、って話ですな。

さて某日、所用で姉と会った帰り道、どこかに寄らなくていいか、と言うのでスーパー市場的な所に寄ってほしいとお願いした。チャンスがある度に酒を買っておこうという魂胆である。近所に酒屋はあるんだけど、いわゆる「観光地値段」なんだもん……ゴメンな小母さん、と一瞬心で思ったけれど、北浦の何とかいうスーパー(?)に入った。

いやね、温泉郷に来た頃、ほらあれ、北浦にある何だっけ? えっと「ココット」? じゃなくて「コケット」? とか、わけわかんないことを言って同僚を不思議がらせた商店があるんですよ。ネットで調べてわかったんだけど「nicot」(ニコット)でした。ここで〈高清水〉の紙パック酒を買っておこうかな、と。

ところが〈高清水〉の前まで来てフリーズしてしまった。えっ、うそ、高いじゃん……これって近所の酒屋も真っ青になるくらいだよ? 一応スーパーでしょ、何でこんな値段設定になってんの意味不明、とか思いながら他を探すと、〈大吟醸 北秋田〉の4合瓶が目にとまった。これ、にごり酒の蔵元だ、と思った瞬間買っていた。

原料は米(国産)、米こうじ(国産米)、醸造アルコール。精米歩合50%、アルコール分15度以上16度未満、とラベルにある。酒米の銘柄は不明で、日本酒度とか酸味、アミノ酸度なども不明だが、50%まで精米した米で醸造し、醸造アルコールを添加して作った、ということだと思う。純米大吟醸ではないので念の為。

さっそく飲んでみよう。なるほど「大吟醸」というだけあって、果実を思わせる香りが鼻に抜けて行く。どっしりした重さはなく、むしろ軽いほう。しかしコクと旨味はわりとしっかりしている。どちらかと言えば甘口寄りかもしれないが、スッキリしているので〈爛漫〉〈高清水〉〈太平山〉〈雪の茅舎〉などより辛口に感じた。

余韻は今ひとつで、えもいえぬ旨味がずっと残って後を引く、ということはない。醸造アルコールの平坦な味わいに近いものが残ってしまうが、そんなに悪い後味ではないと思う。2日に分けて飲んでみたけど、1日目の方が美味しく感じた。フレッシュなだけあって、変質も早いのだろうか。3〜4人で、一晩で飲み切るのがいい感じかも。

食中酒としてもぴったりの酒で、刺身とか焼き魚、魚の煮付けなどにも合うと思う。フライやてんぷらなどと合わせても、油をすっきり洗い流してくれるのではないかと想像する。特定の料理と合うというより、かなり広範囲の料理と合う、もてなす側としては使い勝手のいい一本ではないだろうか。

しかもこれ、かなり安い値段で入手したんですよね。詳細は理由(わけ)あって割愛するが、費用対効果からすると、相当出来の良い部類に入ると思う。さすがは「美酒の国」というだけのことはある、この値段でこの品質、灘(兵庫)でも探すのは難しいんじゃなかろうか。冷蔵庫が欲しくなってしまいましたよ。


【付記】
⚫︎ さすがに手放しで大絶賛、というわけには参りませんが、安くて美味い酒が、秋田にはたくさんありそうです。県南にものすごく良さそうなのが……取り寄せになりそうですが、そのうち、と思っています。

北あきた にごり酒

KitaAkita_Nigori
経済上の理由で、贅沢ができなくなってしまった。ていうか、贅沢とは普通以上のものを飲み食いし、身にまとうことを言うのだから、より正確に言えば、普通の暮らしができなくなった、だろうか。だが、何が「普通」なのかは人それぞれではないか。例えばビールの場合、「毎日発泡酒飲んでますけど、何か? 普通ですけど?」と言う人もいるだろう。

なので表現を少し変えて、できるだけ出費を抑えて生活しないといけなくなったのである。許容範囲で最低のタバコを吸い、ビールではなく「発泡性リキュール」を飲んで、とどめに日本酒を飲むようにしているが、日本酒は本来そんなに安いものではない。一升瓶=2000円くらいが標準で、美味しく飲めるレベルではないかと思う。

実際には紙パック入りの、もっと安い日本酒も存在しているが、買っても最後まで飲み切ることができなくて、結局は料理酒として使ったのを覚えている。日本酒本来の旨さが消失した何やら得体の知れないアルコール飲料、それが紙パック入りの(1800mlまたは2000ml=1000円前後、またはそれ以下の)日本酒なのだ。

念の為に書いておくと、すべての紙パック入り日本酒がダメだ、というわけではない。紙パック入り日本酒でも「いける」のは多々あるわけで、例えば〈香住鶴 但馬の自信/誇り〉の紙パックを買って飲んだことがあるが、これは容れ物が違うだけで、一升瓶入りとの違いはわからなかった。秋田酒〈高清水〉もそうだと思う。

さて某日、スーパー市場で〈北あきた にごり酒〉なるものを見つけ、手に取って見ると、瓶の底に白濁した沈殿物があり、撹拌して全体を混ぜて飲むようである。四合瓶=600円前後でたいへん安価、興味が湧いて買い物カゴに入れた。早速飲んでみると、甘酒のような香りと味わいがあって、かなり高い糖度を感じた。

高級な清酒のような吟醸香や、果実を思わせるような香りはないけれど、日本酒本来の旨さはちゃんとあると思う。紙パック入り日本酒に比べても、断然こちらの方が美味いと感じられた。だが、当初「うまい」と思った濁り酒も、次第に甘さが際立ってきて、最後まで飲み切ることができずにいた。

これ、どうしようか……捨てるには、あまりに勿体ない酒なのだ。要するに問題は「甘さ」なので、それを抑えれば良いじゃないか? 〈北あきた にごり酒〉と紙パック入り日本酒をブレンドすることで、前者の糖度を抑えると同時に、後者に欠ける日本酒的な旨みを相互補完しようという作戦である。

そこで、いそいそと(こういう時だけね)出かけて、近所の酒店で紙パック入りの〈高清水〉を買い、まだ少し残っている〈北あきた にごり酒〉の瓶に注いで薄めてみた。こんなこともあろうかと、Homacで漏斗を買っておいたんですね。こういう所だけは、抜かりのない男ですけど、肝心の仕事では抜けまくってうだつが上がんないわけである。

私の脳は、別になくても困らない趣味的なものに関してはフル回転するんだけど、実用的な事柄に関してはインタラプトがかかったようになる、というかどうも回転が鈍くなるみたいだ。で、どこか間抜けでうっかりミスをやらかしたり。それに加えて見た目が……なんか頼りなくて威厳、風格、貫禄、ゼロ! もう自分でも笑うしかありません。

さて、飲んでみると、おおっ、なかなかいけるではないか! そのままだとちょっと物足りなく感じる〈高清水〉の普通酒(失礼)だが、いい感じで飲めるようになった。けど……濁り酒はあくまでそのまま楽しむのが正道だろうに。なれど安く飲めりゃあなんだっていいぜ、とばかりに後日、〈北あきた にごり酒〉と恐ろしく低ランクの紙パック入り日本酒を買ってしまったんである。


【付記】
⚫︎ 何という邪道、何という冒涜でありましょうか。やれやれ、安けりゃ何でもいいのかよ、と自分でも思うのですが、濁り酒と紙パック入り日本酒のなかなか上手い利用法(?)ではないでしょうか。ただ、安い酒を飲むと、少し高級な酒のありがたさがよくわかるので、今では紙パックの〈高清水〉や〈北鹿 生酛〉もありがたく飲んでいます。

明鏡止水 垂氷(たるひ) 特別純米槽絞り

Meikyosisui_Taruhi.jpg
本当に必要なものだけあればいい、と決め込んで暮らしているつもりだけど、ウェブページでJBLとかアルテック・ランシング、あるいはエレクトロ・ヴォイスなんかのふるいフルレンジユニットを見かけると、つい買っちゃおうかな、などと思ってしまう自分が恐ろしい。なんで1980年代、現行品がいくらでもある時代に買っておかなかったのかな、と今にして思う。

ついこの間も「**会員様ご優待」などというボタンを押した先に、ニコンの高性能デジタル写真機がアウトレットで出ているのを見つけてしまい、購入ボタンをふらふらと押しそうになるのを押しとどめるのに苦労した。だってね、ファインダー付きで絞り優先AEが使える5~6万円ほどのデジタル写真機が、3万円以下で買えるというんですよ、そりゃ買わないほうが……ちがうちがう!

ああ危ない危ない、とか思っていると今度は「ハリス・ツィードのジャケットを破格にて云々」などという広告が目に留まってしまう。ヘリンボーン柄ばかり着ているけれど、それはいかにもって感じがするぜ、むしろ無地のハリス・ツィードっていうのにたまらない魅力を感じるんだよな、などと該当ページを見てうっとりしてしまう始末。どうも煩悩が具現化して歩いているような男である。

そんな煩悩の塊のような男が飲んでいいんだろうか、と思わぬでもないが、その名前に少しでもあやかろうとして購った酒が〈明鏡止水 垂氷:たるひ 特別純米槽絞り〉である。湖面の水が動きを止めて一点の曇りもない鏡のようになった状態、すなわち邪念がなく澄み切って落ち着いた心の状態をいうのだそうだが、自分とはあまりにかけ離れているので開栓をしばしためらったほど。

だけどまあ、飲む順番は日本酒度の低いものから高いものへと決めたので、それに従って封を解いてみましたよ。と、その瞬間からいい香りがほんのりと漂ってくる。〈明鏡止水〉は長野県の大澤酒造という蔵元から出ている酒で、販売店のウェブページによると「原料米:山田錦、精米歩合:麹米=60%、掛米=65%、酵母:蔵内培養酵母、日本酒度:+5、酸度:1.6」ということだ。

飲んでみると、たいへん穏やかな味わいの中に香り高いものがあり、前回飲んだ〈墨廼江:すみのえ〉に似た傾向の美酒であると感じた。〈夜明け前〉もそうだったと思うが、長野の酒って香り高いものが多いなあ。それでいておっとりしている感じ。喩えはまちがっているかもしれないが、どこか気品のある女性を思わせる味わいなんですね。まちがえついでに喩えておくと、高知の酒はどこか男っぽさを感じさせるように思う。

香り高いんだけど、それが料理の邪魔になることは一切なくて、例えば魚なら魚の匂いをすっきり洗い流してくれて、別の皿に箸を運ぶのが進む。うむ、これはいい酒だ。行儀が悪いなあとは思いながらも、ついノート型コンピューターを見ながら食事をしてしまうんだけど、今宵は静かに音楽でも聴きながら杯を重ねることにしますか。少しは〈明鏡止水〉にあやかることができただろうか。


【付記】
● 煩悩が多いのも困りものですが、何かが欲しいと思ってがんばる動機にもなるわけですから、煩悩が経済を動かしているということもあるのではないか、などと〈明鏡止水〉を飲みながら思ったわけです。異性に対する煩悩もそうであろう、英雄色を好むというではないか、などと静かに気炎を上げていたのですが、そうか自分は英雄ではなかった、ただの凡夫だった、とすぐに気が付いたのでした。

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