キリン〈陸〉

いつもよく利用している近隣の商店でなにかウィスキーを買おうと思っていたら、キリンの〈陸〉というのがあったので買ってみた。キリンといえばビールなんだけどメルシャンを合併してワイン、ウィスキーも富士御殿場蒸溜所を立ち上げて製造している。近年では〈富士山麓〉というウィスキーも中々良かったが、〈ロバート・ブラウン〉や〈エンブレム〉などいいウィスキーもあった。
そもそもがシーグラム社(カナダの酒造会社。酒造部門をペルノ・リカールに売却している)と組んでキリン・シーグラムとして発足し、シーグラム社からの原酒供給を受けて〈ロバート・ブラウン〉ができたのが1972年。アメリカの工場でブレンドされ日本に輸入した、とキリンのHPに正直に書いてある。スコッチをお手本にするというより、アメリカン/カナディアンよりのウィスキーが得意かと。
今は終売になっている〈NEWS〉や〈ボストンクラブ〉は、軽やかで華やかな味わいで、〈陸〉もその流れを受け継いでいるのかな、と思えた。が、飲んでみると意外にウィスキーっぽい(ぜんぶウィスキーなんですけど)のに驚いた。アルコール度数が50度だからかもしれないが、NEWSやボストンクラブに比べるとスコッチ寄りになっている気がする。
と言っても、富士御殿場蒸溜所のモルト原酒と外国産のグレーン原酒のブレンデッドで、比率はグレーンのほうが多い。ラベルの筆頭がグレーン、ついでモルトになっているので、正直に書いているのも好感が持てる。小さなグラスに注いで飲んでいるが、ヴァニラ香やカラメル香の甘い香りが漂ってくる。やっぱりこれがキリンのウィスキーの持ち味なんだな、と。
価格は500ml=1300円くらいで、いろんな事情があるんだろうけど、かなり強気かと思う。だってニッカの〈ピュアモルト〉シリーズが同容量で1500円だったから。1980年代と今を同列にするのもどうかと思うが、それこそ比較にならない。それだけ〈ピュアモルト〉シリーズが凄かったわけで。それらを考えると〈陸〉はいささか調子に乗っている感じがしないでもない。
何しろ日本のウィスキーの原酒不足が続いてるからね。各メーカーが増産体制に舵取りをしたかどうかわかんないし、何年(数十年?)かしたら原酒が潤沢になってまた〈ピュアモルト〉シリーズが復活するかもしれない、そんな時をじっくり待とうではありませんか。もうたぶんないかもしれない、その時をね。その頃にはもう、私は存在していないかもしれないけど。
そもそもがシーグラム社(カナダの酒造会社。酒造部門をペルノ・リカールに売却している)と組んでキリン・シーグラムとして発足し、シーグラム社からの原酒供給を受けて〈ロバート・ブラウン〉ができたのが1972年。アメリカの工場でブレンドされ日本に輸入した、とキリンのHPに正直に書いてある。スコッチをお手本にするというより、アメリカン/カナディアンよりのウィスキーが得意かと。
今は終売になっている〈NEWS〉や〈ボストンクラブ〉は、軽やかで華やかな味わいで、〈陸〉もその流れを受け継いでいるのかな、と思えた。が、飲んでみると意外にウィスキーっぽい(ぜんぶウィスキーなんですけど)のに驚いた。アルコール度数が50度だからかもしれないが、NEWSやボストンクラブに比べるとスコッチ寄りになっている気がする。
と言っても、富士御殿場蒸溜所のモルト原酒と外国産のグレーン原酒のブレンデッドで、比率はグレーンのほうが多い。ラベルの筆頭がグレーン、ついでモルトになっているので、正直に書いているのも好感が持てる。小さなグラスに注いで飲んでいるが、ヴァニラ香やカラメル香の甘い香りが漂ってくる。やっぱりこれがキリンのウィスキーの持ち味なんだな、と。
価格は500ml=1300円くらいで、いろんな事情があるんだろうけど、かなり強気かと思う。だってニッカの〈ピュアモルト〉シリーズが同容量で1500円だったから。1980年代と今を同列にするのもどうかと思うが、それこそ比較にならない。それだけ〈ピュアモルト〉シリーズが凄かったわけで。それらを考えると〈陸〉はいささか調子に乗っている感じがしないでもない。
何しろ日本のウィスキーの原酒不足が続いてるからね。各メーカーが増産体制に舵取りをしたかどうかわかんないし、何年(数十年?)かしたら原酒が潤沢になってまた〈ピュアモルト〉シリーズが復活するかもしれない、そんな時をじっくり待とうではありませんか。もうたぶんないかもしれない、その時をね。その頃にはもう、私は存在していないかもしれないけど。
【付記】
悪くはない、でも……な感じの〈陸〉でしたが、やはりアルコール高濃度で出しているのがいいですね。
悪くはない、でも……な感じの〈陸〉でしたが、やはりアルコール高濃度で出しているのがいいですね。
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サントリーローヤル(2023)

1月4日(2023年)、やっと休みになった。シフト勤務で定休はなく、人員不足に加えて諸般の事情もあり、夜勤3連続(週6勤)のあと1日休みを3回繰り返す(?)というハードスケジュールだった。正月気分を満喫することはおろか、それを楽しむ人のために奉仕する業務である。だからといって特に見返りはなく、たぶん「できればやりたくない仕事」に分類されると思われる。
だから募集しても人が集まらないんだよ。愚痴はこの辺りでやめておくとして、休みになったら何かに復讐するみたいに飲もうとする自分がなんだか、ね。いや、本当はそんなに飲まなくていいし、飲めないし(寝落ちするから)。正月用の酒として〈酔鯨〉も買ったじゃないか。でも、である。アチキはウィスキーをちびちび飲みたいの。せっかくだから少し良いのをね。
じつは正月用としてBNS(ブラックニッカ・スペシャル)を買ってあったんだけどね。ふだんBNC(ブラックニッカ・クリア)を飲んでいる者にとってBNSは特別である。ブラックニッカ・シリーズはたくさんありすぎてよくわかんないけど、いちばん好きなのはBNS。兵庫の西宮蒸溜所(今は宮城峡に移転している)で蒸留された高品質のカフェ・グレーンをブレンドされ、1965年に誕生している。
でもね。なんかこう、いかにも、ってやつをやりたいわけ。ツルハで買ったBNC紙パックもあってBNSもある。もうウィスキーはじゅうぶんだけど、サントリーローヤル(スリムボトル)を買ってしまった。2000円台後半だけど、昔は4500円くらいしたんだよ。今の人にはわかってもらえないかもしれないが、バランタイン・ファイネストとかホワイトホースが3000円以上したの。
ジャック・ダニエルとか7000円以上だったよ。ジョニー・ウォーカーのブラックレーベル(ジョニ黒)だと1万円以上してた。オールド・パーなんて買うの無理。いや、ウソじゃなくてホントの話ね。贈答用だったもん。これ全部、ブレンデッドの話で、シングルモルト云々なんて全くと言っていいほど、なかった。そもそもブレンデッドとシングルモルトの違いさえ知らなかった。そんな旧世代の、戯言ですわ。
サントリー・ローヤルを開けてオールドファッションド・グラスに氷を入れて注ぐ。飲んでみると、チョコレートのような香りとナッツが合わさったような風合い、低価格帯のウィスキーにはないリッチさがある。このナッツ感は前からあったんだろうか、とか思うんだけど、ローヤルを飲みつけているわけではないのでわかんない。ウィスキーも、微妙であるがブレがあると思う。
醸造した後に熟成を経るワインとは違って、比較的ブレが生じにくいウィスキーだと思うが、それでも差はあるので、それをいかにして「いつものあの味」にするのがブレンダーの力量によるのではないかと思う。もう「あの味」ではないかもしれないが、それでもうまい。飲まずとも、氷を入れたグラスに注いだローヤルを嗅いでいるだけでもう、うっとりする。
飲み終えた後、キッチンで何かをしているときにローヤルの余韻を感じた時「さすがだな」と思った。余韻を楽しみ味わうというのは低価格帯のウィスキーだと、そうないものだから。だけど上述したように「昔のとは違う」気がする。なんだか全体に軽い感じ。どこがどう、というのを表現するのは難しいが、やはり「違う」としか言いようがない。
もう発見されてしまったから仕方ないのかもしれないが、日本のウィスキー全体が原酒不足になっている。かつてあんなにたくさんあったラインナップから、いつの間にか姿を消した商品もある中、レッドからローヤルまで存在し続けているのが驚きだ。ただそれらは何度も書いたように昔とは違う。特にオールドとリザーヴはそうだろう。微妙に違うのではなく、物自体が違っている。
両者(に加えてローヤル)は白州蒸溜所ができる前の、山崎蒸溜所の原酒その他(ここ重要)を使ってブレンドされていたのだが、何度かリニューアルを重ねるうちに白州蒸溜所の原酒も使われるようになった経緯がある。それを良くないとは思わない。もう「そういうもの」として現在のオールドなりリザーヴ、ローヤルを楽しむというか、そうするしかないわけで。
ぶっちゃけレッド(トリス)からローヤルまでが庶民向けで、響JHとか熟成年数非記載のシングルモルト山崎や白州が中流層向け、そして山崎✳︎✳︎年や白州✳︎✳︎年、響✳︎✳︎年とあるのが富裕層というか上流層向けなんだろうね。自分は何ひとつ事を為しておらず、ちっとも偉くなっていないのに、かつてお偉いさんが飲んでいたローヤルをなんだか軽くなったな、とか思いながら飲む。
だから募集しても人が集まらないんだよ。愚痴はこの辺りでやめておくとして、休みになったら何かに復讐するみたいに飲もうとする自分がなんだか、ね。いや、本当はそんなに飲まなくていいし、飲めないし(寝落ちするから)。正月用の酒として〈酔鯨〉も買ったじゃないか。でも、である。アチキはウィスキーをちびちび飲みたいの。せっかくだから少し良いのをね。
じつは正月用としてBNS(ブラックニッカ・スペシャル)を買ってあったんだけどね。ふだんBNC(ブラックニッカ・クリア)を飲んでいる者にとってBNSは特別である。ブラックニッカ・シリーズはたくさんありすぎてよくわかんないけど、いちばん好きなのはBNS。兵庫の西宮蒸溜所(今は宮城峡に移転している)で蒸留された高品質のカフェ・グレーンをブレンドされ、1965年に誕生している。
でもね。なんかこう、いかにも、ってやつをやりたいわけ。ツルハで買ったBNC紙パックもあってBNSもある。もうウィスキーはじゅうぶんだけど、サントリーローヤル(スリムボトル)を買ってしまった。2000円台後半だけど、昔は4500円くらいしたんだよ。今の人にはわかってもらえないかもしれないが、バランタイン・ファイネストとかホワイトホースが3000円以上したの。
ジャック・ダニエルとか7000円以上だったよ。ジョニー・ウォーカーのブラックレーベル(ジョニ黒)だと1万円以上してた。オールド・パーなんて買うの無理。いや、ウソじゃなくてホントの話ね。贈答用だったもん。これ全部、ブレンデッドの話で、シングルモルト云々なんて全くと言っていいほど、なかった。そもそもブレンデッドとシングルモルトの違いさえ知らなかった。そんな旧世代の、戯言ですわ。
サントリー・ローヤルを開けてオールドファッションド・グラスに氷を入れて注ぐ。飲んでみると、チョコレートのような香りとナッツが合わさったような風合い、低価格帯のウィスキーにはないリッチさがある。このナッツ感は前からあったんだろうか、とか思うんだけど、ローヤルを飲みつけているわけではないのでわかんない。ウィスキーも、微妙であるがブレがあると思う。
醸造した後に熟成を経るワインとは違って、比較的ブレが生じにくいウィスキーだと思うが、それでも差はあるので、それをいかにして「いつものあの味」にするのがブレンダーの力量によるのではないかと思う。もう「あの味」ではないかもしれないが、それでもうまい。飲まずとも、氷を入れたグラスに注いだローヤルを嗅いでいるだけでもう、うっとりする。
飲み終えた後、キッチンで何かをしているときにローヤルの余韻を感じた時「さすがだな」と思った。余韻を楽しみ味わうというのは低価格帯のウィスキーだと、そうないものだから。だけど上述したように「昔のとは違う」気がする。なんだか全体に軽い感じ。どこがどう、というのを表現するのは難しいが、やはり「違う」としか言いようがない。
もう発見されてしまったから仕方ないのかもしれないが、日本のウィスキー全体が原酒不足になっている。かつてあんなにたくさんあったラインナップから、いつの間にか姿を消した商品もある中、レッドからローヤルまで存在し続けているのが驚きだ。ただそれらは何度も書いたように昔とは違う。特にオールドとリザーヴはそうだろう。微妙に違うのではなく、物自体が違っている。
両者(に加えてローヤル)は白州蒸溜所ができる前の、山崎蒸溜所の原酒その他(ここ重要)を使ってブレンドされていたのだが、何度かリニューアルを重ねるうちに白州蒸溜所の原酒も使われるようになった経緯がある。それを良くないとは思わない。もう「そういうもの」として現在のオールドなりリザーヴ、ローヤルを楽しむというか、そうするしかないわけで。
ぶっちゃけレッド(トリス)からローヤルまでが庶民向けで、響JHとか熟成年数非記載のシングルモルト山崎や白州が中流層向け、そして山崎✳︎✳︎年や白州✳︎✳︎年、響✳︎✳︎年とあるのが富裕層というか上流層向けなんだろうね。自分は何ひとつ事を為しておらず、ちっとも偉くなっていないのに、かつてお偉いさんが飲んでいたローヤルをなんだか軽くなったな、とか思いながら飲む。
【付記】
正月だから、のローヤルですが、ふだんならオールドとかリザーヴさえ、というか「角瓶」すら中々手が出せないんですよね。だってBNCの人ですもん。
正月だから、のローヤルですが、ふだんならオールドとかリザーヴさえ、というか「角瓶」すら中々手が出せないんですよね。だってBNCの人ですもん。
ドンキ「情熱価格」の純米酒

普段いちばんよく飲んでいる日本酒を挙げよ、と言われると北鹿の〈生酛〉(普通酒)か〈生酛純米〉という2リットル紙パックと答えるだろう。日本酒(普通酒)の相場は1升瓶=2000円、4号瓶=1000円くらいと思うが、北鹿の〈生酛〉は2リットルで800円台後半、〈生酛純米〉だと2リットルで900円台後半で買うことができる。それでいて「安いからまずい」わけではないのだ。
以前なら紙パック酒は料理用として購入していた。〈香住鶴〉など一部の例外を除いて紙パック酒を飲む気さえ起きなかったものだが、秋田に来て北鹿を知ってからいろんな紙パック酒を抵抗なく買って飲めるようになり、今では瓶の処理を考えると紙パックを進んで選ぶようにさえなった。何しろ瓶の収集は月1回しかないから。それが少ないかどうか、よくわかんないけど。
某休日、ジンを買いにドンキに行ったら日本酒コーナーに紙パックの純米酒が売られており、特売なのか2リットル698円になっていた。えっ、北鹿の紙パック純米より安い純米酒が存在するなんて……思わず手に取ってしまったのはいうまでもない。みるとドンキ「情熱価格」シリーズのようだ。同シリーズはドンキのPV商品で、よく「ド」マークが付いている。
裏面を見ると製造元が書いてあり、栃木の北関酒造と。「越後杜氏伝心」とも書いてある。ネットで調べてみると、栃木や他の地域でも新潟の越後杜氏や青森の南部杜氏を呼び寄せて酒を仕込むのが一般的であったそうだ。杜氏といっても普段は農作業をしていて、冬の農閑期に出稼ぎの形で出向する杜氏が少なくないというが、栃木では外部の杜氏の後継者不足から地元で杜氏を育成しているそうだ。
それを下野(しもつけ)杜氏といって、下野杜氏の育成に越後杜氏や南部杜氏があたることもあるという。「越後杜氏伝心」とはそうした背景から生まれた文言だと思われるが、北関酒造ホームページの「杜氏の声」を見ると上吉原正人という杜氏が紹介されており、下野杜氏と南部杜氏の両方の資格を持つ、と。そして越後杜氏直伝の技も持つという興味深い杜氏。
ところで越後(新潟)といえば久保田/八海山/越乃寒梅をはじめ、〆張鶴/上善水如/菊水などがよく知られており、淡麗辛口のイメージが強い。一方秋田の酒は、淡麗や辛口を追わず、旨味としっかりした飲み応えがあるのが特徴で、酸味とのバランスがよく飲み飽きない懐の深さがある。ただしっかりした飲み応えは重さに通じる部分もあって、特に夏にそれを感じることもある。
そのあたりは酒造メーカーも意識していて、多くの蔵元が「夏酒」を発売している。1年の半分以上が「冬」なわけだから、寒い時に飲むための酒を造る傾向があるのも当然の流れだと思う。だけど夏は白ワインのような軽やかさがある酒を飲みたくなるもので、そんな時に越後杜氏直伝の酒がぴったりじゃないだろうか。じつは北関酒造の酒、某ドラッグストアで買って試したことがある。
それが中々良かったわけでして。だから今回、ドンキの「情熱価格 純米酒」を安心して買い物カゴに入れることができた。飲んでみると、あっさりすっきりした味わいに軽やかさがあって、キリッと冷やして飲むと実にいい。ただし「しっかりした飲み応え」は控えめなので好みは分かれると思う。「情熱価格」は値段のわりに値打ちがあるらしいが、「純米酒」はそうだと言える。
以前なら紙パック酒は料理用として購入していた。〈香住鶴〉など一部の例外を除いて紙パック酒を飲む気さえ起きなかったものだが、秋田に来て北鹿を知ってからいろんな紙パック酒を抵抗なく買って飲めるようになり、今では瓶の処理を考えると紙パックを進んで選ぶようにさえなった。何しろ瓶の収集は月1回しかないから。それが少ないかどうか、よくわかんないけど。
某休日、ジンを買いにドンキに行ったら日本酒コーナーに紙パックの純米酒が売られており、特売なのか2リットル698円になっていた。えっ、北鹿の紙パック純米より安い純米酒が存在するなんて……思わず手に取ってしまったのはいうまでもない。みるとドンキ「情熱価格」シリーズのようだ。同シリーズはドンキのPV商品で、よく「ド」マークが付いている。
裏面を見ると製造元が書いてあり、栃木の北関酒造と。「越後杜氏伝心」とも書いてある。ネットで調べてみると、栃木や他の地域でも新潟の越後杜氏や青森の南部杜氏を呼び寄せて酒を仕込むのが一般的であったそうだ。杜氏といっても普段は農作業をしていて、冬の農閑期に出稼ぎの形で出向する杜氏が少なくないというが、栃木では外部の杜氏の後継者不足から地元で杜氏を育成しているそうだ。
それを下野(しもつけ)杜氏といって、下野杜氏の育成に越後杜氏や南部杜氏があたることもあるという。「越後杜氏伝心」とはそうした背景から生まれた文言だと思われるが、北関酒造ホームページの「杜氏の声」を見ると上吉原正人という杜氏が紹介されており、下野杜氏と南部杜氏の両方の資格を持つ、と。そして越後杜氏直伝の技も持つという興味深い杜氏。
ところで越後(新潟)といえば久保田/八海山/越乃寒梅をはじめ、〆張鶴/上善水如/菊水などがよく知られており、淡麗辛口のイメージが強い。一方秋田の酒は、淡麗や辛口を追わず、旨味としっかりした飲み応えがあるのが特徴で、酸味とのバランスがよく飲み飽きない懐の深さがある。ただしっかりした飲み応えは重さに通じる部分もあって、特に夏にそれを感じることもある。
そのあたりは酒造メーカーも意識していて、多くの蔵元が「夏酒」を発売している。1年の半分以上が「冬」なわけだから、寒い時に飲むための酒を造る傾向があるのも当然の流れだと思う。だけど夏は白ワインのような軽やかさがある酒を飲みたくなるもので、そんな時に越後杜氏直伝の酒がぴったりじゃないだろうか。じつは北関酒造の酒、某ドラッグストアで買って試したことがある。
それが中々良かったわけでして。だから今回、ドンキの「情熱価格 純米酒」を安心して買い物カゴに入れることができた。飲んでみると、あっさりすっきりした味わいに軽やかさがあって、キリッと冷やして飲むと実にいい。ただし「しっかりした飲み応え」は控えめなので好みは分かれると思う。「情熱価格」は値段のわりに値打ちがあるらしいが、「純米酒」はそうだと言える。
【付記】
なにも記事中で挙げた新潟の酒と比べて「良い」とか、そんな話ではありませんので念の為。
なにも記事中で挙げた新潟の酒と比べて「良い」とか、そんな話ではありませんので念の為。
ボンベイ・サファイア&ソーダ

某休日、メルシティ潟上のドンキでボンベイ・サファイアを買ってきた。よく知られたジンで入手しやすく且つ比較的低価格といえるものはあらかた試してきたが、おそらく最後となる。もちろん世界にもたくさんジンが存在するのだが、それらを入手するには通販しかない。通販もできぬではないが我が家には玄関ベルがなく、宅配だと非常に受け取りにくいのである。
ボンベイ・サファイアは1580円(税抜)で底辺貧民には常飲できない価格だけど、クラフト・ジンになると2000円以上が普通になるので困ったものだ。ジンにせよウィスキーにせよ「いつものやつ」は1000円くらい(それ以下であれば尚よい)でなくてはならぬ。響で国際賞を受賞したサントリーのマスターブレンダーも家では角瓶を飲んでいるというではないか。
さてさて早速飲んでみましょうかね。ジンとソーダと氷以外、何もなしで。えっ、と思うほどインパクトがない。おかしいなあ、これは「飲む香水」とも称される高級ジンのはず、なんだけど? 気を取り直して今度は少し濃いめでジン&ソーダを作ってみると……うむ、でもジュニパー・ベリーも柑橘系も思ったより控えめで、かといってそれ以外のボタニカルが効いているわけでも、ない。
これは上品というのであろうか。でもアルコール度数は47度でかなり「濃い」のである。何かが突出しているわけではなくて、ジュニパー・ベリー/柑橘系/それ以外のボタニカルのバランスが「良い」というわけだろうか。自分が思い込んでいた「ボンベイ・サファイア」とはどこか違う気がするのだが、トニック・ウォーターで割ってライムを絞ったから正確なことは言えない。
いや、自分は間違っていたなあ。これは正直に書いておかないとね。ボンベイ・ドライとサファイアがどれだけ違うか、展開できないほどでしてね。暑さのせい? いやいや違うぞ。味覚の問題が大きいと思うけど、やはりジンのマッピングを改正しないといけないようだ。ていうか、ジンは私の思ったより奥が深いということなんだ。ボタニカルをどう使うかで、違いが出てくるのだから。
ボタニカルの選択と配合、ボタニカルを漬け込んでから蒸留するのか、蒸留してからボタニカルに通すのか、やり方は本当に様々である。ちなみにボンベイ・サファイアはラベルに書いてあるように「ヴェイパー・インヒュージョン」方式。バスケット方式ともいう。この方式だからこそ、ベース・スピリッツに軽くフレーヴァーのついたジンができるのかもしれない。
間違っていたらごめんなさいね。だって、想像した以上に全てにおいて控えめで、掴み所のないジンだったので。もっとジュニパー・ベリーとか柑橘系が突出している「イメージ」だった。だって「飲む香水」だもん。過去に書いたボンベイ・サファイアの記事って、あれはなんだったんだ、って思っちゃう。どこかで聞いたのを鵜呑みにしたからだと、自分の至らなさを悔いた。
で、最後に冷蔵庫にボトルごと入れて冷やしたのをストレートでやってみると、おいしかった。「飲む香水」の意味がわかったような気がした。47度もあるのだから、冷凍してもいけるんじゃないかと思う。ショットグラスに小さな氷を入れ、そこに注いで飲むのもいける。あまり薄めずに飲むのがボンベイ・サファイアの楽しみ方としてお勧めできる。
ボンベイ・サファイアは1580円(税抜)で底辺貧民には常飲できない価格だけど、クラフト・ジンになると2000円以上が普通になるので困ったものだ。ジンにせよウィスキーにせよ「いつものやつ」は1000円くらい(それ以下であれば尚よい)でなくてはならぬ。響で国際賞を受賞したサントリーのマスターブレンダーも家では角瓶を飲んでいるというではないか。
さてさて早速飲んでみましょうかね。ジンとソーダと氷以外、何もなしで。えっ、と思うほどインパクトがない。おかしいなあ、これは「飲む香水」とも称される高級ジンのはず、なんだけど? 気を取り直して今度は少し濃いめでジン&ソーダを作ってみると……うむ、でもジュニパー・ベリーも柑橘系も思ったより控えめで、かといってそれ以外のボタニカルが効いているわけでも、ない。
これは上品というのであろうか。でもアルコール度数は47度でかなり「濃い」のである。何かが突出しているわけではなくて、ジュニパー・ベリー/柑橘系/それ以外のボタニカルのバランスが「良い」というわけだろうか。自分が思い込んでいた「ボンベイ・サファイア」とはどこか違う気がするのだが、トニック・ウォーターで割ってライムを絞ったから正確なことは言えない。
いや、自分は間違っていたなあ。これは正直に書いておかないとね。ボンベイ・ドライとサファイアがどれだけ違うか、展開できないほどでしてね。暑さのせい? いやいや違うぞ。味覚の問題が大きいと思うけど、やはりジンのマッピングを改正しないといけないようだ。ていうか、ジンは私の思ったより奥が深いということなんだ。ボタニカルをどう使うかで、違いが出てくるのだから。
ボタニカルの選択と配合、ボタニカルを漬け込んでから蒸留するのか、蒸留してからボタニカルに通すのか、やり方は本当に様々である。ちなみにボンベイ・サファイアはラベルに書いてあるように「ヴェイパー・インヒュージョン」方式。バスケット方式ともいう。この方式だからこそ、ベース・スピリッツに軽くフレーヴァーのついたジンができるのかもしれない。
間違っていたらごめんなさいね。だって、想像した以上に全てにおいて控えめで、掴み所のないジンだったので。もっとジュニパー・ベリーとか柑橘系が突出している「イメージ」だった。だって「飲む香水」だもん。過去に書いたボンベイ・サファイアの記事って、あれはなんだったんだ、って思っちゃう。どこかで聞いたのを鵜呑みにしたからだと、自分の至らなさを悔いた。
で、最後に冷蔵庫にボトルごと入れて冷やしたのをストレートでやってみると、おいしかった。「飲む香水」の意味がわかったような気がした。47度もあるのだから、冷凍してもいけるんじゃないかと思う。ショットグラスに小さな氷を入れ、そこに注いで飲むのもいける。あまり薄めずに飲むのがボンベイ・サファイアの楽しみ方としてお勧めできる。
【付記】
まさかのフェイク? いや、さすがにそれはないと思います。情報の伝達速度からすると、特定地域における違法行為は起こり得ない状況ですから。あるとしたら、自分の味覚の問題かも。
まさかのフェイク? いや、さすがにそれはないと思います。情報の伝達速度からすると、特定地域における違法行為は起こり得ない状況ですから。あるとしたら、自分の味覚の問題かも。
トリス・クラシック&ソーダ

1000円以下の最低価格帯ウィスキーではBNC(ブラックニッカ・クリア)を飲むようにしている。低収入高支出の最底辺生活をしていると、1000円スコッチさえゼータク品になる。本物のビールなんてここ数年飲んだことがなく、もっぱらビール味リキュール、しかも外国産の激安品を選んでいる。もうあと少しの辛抱である。無理して借りた奨学金をやっと完済できる。
YouTubeで「女ひとり爆飲み」みたいな動画を見ていると、女性ユーチューバーがハイボールにBNCを採用しているのが確認できて同感した。BNCって、なんだかんだ言ってウィスキーらしき痕跡を残しているんじゃないかと思う。だけど彼女たちはもうすごいとしか言いようがない。飲み比べとかしたら絶対「負け」確定の気持ち良い飲みっぷりに驚かされてしまう他ない。
BNCは安いわりにいけるし、無理な作り物感がなく、ソーダ割りにすると晩酌の食中酒にできるのでリピートすることになるのだが、ほぼ同じ価格帯でサントリーの〈トリス・クラシック〉が隣に並んでいたので買ってみた。トリスの歴史は古く、昔は「トリス・バー」なるものが全国にあって、主にトリスを好きなやり方で楽しんでいたようである。
私が合法的に飲酒できるようになったのは1980年代半ばで、その頃にはすでにトリス・バーは衰退していたと思う。1970年代に流れていた「アンクル・トリス」のCMも見かけることはなく、1980年代後半にはいわゆる「オールド・ショック」があった。サントリーオールドの売り上げが急落し、それに次いで酒税法改正によって外国産ウィスキーが安値で取引されるようになった。
その際の国産ウィスキーの売り上げは落ち込み、各メーカーは増産の見送りあるいは減産に舵を切った。それが何年続いたのか不明だが、後にサントリーやニッカのウィスキーが海外のコンペティションで受賞し、国際的にジャパニーズ・ウィスキーが認められるようになるまで、だろうか。そのときのツケが、現在の原酒不足の原因といえる。
さてトリス・クラシックを飲んでみよう。まずストレートで、次いでトゥワイス・アップとかしない。写真のトリス・ハイボール、かなり濃いめになっているのわかります? もうジガー(45ml)越えてて、もしかしたらダブルに近い分量。これだから危ないんだよな。でも安いウィスキーは濃いめにしないとうまくないよね。安いからってついつい入れちゃう。
ソーダで割って飲んでみると、うむ、中々いける! 少し前に出た〈トリス・エクストラ〉よりおいしいような気がする。ひょっとするとBNCと勝負できるかも、とBNCと飲み比べてしてみると……うむ、負けてないね。BNCよりうまいと断言できないが、差し替えできるよ? 私、ウィスキーに関しては派とか党はなくて、おいしかったらなんでもいいじゃん、って感じ。
関西生まれの関西育ちなんで、サントリーに育てられたみたいなところがある。そんな関西でも「通はニッカを飲むんだよ」って教えてくれる先輩がいた。もうすでにニッカのピュアモルト3種とフロム・ザ・バレルを知っていた(というか当時住んでいた近所の酒屋さんがニッカ推しだったので教えてもらってハマった)ので、苦笑いするしかなかったけど。
昔はこういった形でのコミュニケーションがあったのね。いい意味でもその反対でも。その先輩曰く「ウィスキーが好きなら梅田新食堂街の✳︎✳︎に行ってみ。面白いのがあるから」と。騙された気持ちで行ってみると、今はなき軽井沢蒸溜所のウィスキーをショット売りしてた。飲んで驚いて、しばらく通ったりしたけど、本当にいい経験をさせてもらったと思っている。
大企業のすることって意味わかんないよね。こんだけいいウィスキーを作れる蒸溜所があるのに、買収した上で叩き潰すってどうなのよ? まさにこれから、といえるジャパニーズ・ウィスキー、蒸溜所を増設しこそすれ、実力ある蒸溜所を閉鎖してしまうなんて……軽井沢から秩父へ人が流れたと言う話も聞こえてくる。って、もう過去の話ね。
そんなことを思い出しながら〈トリス・クラシック〉ハイボールを飲んでいる。うん、悪くない。BNCと本当にいい勝負してると思う。これはウィスキーだ、と思って改めて飲むタイプではないのは言うまでもない。エステリーさとかモルト香、ピート香がどうの、とかね。ハイボールにしてから揚げとか他の何かの料理に合うかどうかを言うべきだろう。
その意味では「ばっちり」だと思う。トリス・クラシックはBNCの代替になり得るし、晩酌に用いても、単独で飲んでも「おいしい」ウィスキーだと思う。安さを売りにしている店ならベースになるかもしれない。BNCがそうであるようにね。関西では「濃いめでね」とか言う、とぼけた客がいるけど、「はい」と受けておいてマジで対応しないでね。ほんのちょっと、もう1ミリだけよ?
YouTubeで「女ひとり爆飲み」みたいな動画を見ていると、女性ユーチューバーがハイボールにBNCを採用しているのが確認できて同感した。BNCって、なんだかんだ言ってウィスキーらしき痕跡を残しているんじゃないかと思う。だけど彼女たちはもうすごいとしか言いようがない。飲み比べとかしたら絶対「負け」確定の気持ち良い飲みっぷりに驚かされてしまう他ない。
BNCは安いわりにいけるし、無理な作り物感がなく、ソーダ割りにすると晩酌の食中酒にできるのでリピートすることになるのだが、ほぼ同じ価格帯でサントリーの〈トリス・クラシック〉が隣に並んでいたので買ってみた。トリスの歴史は古く、昔は「トリス・バー」なるものが全国にあって、主にトリスを好きなやり方で楽しんでいたようである。
私が合法的に飲酒できるようになったのは1980年代半ばで、その頃にはすでにトリス・バーは衰退していたと思う。1970年代に流れていた「アンクル・トリス」のCMも見かけることはなく、1980年代後半にはいわゆる「オールド・ショック」があった。サントリーオールドの売り上げが急落し、それに次いで酒税法改正によって外国産ウィスキーが安値で取引されるようになった。
その際の国産ウィスキーの売り上げは落ち込み、各メーカーは増産の見送りあるいは減産に舵を切った。それが何年続いたのか不明だが、後にサントリーやニッカのウィスキーが海外のコンペティションで受賞し、国際的にジャパニーズ・ウィスキーが認められるようになるまで、だろうか。そのときのツケが、現在の原酒不足の原因といえる。
さてトリス・クラシックを飲んでみよう。まずストレートで、次いでトゥワイス・アップとかしない。写真のトリス・ハイボール、かなり濃いめになっているのわかります? もうジガー(45ml)越えてて、もしかしたらダブルに近い分量。これだから危ないんだよな。でも安いウィスキーは濃いめにしないとうまくないよね。安いからってついつい入れちゃう。
ソーダで割って飲んでみると、うむ、中々いける! 少し前に出た〈トリス・エクストラ〉よりおいしいような気がする。ひょっとするとBNCと勝負できるかも、とBNCと飲み比べてしてみると……うむ、負けてないね。BNCよりうまいと断言できないが、差し替えできるよ? 私、ウィスキーに関しては派とか党はなくて、おいしかったらなんでもいいじゃん、って感じ。
関西生まれの関西育ちなんで、サントリーに育てられたみたいなところがある。そんな関西でも「通はニッカを飲むんだよ」って教えてくれる先輩がいた。もうすでにニッカのピュアモルト3種とフロム・ザ・バレルを知っていた(というか当時住んでいた近所の酒屋さんがニッカ推しだったので教えてもらってハマった)ので、苦笑いするしかなかったけど。
昔はこういった形でのコミュニケーションがあったのね。いい意味でもその反対でも。その先輩曰く「ウィスキーが好きなら梅田新食堂街の✳︎✳︎に行ってみ。面白いのがあるから」と。騙された気持ちで行ってみると、今はなき軽井沢蒸溜所のウィスキーをショット売りしてた。飲んで驚いて、しばらく通ったりしたけど、本当にいい経験をさせてもらったと思っている。
大企業のすることって意味わかんないよね。こんだけいいウィスキーを作れる蒸溜所があるのに、買収した上で叩き潰すってどうなのよ? まさにこれから、といえるジャパニーズ・ウィスキー、蒸溜所を増設しこそすれ、実力ある蒸溜所を閉鎖してしまうなんて……軽井沢から秩父へ人が流れたと言う話も聞こえてくる。って、もう過去の話ね。
そんなことを思い出しながら〈トリス・クラシック〉ハイボールを飲んでいる。うん、悪くない。BNCと本当にいい勝負してると思う。これはウィスキーだ、と思って改めて飲むタイプではないのは言うまでもない。エステリーさとかモルト香、ピート香がどうの、とかね。ハイボールにしてから揚げとか他の何かの料理に合うかどうかを言うべきだろう。
その意味では「ばっちり」だと思う。トリス・クラシックはBNCの代替になり得るし、晩酌に用いても、単独で飲んでも「おいしい」ウィスキーだと思う。安さを売りにしている店ならベースになるかもしれない。BNCがそうであるようにね。関西では「濃いめでね」とか言う、とぼけた客がいるけど、「はい」と受けておいてマジで対応しないでね。ほんのちょっと、もう1ミリだけよ?
【付記】
そんなの、しなくてもいいの。マジで対応しちゃダメで、冗談と冗談のせめぎ合いみたいなもの。関西では必須、というかいつでも、どこでもあることでね。トリス・クラシックはいけると思いました。
そんなの、しなくてもいいの。マジで対応しちゃダメで、冗談と冗談のせめぎ合いみたいなもの。関西では必須、というかいつでも、どこでもあることでね。トリス・クラシックはいけると思いました。