トマトジュースでゆでるパスタ(原案:グッチ裕三)

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以前グッチ裕三レシピ「にらやっこ」をやってみた記事に少し書いたが、同レシピで是非やってみたいのが「トマトジュースで茹でるパスタ」である。トマトソースを作らず、本格的なものに近いトマト味のパスタを作ろうというもので、手抜き大好き人間としては飛びつかぬわけにはいかない。

トマトジュース(160〜190ml、有塩でも無塩でも可)と同量の水をフライパンに入れ、加熱する。1.4mmのパスタを半分に折って投入する。汁気が少なくなったらオリーブ油とバターを入れて風味を加え、小型トマトも入れる。オレガノを入れて一混ぜしたら皿に盛り、パルミジャーノ・レッジャーノをすりおろして完成。

完全に同じものを再現するのが本道だと思うが、バターとかパルミジャーノ、小型トマトなんて常備してないし。だからそれらを省いた「偽グッチ裕三レシピ」を作ろう。一般の人は(ってお前は一般じゃないのか?)グッチ裕三レシピ通りにやってみることをお勧めする。レシピ通りにやっていないのに文句を言うのはルール違反である。

用意したのはオレガノとバジルくらいかな。オレガノってそんなにいいのかなと興味が湧いたし、バジルはいちばん好きなハーブである。オレガノがなくても別に構わないけど、バジルがなかったら困るなあ。だってバジルソースのスパゲッティ、食えないじゃん? 後はやっぱりブラックペッパーですね。そして主役のトマトジュース。

グッチ裕三レシピでは後でオリーブ油を加えていたけど、ここでは先にオリーブ油を鍋に入れ、そこでチューブ入りの生ニンニク(または乾燥ニンニクのスライス)を適宜炒めて油に香りを移す。油に香りがついたらトマトジュースを注ぎ、同量より少し少なめの水を加えて加熱し、表面から泡が出てきたらスパゲッティを入れる。

今回は「早ゆでパスタ」を使ったので、レシピ通りの「トマトジュースと同量の水」では汁気がたくさん残ってしまうと予想した。だから少なめの水を用い、様子を見ながら足りないようだったら足せば良い、という作戦である。3分間であれば、たぶん全体で300mlくらいでいけるんじゃないかと思う。

201709301240163bf.jpg実際は3分経っても水気が少し多めのような気がしたのでさらに延長して加熱し、ちょうど良い加減になるまで持っていった。「アルデンテしか認めない」という人は普通の作り方をしましょうね。オレガノを振って一混ぜすると、皿に盛る。ここでいつも、情けない気持ちになるんだよね。だって、電気鍋なんだもん。

鍋、熱くて持てないし、鍋に残ったトマトソース(?)を綺麗に拭えないのがイラっとするんだよね。あーもう、絶対卓上IH調理器具とIH対応フライパン、そしてシリコン製スパチュラ(ヘラ)を買うぞ! スパゲッティとか焼きそば大好き人間がフライパン持ってないって、やっぱダメっしょ。

最後に乾燥バジルをぱらっと(じつはたっぷり)ふりかけて完成。ああ、やっぱりバジルっていい匂いだなあ。オレガノもなんか良い感じだ。噛んでみると、アルデンテじゃないけど落胆するほどではない。思ったほど安っぽくない味になっていて、簡単なわりには結構いける味わいじゃないだろうか。

私はトマトソースが大好きで、よく作っていろんな料理に応用しているから、さほどこのやり方の利点を感じないんだけど、「トマトソースを作らなくてよい」というコンセプトもそれはそれで「あり」だと思う。冷蔵庫がない以上、大量にトマトソースを作っても意味がない私はもう何度もこれをやっていることを正直に書いておこう。


【付記】
⚫︎ 卓上IH調理器具とIH対応フライパン、もう買うしかないですね。なぜ最初からそうしなかったのかな、と思うのはいつもの只野乙山的現象というやつでして、自分でも笑ってしまうしかありません。IH調理器具というよくわからない新しいテクノロジーの導入に二の足を踏んだ、ということなのでしょうか。

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近海・天然・地元産のイナダを食う

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某休日、午前10時過ぎになるといそいそと近隣のたかはし鮮魚店に赴く。いつものようにヒラメもいいけど、ソイとアジの盛り合わせも味わってみたい。で、店の前まで来て呆然と立ち尽くす。たかはし鮮魚店の定休日であった。完全に近場でサクッと済ます昼酒モードになっていたため、クルマで遠くまで行く気がしない。

仕方がないので伊藤酒店でお菓子のイカフライ(5枚入り=100円前後)とキリン一番搾りを購入、昼ビールにした。たしかこの男、以前記事で「イカフライを5枚も食べたら胸焼けする」とか書いたはずである。なのに、何故かというと、他に食べるつもりはないからである。お菓子のイカフライだけで、昼を済ませることにした。

昼寝をして、夕方になるとクルマで出かける。時間に余裕があるのでメルシティ潟上のユニクロに行ってもいいし、久しぶりに散髪してもいいんじゃない? 男鹿温泉郷から脇本や船越に出るには「なまはげライン」がいちばん近いんだけど、なぜかいわゆる「バス道」をちんたら走る方が好きである。

国道101号線から県道304号線に入り、最後は県道54号線を走ると脇本のマックスバリュに着く、というコース。ツルハドラッグでトップバリュの最安醤油ラーメンと缶コーヒーを買い、レジで財布を取り出そうとして焦ってしまった。どうやら財布を部屋に置いて来たようなのだ。ったく、何でこうなってしまうんだろう。

あのう……すいません、これキャンセルできますか? などと意味不明なことを言って店員を困惑させた後、フェイド・アウトするように速やかに退去した。喫煙所でタバコを吸いながら己の間抜けさに呆れ果てていたが、まてよ、財布がないってことはだね、ここまで***不携帯で来たってことなの? と気づいてまた落ち込んだ。

やれやれ、全く、なんて日なんだろうね。男鹿温泉郷まで戻ると、潟上まで出かける気力など失せてしまった。ドジャース男鹿店にすら行きたくなくて、でもnicot北浦店では品揃えが……ということでイトク男鹿店で妥協することにした。テキトー鍋の具材を買いながら今日は魚を食べようとしていたことを思い出したけど、イトクではね……

メバチのサクの高値とビンチョウの身の色にちょっと閉口し、もういっか、と帰ろうとしたところ、魚の販売コーナーの隅にイナダのサクが置いてあるのを見つけた。三枚下ろしの半身=150円程度。しかも北浦産とあるから、まさに地元の魚。近海、天然、地元と三拍子揃った間違いないものである。

だけどこれ、三枚下ろしの背側と腹側が一緒になっているんですね。小さな魚だから当然なんだけど、個人的な好みからすると断然、背側だけを食べたい。ご存知と思うが、腹側は脂が多く、マグロのトロも腹側にあるわけです。ちょっと迷ったけど、魚を食べたい気分には抗えず、買い物かごに入れてしまった。

サバでもそうだけど、イナダ級だったら三枚下ろしの背側と腹側を分離せず、一緒に引いてしまう方が見栄えが良い。でも私は背側はそれだけで食べたいのだ。よって背骨のあった所に包丁を入れ、分離した。腹側には骨が残っていることがあるので、手で触って骨があったら取り除いておこう。

背側だけを引いて皿に盛り付けると……あっ、やっぱり小さいねえ。見栄え悪いし写真を撮るのをやめた。全部引いてみると、結構な分量ですね。少食の家庭だったら2人前になるのではないか。背側から食べてみると、臭みを感じない。青物はショウガ醤油で食べるのが良い、とされるがその必要はなく普通にわさび醤油でいける。

一方、腹側は背側より白っぽくなっており、脂が多くなっていることが予想される。食べてみると、かなりハマチの味に近くなっていることがわかる。どうもこの脂に人気があるようだけど、好みとしてはやはり背側。青物は刺身で食うものではない、という根深い思い込みがあったけど、こちらに来てから刺身で食べられるようになった。


【付記】
⚫︎ 今回は背側と腹側を分離しましたが、イナダ級の小ささだとやはり背と腹を一緒にして引いたほうが良いとわかりました。尚、背骨のあたりを指で触ってみると骨が残っていたので、できるだけ除去しておくようにしました。

ついに実物を見てしまった

細かいことは気にしない、多少のことでは驚いたりしない人間になりたいわけではないけれど、なんて言うのかな、重厚さとかどっしりした感じ? そういうものに憧れてはいるわけですよ。貫禄とか威厳、風格といってもいいかも知んないけど、そういうのがあると、ひとかどの人物みたいじゃない?

いや何もね、大人物になろうってつもりはないんですよ。人は、何らかの条件が揃って大人物に「なる」のではなくて、幼い頃からすでに「大人物であるか、ないか」なのである。実際には他人から大人物だと目されるにはそれなりの経験が必要なのだが、大人物は幼い頃からその片鱗を見せているものだ。

これは「ダンディ」とか「いき(粋、意気)」にも当てはまることで、何らかの条件を揃えればダンディ(粋)になれるわけではなくて、たんに「ダンディ(粋)であるか、ないか」だけなのだ。ダンディとは生き方そのもの、あるいはその人の存在そのものであって、応用とか方法論ではない。

だからお洒落に全く通じていなくてもダンディであり得るわけで、その人の生き方がダンディであるか、ないかを自ずと示しているのです。ダンディになろうとしてモードの情報を取り入れ、ファッション・アイテムを取り揃えたとしても、そういう行為がすでに粋ではないんですね。

話を戻すと、ひとかどの人物になれなくてもその何歩も手前で良い、歳相応の大人らしさ?みたいなものが自分にあればなあって思うわけ。なぜ自分はどこか頼りなさそうに見えるのか、どうして極楽とんぼなどと陰口されるのか、よく考えてみればいい。でもいくら考えてみたところでそれが自分なんだから仕方ないではないか。

そんなこんなで貫禄や威厳、風格とか重厚さに憧れて、まるで自分が大人物ででもあるかのように歩いてみることがある。だがそんなに日に限って急に昆虫の羽音が聞こえたりすると「うわっ!」とか言って両手で耳を塞いでその場で凍りついたようになってしまうのだ。私ね、昆虫のバズ音っていうのかな、あれ大嫌いなんですよね。

職場と寮を往復する経路で最もよく使うのが「鬼の隠れ道」を通って林の中の小道を行く、というコース。石灰岩を貫通して作ったトロッコの道だった、と案内板に書いてあるんだけど、男鹿温泉郷は元々石灰岩の露天掘りを行なっていたのだそうだ。鬼の隠れ道とか林の小道を通ると、夏場は常に昆虫に遭遇するからたまらない。

だから大人物のように悠々と歩くのではなく、いつ昆虫のバズ音が聞こえてもいいように警戒しながら歩くようになってしまうのである。そう、その日もある程度の警戒心を持って歩いていたはず、だった。しかし、である。そのものを目の前で見てしまった瞬間、心あらずも「おわっ!」などと叫んで後ずさりしてしまったんである。


【付記】
⚫︎ これは、夏のある日の出来事です。私がいったい何を見たかは、こちらの「見る」からどうぞ。

続きを読む

ソル・レオーネ「エスプレッソ・パスタ」を食う

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「トマトソースで茹でるスパゲッティ」や「山流スパゲッティの食べ方」に惹かれるのは、味がどうこうよりも大量のゆで汁という問題があるからだ。スパゲッティ指南によると、麺100gに対して水1リットルが標準で、美味しいスパゲッティを食べるにはたっぷりの水(湯)と塩を用意せよ、とあるのがほとんどだ。

なぜ大量のゆで汁を出したくないかといえば、我が家の電気鍋が原因なのである。小型で多機能、じつに便利な電気鍋ではあるが、一つだけ欠点がある。それは鍋に取っ手がないことだ。まったくないわけではないけれど、鍋本体の延長として小さな取っ手が付いているだけで、かなり熱いので必ず鍋つかみを使わないといけない。

これ、困るんだよなあ。即席めんを作った時なんかでも、ラーメン鉢に移し替えようとするたびに鍋つかみがいるんだもん。だから無論、他の麺類全てを茹でたときでも同じことが起きるわけである。そうか、この鍋の設計者は即席めんを作ったら鍋からそのまま食べるという発想なんだね。

便利な電気鍋だけど取っ手がないことに悩んでいるのだが、頂き物に「エスプレッソ・パスタ」なるものがあるのを思い出した。よくわかんないのでキューブ・ボックスに放り込んだままになっていたのだ。よく見ると、鍋に300mlの水を入れ、沸騰したらエスプレッソ・パスタを入れ、7分間煮込むと出来上がり、とある。

つまり即席パスタってことか。湯切りをする必要がないというのが良いじゃないか。ふむソル・レオーネですと。日欧商事という輸入商社が取り扱っているもので、イタリア製だという。本場イタリアの味をお手軽に、ときたもんだ。ポルチーニ茸のペンネなんだって。なんか凄いなあ、という感じである。

じゃあ早速やってみますか。水300mlを電気鍋に入れ、最大火力でスイッチオン。沸騰したところでペンネとその他を入れる。火力を少し弱め、たぶん中火くらいでたまにかき混ぜながら茹でる。7分なので、しっかりタイマーもセットしておいた。あ、なんか良い匂いだな。これぞ本場の**って感じ?

20170919131606f81.jpgタイマー終了、ある程度煮詰まってきたので器に移し替えますか。あ、熱っ! やっぱ不便だわ、鍋に取っ手がないと。でさあ、こういうソースに気合が入ったのって、シリコン製のスパチュラ(ヘラ)かなんかで、ぜんぶ綺麗にとってしまいたいんだけど、鍋に取っ手がないとダメなんだよなあ。

鍋の話なのか、即席パスタの話なのか、もうよくわかんないね。食べて見ると、かなり濃厚な味わいで、なかなか美味しい。たぶん生クリームとチーズ、ニンニクなんかをしっかり使っているのがポイントで、やはり「和風きのこ」では到達できぬ濃厚さとこってり感を味わうことができると思う。

気になるのはお値段で、ネットで調べて見ると一袋250円(ポルチーニ茸のペンネ、楽天市場価格)くらいだった。トップバリュの5袋入りラーメンで、もといトマトジュースで茹でたパスタで満足している男には、ちょっとお高い感じがしないでもない。それにこういうお洒落な感じがするものって男鹿に売ってるわけない(おいおい)もんね。

ソル・レオーネ「ポルチーニ茸のペンネ」は、なかなか美味しいけど衝撃を受けて再購入というほどでもないように思う。でも確かに手軽で便利なのは間違いない。自分で買うことはないけど、タダでくれるんなら食べてやってもいい、って感じかな。え、なんか偉そう? まあいいじゃない、普段は平身低頭なんだしさ、ネット上だけでもね。


【付記】
⚫︎ 電気鍋以外となると、卓上IHクッキング・ヒーターが便利なのかな、と思います。それと20cmくらいのフライパンと小型ソースパン、シリコン製のスパチュラも欲しいですね。いわゆるカセットコンロもいいのですが、ガスボンベを買わないといけないってのが面倒くさいんですよね。

自然(生命)の神秘

今(2017年9月)から4〜5年前、大阪の池田市に住んでいた頃、歯科医の勧めもあって親知らずを抜歯することにした。私は疲れてくると親知らずが腫れ、ひどい場合には雑菌がリンパ腺に達して耳まで痛くなるという持病(?)があり、親知らずをどうにかしたいものだと常々思っていた。

だが虫歯でもなく痛みもない状態の歯を抜くのは勇気がいるものだ。注射で局部麻酔をかけ、ヤットコのようなもので一気に引っこ抜くのだけど、麻酔の効きが悪かったのか、激痛とともにメリッと音がした時はさすがに治療椅子(?)に座りながら叫び声をあげてしまった。あの音や痛みは今でも思い出すだけでゾッとする。

結局、4箇所あった親知らずを3本抜いたんだけど、何か噛み合わせが微妙に違っているな、と薄々感じていた。こういうものは自然に何とかなることを経験上知っている。そのまましばらく過ごしていたが、上の右側の奥歯(親知らずの隣)がどうも変なのである。毎晩しっかりブラッシングし、液体ハミガキを使っているのに、歯肉が痩せている。

他の場所は何ともないのに、そこだけ狙ったように歯周病になってしまったようなのだ。どうしてそうなるのか、原因は全くわからない。右上の奥歯だけ痛みが再発し、歯科医でアマルガム(合金)を外してドリルで掘削、型取りをしてアマルガムを再度かぶせてもらった。なんか違うんだよな(噛み合わせが)、という違和感が残った。

騙しだまし過ごして、大阪から秋田へ来たときも、やはり右上の奥歯の歯肉は痩せたままであった。もう戻ることはないのだろうけど、歯周病が拡がるのだけは食い止めないといけないのでブラッシングとデンタルリンスは欠かさず行っていた。疲れてくると右上の奥歯が疼くので、鎮痛剤を投与してしのいだ。

今年(2017年)の梅雨頃だったろうか、右上の奥歯が腫れ出して、またかとウンザリした。だが今度のは歯のぐらつきが大きく、幼少の頃に経験した歯の生え変わりで抜けて行くときの感じに似ている。これはヤバイな、と思ったがどうしようもない。歯が浮いているのか噛み合わせが出来ていないのである。

休憩時間、なんか調子狂うんだよな、とか思いながら舌先でぐらつく歯をいじっていたら、ふとした拍子に何か出て来た。えっ、とか思いながら見ると、歯の一部に見えて仕方がない。かなり硬いもので、どう見ても歯である。歯石ではないかと思う人もいるかもしれないが、歯石は舌先でいじったくらいで取れるものではない。

右上の奥歯の根元から出て来たのだから、歯が欠けたのだろうか。それにしてはうまく取れすぎというか、欠けた時にできる鋭い部分がないのが気になる。だからこれは、ずっとここに居て挟まったままになっていたのだと考えるしかない。だがそこが腫れて、噛み合わせが全くうまくいかなくなったのには心底参ってしまった。

奥歯で噛み締められないというのがこれほど辛いものだとは。食事がまるで旨くないのである。仕方がないからほとんど噛まずに飲み込めるものだけ食べ、硬めの食物は残すようにした。相変わらず右上の奥歯は大きくぐらついていて、もうダメかな、とも思った。終いには奥歯だし抜けちゃってもいいじゃん、と開き直る気持ちにさえなった。

噛み合わせが出来なくなって3日が過ぎようとしていた。ところが次の日、いつの間にか右上の奥歯が大きく前に傾いており、その結果、噛み合わせが実にうまくいくようになっていたのである。これは私がしたのではなくて、私の身体=自然が勝手にやったことである。いったい、いつからこうすることを計画していたのだろうか?

その昼、奥歯でしっかり噛み締められるちょっとした幸せを感じながら、改めて自然の神秘について考えさせられた。私の中の彼=自然(と言うしかない)が、噛み合わせがおかしいことに気づいて周到に計画したとでも? 歯を傾けるために意図的に歯周病を引き起こし、気長に待ちながら時期を見計らって一気に歯を傾けてみせた、とでも言うのか。

一度前に傾いて噛み合わせがうまくいったら、その後は安定して歯の痛みや腫れは起こらなくなった。これも不思議で仕方がないが、それにしても、誰が(って、私の中の彼=自然しかないのだが)どんな力を用いて歯を傾け、噛み合わせがうまくいく位置で固定したというのか。説明できない不思議に只々驚くばかりである。


【付記】
⚫︎ 私の中の彼=自然は、まったくもって凄いやつだと感心するほかありません。身体の生命維持機能とか「ホメオ スタシス」というのでしょうか、私の意思や思念とは関係なく動いてくれているおかげで、私という生命がどうにか保たれているわけですね。もっと身体を大事にしなくちゃ、とか一瞬(だけかよ)思いました。

プロフィール

只野乙山

Author:只野乙山

⚫︎ できれば「只野乙山=ただのおつざん」とお読みくだされば、と思います。

⚫︎ 文字中心のウェブログ。ほとんど一話完結で、どの記事をご覧になっても楽しめ(?)ます。文字数だけなら一冊の本に匹敵(凌駕?)するほどありますので、ごゆっくりどうぞ。

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