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ブラックニッカ・スペシャル(2019)

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原酒不足で日本のウィスキーは以前と中身が変わってしまった、と常々思っている。日本のウィスキーが海外の酒コンペティションで受賞を重ね、外国人観光客の増加やネット環境などによって日本が開かれたものになってしまい、一部のファンだけの密やかな楽しみであったはずの日本のウィスキーが流出してしまったのである。

自分が楽しむために買うのではなく、最初から転売目的で桁違いの大量購入をする輩が横行するに至ってはもはや何の手の打ちようもなく、ただただ唖然とするのみである。大阪の〈やまや〉で彼らの姿を見かけたが、泡沫経済気に出没した輩と違って金払いの良い上客ぶりだった。やり方はともかく、レベルの違う「ビジネス」なのだ。

今回はスーパーニッカに続いて、ブラックニッカ・スペシャル(BNS)を試してみた。ブラックニッカは派生品が多すぎて収拾がつかない気もするが、BNSはシリーズ元祖である。余市蒸溜所のモルトに、兵庫県西宮市に設立したカフェ式蒸留機によるグレーンをブレンドし、1965年に発売された「本流の系譜」に連なる一本。

瓶の裏には「しっかりとしたモルト香と柔らかで軽快なカフェグレーンの香りの調和。モルトのコクと樽のビターさ、カフェグレーンの甘く伸びのある味わい。穏やかなピートと樽の余韻が特徴です」とある。では氷に注いでやりましょうかね。今ね、ウチにはそこそこ良い氷があるんです。氷がない時はストレートで、とか気取ってますけど。

口に含む前に、グラスからバニラを思わせる良い香りが立ち上ってくる。このあたりが焼酎とは違う所。口に含むとまず甘みが来るが、モルト由来かグレーンなのか判定は難しい。時間が経つにつれて舌の刺激に伴ってほのかなハーブ香が広がり、ビターさも感じ、旨さが後から追いかけてくる感じ。ピート香は極めて微弱だが、ある。

ブレンデッド・スコッチに感じるハチミツのような甘さや強めのハーブ香はないが、それとは別の華やかな甘さがあるように思えるのはカフェグレーンのせいだろうか。BNSはスコッチ・タイプを意識してブレンドされたようだが、やはり日本のウィスキーらしさがあるように感じた。原料は輸入品のはずだが面白い現象だと思う。

これ、男鹿ではアマノだけだと思うけど1100円で買ったんです。関西にいた頃は〈楽市〉とか〈やまや〉でも1400円くらいしたはず。手強い、というかそっちに流れそうになる1000円スコッチと比べても、かなりいい線いってると個人的には思う。ただし、ですよ、以前と比べて云々というのは、もう「なし」です。


【付記】
⚫︎ とはいえ、突き詰めていうと、モルトの主張が減っている、に尽きるのでしょうか。原酒不足ですから仕方ないのですが、予期せぬブレイクに加え、予測不可能な投機の動きも拍車をかけたと想像します。

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久しぶりに焼酎を

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家で氷を作られることがわかるとウィスキーを飲む機会が増えるなんて、自分でも単純なヤツだと呆れてしまうが本当のことなんだから仕方がない。といっても高級ウィスキーは無理なので1000円クラスのブレンデッド・スコッチにしている。ホワイトホースが1000円以下で買えるときなど、手が勝手に動いていると言ってもいいくらいだ。

今日もそうして、ホワイトホース目当てでドジャース男鹿店に来たのだが、期間セールが終わったのか、通常価格に戻っていた。なんだつまんないな、とか思いながら酒売り場を出ようとしたら琉球泡盛が目に入った。沖縄にウェブログでお付き合いして下さる方がいて、その影響でいつか泡盛(とくに古酒)を試してみたいと思っていたのだ。

ラベルには〈くら〉と書いてあり、ヘリオス酒造とある。未知のものに挑戦する気概は多少持ち合わせているが、しょせんヘタレ(関西弁で「情けないヤツ」の意)である。以前、土産でもらったどこか南の島の焼酎にクワッと*なって(⁇)飲み切ることができなかったのを頭のどこかで思い出して、混同していたのだと思う。

しばらく逡巡してその場を離れたが(だからヘタレなんよ)、安売りコーナーに〈那由多の刻〉が798円で売っているのを見つけ、思わず手に取ってしまった。以前記事にしたこともある蕎麦焼酎で、味は確認済みである。雲海酒造によるもので、居酒屋でビールの後、〈雲海〉を氷で飲んだりする人間にとっては当然の成り行きでしょ?

特級の自家製氷、といっても画像では伝わらんでしょうな。画角とかもう少し検討すべきだったかもしれないが、無い物ねだりは無理というもの。氷を作った記事ですらもう少し小さな氷で済ませているんだからね。酒の色はスタンダードの〈雲海〉を樽熟成させたようで、ほのかに琥珀色がかっていて高級感がある。

飲んでみるとほのかに甘みがあり、香りは高くないが独特の香りがあって、これがソバ自体によるものなのか、樽由来かを判定することはできない。単体として味わえる上に個性は控えめなので食中酒としては好適域にあり、これこそウィスキーと違う点だろう。だが単独で味わうとしたら、やはりウィスキーが一歩長じると思う。

なので、これだったらウィスキーはもういらない、とはならないと思う。でも焼酎のボトルをキープして飲んでいる人も少なくないようである。個人的には、焼酎の出番を食事中に増やしても良いのではないかと思うが、「普通」の基準からすると「酒自体を減らせ、ていうかやめろ」となるので大きな声では言えないんですよね。

* 「クワッと」って……それでは何のことかわからないと思う。私はある種の発酵食品などを食べるとしばしばそうなる。

【付記】
⚫︎ 久しぶりの焼酎、なかなかでした。熟成と高級化を進めていくとウィスキーとの境界線が曖昧になっていくでしょうが、熟成焼酎は蒸留酒の中では世界的に見ても少数派で、独特のものでしょう。この方向を進めるとともに、庶民の味方としての焼酎もあってほしいですね。

クレイモア(ブレンデッド・スコッチ)

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7月(2018年)中旬、道の駅おが(オガーレ)が完成するのとほぼ同時期に羽立にツルハドラッグができた。このツルハは脇本のツルハと違って酒類や食料品類が豊富であるのが特徴のようだ。周辺にはコンビニ店やいとく(スーパー市場)があるので、脇本に行かずとも買い物を済ませてしまえるようになったかもしれない。

というわけで行ってみました。歯ブラシとか目薬、鼻炎の薬、食品用透明フィルム、オレンジジュースとかを買い物カゴに入れ、酒売り場に行ってみると、わりといい感じではありませんか。ウィスキーにはマルスのツイン・アルプスとかホワイトオークあかしがある。スコッチはヘッジス&バトラーとかクレイモアがあるじゃないか。

いや、なかなか渋いチョイス*ですよ。どういう経緯でこうなったか不明だがそんなに悪くない。たとえ土崎の〈やまや〉に行ったとしても、ブレンデッド・スコッチの品揃えは今ひとつだったことを思うと、こんなど田舎(ごめんね)でクレイモアやH&B、ティーチャーズが買えるのはありがたいことだ。で、クレイモアにしました。

じつはクレイモア、初めてなんである。もう寒いくらいだからストレートでやりますか。色は薄めの琥珀色でキレイですね。飲むと、モルト由来のハチミツを思わせる甘みが来て、喉にアルコールの刺激を感じるとともにハーブ系の香りが広がる。泥炭臭は極めて微弱で、あるかないか判別できぬほどデリケート。

舌や喉にくる刺激はわりと強めで、鼻に抜ける時もなかなか来るものがある。刺激とともにハーブ系の香りが余韻を引くがさほど長くはない。刺激が抜けると最後はモルトの甘味と旨味に戻ってフィニッシュ。これといった特徴は見つけにくい、ということはバランスの取れたブレンドということなのだろう。

これが1000円以下で買えるのだからすごいことだ。酒税法で焼酎も同じ価格帯になってしまうんだけど、焼酎にこの甘みやハーブの香りを求めるのは無茶ってもの。製法や歴史が違うんだから単純比較をするべきではないでしょう。焼酎は氷に注いだり、ミキサー(割材)に合わせたりして飲むのが普通だからね。

実際、いちばん活気があって華やかなのが焼酎ベースのカクテルなんですね。アルコール4〜10%くらいの軽めの飲み物が日本人には合っているのかもしれない。日本酒とかウィスキーだけだとなんか喉が乾く、でもビールに戻るのもできないって時に、ちょうど良いのが焼酎ベースのカクテルなのかもしれない。

* クレイモアとH&Bの他にバランタイン・ファイネストとジョニー・ウォーカー赤ラベルもあり、要所を「きちんと押さえている」とも言える品揃えである。流石に豊富とまでは言えないのだが。

【付記】
⚫︎ なんの話かよくわかんないエンディングでしたが、クレイモアはバランスの取れたなかなか良いブレンデッドでした。ピートが好きな向きはパスしたほうがいいかもしれません。クレイモアを飲んだ後にバランタイン・ファイネストとかジョニー・ウォーカー赤ラベルなどを飲むと、違いがよくわかるんですよね。

麦とホップの黒を飲む

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いつも飲んでいるわけではないが機会があれば買って飲むのがサッポロの「麦とホップ 黒」である。ハイネケンとかハートランドビールなんかが好みで、できれば銀河高原ビールを飲みたいのが本音だけど、低収入&高支出の生活である以上、無理をしてはいかんのである。自分で招いたとはいえ、運命だの人生には首を傾げざるを得ない。

されど首を傾げたところでどうにもならぬのが運命や人生なのである。発泡酒で妥協する前は最後のあがきでトップバリュの〈バーリアル〉というビールをよく飲んでいた。これはれっきとしたビールで、発泡酒ではない。男鹿温泉で会社の寮に住んでいた頃、裏技みたいな感じで「おうちでイオン」を使って箱買いしていたくらいだ。

クルマに乗るようになると、近隣(車で25〜30分)のスーパー市場で物色できるようになった。トップバリュ系の商品がないスーパー市場なので何か代替品にしないといけない時に見つけたのが「麦とホップ」だった。発泡酒には良いイメージがなかったが事前調査の結果、麦とホップが良いらしいという情報をつかんでいたわけです。

飲んでみると、あ、いけるじゃないの、みたいな感じだった。以前いつか、どこかで飲んだ発泡酒がまずかったせいか、むしろ美味しく感じたほどだった。それ以来、麦とホップを愛飲するようになったが、ドジャース男鹿店で麦とホップの黒が置いてあるのを見て、思わず手に取ってしまった。ちょっと期待したわけですね。

まさかギネスみたいなわけではないだろうけど、黒ビールには独特のコクがあるからね。飲んでみると、かなり良い感じだった。普通の発泡酒が物足りないと感じる人にはお勧めできる仕上がり。冷やして飲んでも良いんだけど、実はこれ、真冬に室温で飲むのがうってつけなんですよね。熱燗をやりたいくらいの時に、ぬるい黒発泡酒が良いんですよ。

まだそこまで寒くない季節、普通に冷やして飲みましょうか。缶だけでは寂しいのでダイソーでビアグラスを買ってきましたよ。ちびちび飲むってのが黒には似合いますね。ある程度まで飲んだなら、普通の麦とホップをこれに注ぎます。割って飲むと色合いが美しく、後になるほど淡くなる色の変化や味わいを楽しむのにふさわしい秋ですね。


【付記】
⚫︎ 普段は缶ごと飲んでいるんですが、ビアグラスで飲むと色を楽しめるのが良いですね。味もグラスで飲んだほうが美味しく感じ(?)ます。わかってはいるんですが、悪癖があるのでまた缶ごとに戻るような気がします。

ホワイトホース(2018年)

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もう一度、東北ハムの赤ウィンナーを食べたいなと思ってドジャース男鹿店へ赴くと、酒売り場にホワイトホースが何と798円で売っているではないか。誰かこの手を止めてくれ、と思うのだが半ば衝動的にホワイトホースは買い物カゴに収まっていた。何でその値段で売っているのか不明だが、かつてこの酒は3000円以上していたはずである。

しかも名前の通り白馬が草原を疾走する映像とともに「スコッチらしいスコッチを飲みたい」などという文言も流れるテレビCMもあったほどだ。カティ・サークも昔は盛んに宣伝していたもので、バランタイン・ファイネストなどと並んでちょっとした高級酒扱いだった。798円で買える感覚からすると信じられないかもしれないが本当のことだ。

ところが、シングルモルトに人気が出るとブレンデッド・スコッチの人気に陰りが見え出した。オーディオでもその傾向があると思うけど、「混じりけがない」とか本当に好きだもんな。日本酒でも「純米酒以外は認めない」とかのたまう御仁がいるが葵の紋章じゃないんだよ? もう信仰になってるけど、どうも本気なんだもんどうしようもないやね。

それはさておいて、ラガヴーリンの12年程度熟成原酒が市場に出回っていないのはスコッチ好きにとって周知の事実だったように思う。現在どうなっているのか知らないけど、大阪にいた頃バーで教えてもらったのである。ではラガヴーリンがどうなっているのかというと、ホワイトホースに回っているのだそうだ。

ブレンデッド・スコッチの有名どころでは蒸溜所と契約を交わしていて、自社のブレンド用原酒を確保しているわけです。バランタインなんかそうだと思うけど、そのせいで一般には全く認知されていない蒸溜所がいくつかあるんじゃなかろうか。ごく稀に「**蒸溜所のシングルモルト限定販売」なんてあるからびっくりするよね。

では飲んでみますか。ちょっと寒くなってきたんでストレートで。ハイニッカだってストレートでやれるんだもん、ホワイトホースでやれないわけないでしょ。なるほど、モルト由来の甘みがしっかり来ますね。ハーブを思わせる香り、そして泥炭臭は非常にデリケート。あるのはわかるんだけど、抑えられている感じがする。

これだと、明らかにエンシェント・クランとかティーチャーズ、あるいはベルなどのほうが泥炭臭が強いんじゃないかな。でも喉にくるキックはわりと強くて、ハーブの香りの中にほのかに混じっているピートが後を引く。全体的によくできた仕上がりで、これを飲んだ後でバランタインのファイネストと比べると面白いでしょうね。

まさにど真ん中あたりを突いてきている感じであるが、人によってはもう少しピートが効いているほうが……とか思うかもしれない。なのでピート香が好きな人はパスしたほうがいいかも。でも昔の「スコッチらしいスコッチ」というのは今でも通用する気がする。瓶詰め業者が各々「ブランド」を利用しつつ再興を探っているのが楽しみでもある。


【付記】
⚫︎ ブレンデッド・スコッチの人気低迷に伴い、ホワイトホースも迷走している感じがしないでもありませんでした。日本だけでなく、スコットランドにおいても「中身が変わる」のでしょう。ワインでいえば「同じ中身はできない」ということでしょうか。

プロフィール

只野乙山

Author:只野乙山

⚫︎ できれば「只野乙山=ただのおつざん」とお読みくだされば、と思います。

⚫︎ 文字中心のウェブログ。ほとんど一話完結で、どの記事をご覧になっても楽しめ(?)ます。文字数だけなら一冊の本に匹敵(凌駕?)するほどありますので、ごゆっくりどうぞ。

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